GMOクリック証券でCFD取引をしたことがある人は知っ
ている人もいると思いますが、GMOクリック証券には
損失の拡大を防ぐためのロスカットシステムが存在します。
通称、セーフティバルブシステムと呼ばれているこの
システムは新規約定時に自動計算したロスカットレート
を設定し、損失発生を抑えるものです。
特に、投資初心者の方にとっては、ロスカットの意味も
知らない人もいるので、セーフティバルブシステムのよう
な仕組みがあるに越したことはないのですが、この仕組み
だけに頼っていては、利益獲得のチャンスを逃すことに
なります。
今日は、このセーフティバルブシステムをどのように活用
するのがよいか説明していきます。
GMOクリック証券のロスカットシステム『セーフティバルブシステム』とは?
まず、セーフティバルブシステムについて説明します。
セーフティバルブシステムとは、新規約定時に相場状況
に応じて、自動でロスカット幅を計算し、ロスカット
レートを設定するシステムです。
そして、ロスカットレートを割り込んでしまったポジショ
ンだけが強制決済される仕組みになっています。
一般的な証券会社のロスカットルールでは、あなたが保有
しているポジションごとにロスカットレートが設定される
のではなく、口座全体の証拠金維持率が一定以下になった
ときにすべてのポジションがロスカットされてしまいます。
つまり、一般の証券会社の場合、米国VIブルETFと米国VI
ベアETF、米国VIの3つの銘柄についてそれぞれポジション
を保有していたとして、口座全体の証拠金維持率が一定
以下になると、すべて決済されてしまいます。
そうすると、せっかくまだ伸びしろがあった銘柄まで強制
的にロスカットされてしまうといった事態が起こりえます。
一方で、セーフティバルブシステムでは、米国VIブルETF、
米国VIベアETF、米国VIのそれぞれにロスカットレートが
自動で設定されます。
米国VIブルETFだけロスカットレートを割り込んでしま
った場合は、米国VIブルETFだけ強制決済されて、残り
の米国VIブルETFと米国VIはロスカットされない仕組み
になっています。
このような仕組みになっていることで、損失の拡大を
抑えながら、利益を追求できるというわけです。
多くのトレード初心者はロスカットレートの設定の重要性
を理解していないので、自動で設定してくれるシステムと
いうのは非常に有用だと思います。
ただし、一方で、セーフティバルブシステムだけに頼って
いると利益獲得のチャンスを逃すことになりかねないので、
その点に関して次の章で説明していきます。
GMOクリック証券のロスカットシステム『セーフティバルブシステム』活用時の注意点
では、このセーフティバルブシステムだけに頼るとどの
ような問題点があるのでしょうか?
トレードにおいて一番難しいのは利益を確定するタイミ
ングです。
これ以上上がらないだろうと思い、決済したら、さらに
大きく上昇したり、もう下がらないだろうと思い、ポジ
ションを保有し続けたら、さらに下落したといったこと
は日常茶飯事です。
そして、セーフティバルブシステムの問題点は新規約定
時にロスカットレートが設定されるだけで、そのロスカ
ットレートが動くことはありません。
そうすると、次のような状況が起きたときにはほぼ役に
立ちません。
例えば米国VIベアETFを10000円で購入し、3年で20000円
にまで上昇したとしましょう。
GMOクリック証券の場合、新規購入時点でロスカットレ
ートは9000円くらいに設定されると思います。
そして、4年目に入った時にVIXショックが起き、米国VI
ベアETFの価格が70%下落したとします。
そうすると、米国VIベアETFの価格は6700円近辺にまで
急落しますので、初めに設定された9000円で強制決済
されてしまいます。
強制決済されればまだよいですが、取引時間外に急落する
と、取引が再開された時点で大きく下落しており、9000円
で強制決済されないこともあります。
つまり、セーフティバルブシステムに頼ってロスカット
レートを調整していないと、VIXショックのようなもの
が起きたときに今まで築いてきた資産が一瞬で吹き飛ぶ
ことになるのです。
新規約定時にロスカットレートを設定してくれるという
意味では非常に使い勝手はよいのですが、評価益がある
程度大きくなってきたタイミングでは初期に設定した
ロスカットレートでは意味をなさないということです。
では、どうすればよいのでしょうか。
トレードで利益を出している人の多くが相場状況に合わ
せて、ロスカットの位置を調整しています。
つまり、ある程度、利益が出たタイミングで、利益確定
の逆指値注文を入れているのです。
逆指値注文の方法は、GMOクリック証券の決済画面から
簡単に行うことができます。
利益確定の逆指値を入れておくことで、相場が予想に反
して下がれば、利益確定され、相場が上昇していった場合
は、逆指値の注文をずらすことで利益確定の幅を広げて
いくことが可能です。
セーフティバルブシステムをうまく活用し、ロスカット
レートを調整しながら、利益の最大化を目指しましょう。