高配当株投資を始めると、株に投資をしている人とETFに投資をしている人がいることに気づきます。
投資先もほぼ同じなので、一見すると、ただ株かETFかの違いのように見えますが、はっきり言って、まったく別の別物の投資だと思ってください。
それくらい高配当株と高配当ETFに投資をするのは別物ですので、それぞれの特徴を押さえたうえで自分がどちらの投資をするのか検討してください。
高配当株の特徴とは?
まずは高配当ETFと比べたときの、高配当株投資の特徴は次の2つです。
①ETFと比べて、高い利回りが期待できる
②銘柄選定を自分で行う必要がある
もう少し詳しく解説していきます。
①ETFと比べて、高い配当り利回りが期待できる
実際にどのくらいの配当が期待できるのかを見てみましょう。配当利回り1%というのは、100万円投資していたら、1万円の配当を受け取れるという意味ですね。
日本を代表する高配当ETFと高配当株の配当利回りは次のようになっています。
ETF | 配当利回り |
NF・日経高配当50 ETF | 4.57% |
NF・日経高配当70 ETF | 3.69% |
個別株 | 配当利回り |
商船三井 | 15.97% |
日本郵船 | 14.68% |
東芝 | 6.99% |
JT | 6.82% |
ジャフコ | 6.76% |
株のほうが利回りがかなり高くなっていることがわかります。
今回紹介した高配当ETFは配当利回りランキングで上位50銘柄、70銘柄をポートフォリオに組み入れているETFです。ETFは株と比べると配当利回りが平均化されるため、利回りだけを見ると、株式のほうが有利です。
②銘柄選定を自分で行う必要がある
高配当株投資で最も警戒しなければいけないのが、持っている株が減配や無配になることです。
銘柄数を絞れば当然、万が一のことがあったときの影響が大きいので、銀行、商社、小売り、自動車、医薬品など色々なセクターに分散投資をして、万が一のときのリスクを最小限に抑える必要があります。
当然、どの銘柄を選定するかは自分で選定する必要があり、四半期に一回公表される決算情報を分析し、財務的に問題がないか、今後も配当を継続できそうかをチェックする必要があります。
ですので、高配当株を自分で選んで投資する場合は、それなりの時間をかけて銘柄分析をする覚悟が必要です。
他人が分析したデータを参考にして投資をするという選択肢もありますが、自分の投資力向上につながらないのでおすすめしません。
高配当ETFの特徴とは?
続いて、高配当株と比べた時の高配当ETF投資の特徴は3つあります。
①個別株と比べると配当利回りが低い
②分散効果が大きい
③銘柄選定をファンドマネジャーにお任せできる。
もう少し詳しく見ていきましょう。
①個別株と比べると配当利回りが低い
高配当ETFは、さきほど見た通り、個別株と比べると、配当利回りがかなり落ちます。投資金額が小さいうちは、数万円の差にしか感じないと思いますが、1000万単位で投資をするようになると、かなり大きな差になります。
②分散効果が大きい
1つのETFに投資をすれば、あなたは高配当株50銘柄や70銘柄に分散投資ができます。
高配当株では減配や無配のリスクが一番恐いので、分散してあることで、万が一のことがあっても、配当に大きな影響は出ないという特徴があります。
高配当投資をする上で、一番重要なポイントと言ってもいいかもしれません。
③銘柄選定はファンドマネジャーにお任せできる
ETFの場合、ETFを買っておけば、あとはファンドマネジャーが勝手に銘柄の入れ替えをしてくれます。ですので、投資をしたあとは放ったらかしにしたとしても、減配や無配の株の影響で、受け取れる配当金が激減するといった心配はしなくても大丈夫です。
ただ、注意点もあり、今回ご紹介した日経高配当50 ETFのように配当利回りが高い銘柄を上から50社だけ取ってきたようなファンドの場合、配当利回りは一時的に高くなってはいるものの財務状況が良くない銘柄も混ざっていることがあるので、高配当ETFならどれを選んでもいいというわけではないという点は覚えておいてください。
では、このように高配当株、高配当ETFの特徴を踏まえた場合、それぞれどういう人におすすめの投資方法なのかを見ていきます。
高配当株がおすすめな人
まず、高配当株投資のほうがおすすめな人はこんな人です。
①高い利回りが欲しい人
②銘柄選定はある程度できる自信がある人
③四半期ごとに時間をかけてでも自分でしっかり選定したい人
もう少し詳しく見ていきます。
①高い配当利回りが欲しい
ETFに投資をするのと、株に投資をするのとでは、利回りベースでかなり差が出ます。ですので、シンプルにたくさん配当金が欲しい人は高配当株を選択したほうがいいですね。
②銘柄選定はある程度できる自信がある
ただし、高配当株に投資をするなら、絶対条件といってもいいのが、これです。減配・無配のリスクがあるため、銘柄分析は必須であり、財務諸表などを読んで、自分で分析ができる自信のある人でないと私はおすすめしません。
他の人が分析した情報をもとに高配当株を選定するのも悪くはないですが、投資はどこまで行っても自己責任なので、やはり自分で分析して判断するのが大前提だと思っています。
③四半期ごとに時間をかけてでも自分でしっかり選定したい
②に関連しますが、分散して複数の銘柄を保有すれば、銘柄分だけ四半期ごとに決算書を見て、財務内容に問題がないかをチェックする必要があります。
3銘柄程度であればいいですが、これが30銘柄にでもなれば、毎回かなりの時間を要することになります。それくらいの時間を使っても自分で銘柄の分析をしたいという人には株がおすすめです。
高配当ETFがおすすめな人
続いて、高配当ETFのほうがオススメな人はこんな人です。
①利回りは少し低くてもいいから分散しておきたい人
②投資に時間をあまり使いたいくない人
こちらも詳しく見ていきます。
①利回りは少し低くてもいいから分散投資しておきたい
個別株投資でも自分で50銘柄買えば、分散できるにはできますが、時間と手間を考えると、効率はかなり悪いです。その点、ETFは1つ買えば、50銘柄、70銘柄に分散できますので、手軽に分散投資ができます。
②投資に時間をあまり使いたくない
さきほどの述べたとおり、銘柄選定はそれなりに時間がかかります。手堅いポートフォリオを作ろうと分散投資をすればするほど手間も時間もかかります。
投資が趣味みたいな人は何の苦にもならないですが、多くの人は別にそこまでして投資に時間をかけたくない人がほとんどです。家族で遊びに行ったり、友人と飲みに行ったりすることを大事にしたい人はETFのほうがおすすめです。
では、自分はETFか株かどちらに投資をしているのかというと?
ちなみに私はというと高配当ETFに投資をしています。理由はシンプルに個別銘柄の選定に時間を使いたくないからです。
私の場合、個別銘柄に投資をするのであれば、自分で銘柄分析をして納得してからでないと投資をしたくないので、本気で個別株に分散投資をするとなると、かなり時間を取られるイメージがあります。
一方、私の場合は、他にも投資を色々やっており、高配当株の選定に時間を使うよりも、トレードを含めた他の投資に時間を割いたほうが賢明だと考えているからです。
またETFか株かどちらかだけに投資をしなくてはいけないというものでもないので、ETFをベースにしつつ、気になる銘柄だけは株をいくつか買ってみるという方法で投資をしている人も多い印象です。
ぜひ自分にあった投資方法を見つけてくださいね。