あなたは契約をするときに事前に契約書について目を通していますか?

携帯電話を契約するときや、インターネットの契約をするときに
読む気も失せる大量の文字が書かれている契約書をみて、あなたは
よく読まずに契約してしまっているかもしれません。

株や投資信託を購入するときに目論見書に目を通している人も少ない
でしょう。

大企業との契約であれば、契約書をそこまで読まなくても、ちゃんと
したものが作成されているので、まだよいのですが、ハイリスク・
ハイリターン投資の契約をするときは要注意です。

このような投資では、契約書がちゃんと作られていないという前提で
対処しないと、後々トラブルに繋がります。

投資する上で危険すぎる契約書の事例

具体的にイメージしてもらうために、過去に私が見たことのある
契約するのが危険な契約書の事例を紹介しておきます。

まず、契約内容が聞いた話と違っていたり、投資先が明記されて
おらず、どこに投資がされるのか全くわからないような時があります。

また、配当の受け取れる期間の表記が聞いていた内容と違っていたり、
いつでも解約できると聞いていたのに解約はできないとなっていたり、
会社名が違っていたり、数えたらきりがありませんが、あなたが想定
もしないようなことが普通に起こります。

まともな会社であれば、契約書作成は法務部門が請け負い、専門家の
知見を活かしながら作成します。

契約書のダブルチェックなどをして間違いがないか、修正事項が変わっ
ているかをちゃんと確認すると思いますが、こういうことさえちゃんと
やれない会社が多いのも事実です。

契約書にサインをするということは、「その内容に同意しました」と
いうことになります。

あとから「聞いていた話と違う」と言ったとしても、契約書に書いて
あることが証拠として残っていますので、契約内容をあとから変更する
ことはほぼ不可能と思ったほうがいいでしょう。

普段生活する上では、そこまでしっかり契約書を見る機会はないと思い
ますが、ハイリスク・ハイリターン投資においては、かなりしっかり
内容はチェックしておくべきです。

当日、いきなり契約書をチェックするとなると、大事な部分を聞き逃し
てしまうかもしれませんし、言いくるめられてしまう可能性もあります
ので、契約書のひな型を事前に取り寄せてチェックするのが基本です。

注意すべき契約書の種類

また契約書の種類も要チェックです。

投資では、匿名組合出資契約や社債契約、金銭消費貸借契約など
様々な契約形態があります。

社債契約も危険ですが、この中で、特に注意をしないといけない
のが金銭消費貸借契約です。

金銭消費貸借契約というのは、いわゆるお金の貸し借りを約した
契約書で、投資においては、個人と個人で結ぶことがよくあります。

「100万円借りるので、1年後に105万円にして返します」など、そう
いったものです。

この金銭消費貸借契約は曲者です。契約書作成側(お金を受け取る側)
は、「万が一、何かあったときは直接お金の請求ができます。」
「万が一、投資案件がうまくいかなかったとしても、私に一生請求
することができます。」と言ってきます。

契約について詳しく知らないと、「万が一、投資がうまくいかなく
なっても安心だ。この人はきっと後から返してくれる」と思い、信頼
できる内容のように感じますが、そう思ってしまったあなたは落とし
穴に見事にはまることになります。

この契約は何が問題となるのでしょうか。

それは請求できる権利はあるものの、請求したからと言って、お金を
払ってくれるかは別の問題なのです。

本当に支払う気があっても、お金がないために支払えない場合もあり
ますし、実はお金を隠し持っていて、支払えないふりをしているかも
しれません。

あなたはそれをどのように調べますか?

直接聞けば、正しいことを教えてくれると思いますか?

嘘を言っていないか判断できますか?

たいていの場合、相手に話を聞いたとしても、嘘かホントかわからず
悶々としたまま帰るだけになります。

頑張って稼いだお金が戻ってこないとなると、相手を殴ったり、
脅したりしてでも返済させたいと思うのが、人間の心理ですが、
日本の法律に「自力救済の禁止」という法律があります。

これは、例えば、当初の契約どおりにお金を払ってくれないからと
言って、自宅に押しかけたり、脅そうものなら、逆に警察に逮捕
される可能性も出てきます。

「支払いたいけれども、払えないんだと」言われてしまうと、手の
出しようがなくなってしまうのが現状です。

まだ相手と連絡をとれるうちは返金の可能性が少しはあるかもしれ
ませんが、大抵の場合、連絡が取れなくなり、所在も不明になり、
金銭消費貸借契約がただの紙ぺらになってしまうことも多いのが実際
のところです。

ですから、投資するときの契約書の形態が金銭消費貸借契約書だった
場合は、リスクを考えると契約しないほうが無難だと思います。

どうしても契約したいという場合は、公正証書で契約することを
おすすめします。

公正証書というのは、簡単に言ってしまえば、契約が不履行となった
タイミングですぐに相手側に強制執行をかけることができる契約です。

つまり、配当が止まった、遅れたということがあれば、公正証書をもと
に、相手側の銀行口座を差し押さえることができるのです。

ただし、現行の法律上、相手側の銀行口座を把握していないと、差し
押さえるのは相当困難なので、金銭消費貸借契約するよりは、少し
安心できる程度とお考え下さい。

上記の例は、あまりよく知らない人と契約する場合です。

契約の相手方とすごく仲が良く、家族ぐるみの付き合いがあり、どこに
勤めているのかも把握しているなど、そういった場合は、連絡が取れ
なくなることも考えづらいですし、最悪の場合、相手側の家族に話を
することもできますし、勤務先に連絡を取ることもできます。

何かあった場合に、対策がとれるかとれないかも契約するかしないか
の重要な判断材料のひとつになります。

契約書は2部作成するのが基本

もうひとつ、仕事で契約の業務をしている人にとっては当たり前の
ことですが、案外知らない人もいますので、補足しておきます。

通常、契約書は二部用意し、一部ずつを補完するというのが、一般的
です。

まだ私が投資を始めたころ、とても良さそうな案件に見えたので、
契約しようとしていたのですが、エージェントがなぜか契約書を一部
しか持ってきませんでした。

私はこの時点で、契約はしないことにしました。

契約書を二部作成するのは、契約する側(投資する側)にとっては、
➀自分が契約した内容を確認できる②契約が守らなければ、その契約書
をもとに、支払いを請求できる。といった意味合いがあります。

契約書作成側(お金を預かる側)にとっては、➀契約内容を確認できる。
②契約者からの無理な要求(契約の範囲外の要求)に対して、契約書を
もとに対抗できる。といった意味合いがあります。

ですから、お互いが契約書を保管しあうことは絶対必要なことなのです。

逆に、契約書をおろそかにしているということは、契約書の重要性が
わかっていないということであり、平気で契約を守らない可能性が高い
のです。

このあたりも当たり前のことではありますが、投資先が色々な管理を
ちゃんとしているかしていないかを判断する材料のひとつになると思います。

まとめ

以上のように、熟練の投資家から見ると、契約内容や契約形態を見れば、
ある程度リスクがどの程度あるか把握することができます。

こういったノウハウはかなり重要だと思っているのですが、なかなか
教えられる人がいないのも事実です。今日をきっかけに、契約書の
重要性について、理解しておいてください。