VIX指数先物をトレードに活用するには、VIX指数先物ならではの
特徴を理解しておく必要があります。

それがコンタンゴとバックワーデーションです。

この2つの仕組みを頭でしっかり理解しておくことで、トレードの
幅が大きく広がります。

今日は、コンタンゴとバックワーデーションについて徹底解説して
いきます。

コンタンゴ(順ざや)とは?

まず、コンタンゴ(順ざや)から説明します。

下図の見方は縦軸が先物の価格です。横軸は満期までの期間を
示しています。つまり第一限月というのは、満期まで30日以内の
先物の価格です。

第二限月というのは、満期が30~60日以内の先物の価格と
いう見方をします。つまり、右に行けばいくほど満期までの
期間が長いということです。

満期までの期間が短いものを期近、満期までの期間が長いものを
期先と言います。

下図を見て、直感的に理解をしてもらったほうが早いのですが、
コンタンゴとは期近の先物価格より、期先の先物価格のほうが
高くなっている状態のことを言います。

基本的に、相場が落ち着いているときは、コンタンゴの状態で
あることがほとんどです。

では、なぜコンタンゴになるのでしょうか。

これにはいくつかの要因が関係しています。例えば、原油や
天然ガス、とうもろこしなど現物を保管する必要があるような
先物は、保管コスト(コスト・オブ・キャリー)がかかります。

長期になればなるほど、保管コストがかかりますので、
その分の価格を織り込んで、長期の先物価格のほうが
高くなります。

しかし、VIX指数先物の場合、保管コストはかかりませんので、
別の要因でコンタンゴの状態になります。それは、時間価値です。

例えば、現時点でVIX指数の値が10だったとします。その時点で
VIX指数先物の価格は100円でした。そこで、あなたは将来に
備えてVIX指数先物を購入しようと決めました。

先物を購入する場合に利益を出すには、購入した時点よりも
VIX指数の値が高くなる必要があります。では、満期までの
残存期間が1カ月の先物と、残存期間が6カ月の先物ではどちら
のほうがVIX指数が10を超えてくる可能性が高いでしょうか。

VIX指数の値動きの特性を理解している人ならすぐわかりますが、
VIX指数はときどき急騰して30以上の値をつけます。つまり、
満期までの期間が長ければ長いほど、VIX指数が上昇して利益を
得るチャンスが多いことになります。

利益を得るチャンスが多いということは、その分高くVIX指数先物
を購入しても良いという人が出てきますので、期先の先物ほど価格
が高くなるというわけです。

バックワーデーションとは?

通常、コンタンゴの状態にあるVIX指数先物ですが、相場が暴落
したりなどしてVIX指数が急上昇すると、以下のように直近の先物
価格のほうが高くなる現象がおきます。

これをバックワーデーションといいます。

注目してほしいのは、コンタンゴであった状態から、期近の先物価格
が急上昇していますが、期先にいけばいくほど、先物価格はほとんど
変わっていないという現象がおきています。これはどういうことか。

S&P500が急落するということは、多くの投資家が今後も、マーケットが
大きく下がると考えているのと同じです。

相場が大きく下落すると考える人というのは、VIX指数が今後も
上昇すると考えます。ただ、VIX指数を直接購入することはできませんので、
VIX指数の先物を今購入しておけば、VIX指数が上昇するので、儲かる
はずと考えるわけです。

そして、利益が出る可能性が高いのであれば、その分高い価格で
購入しても良いという人が増えますので、VIX先物指数の価格も
急上昇します。

ただし、VIX指数は急上昇後、すぐにもとの水準に戻ることが知られ
ています。つまり、満期までの期間が短い先物であれば利益が出る
可能性が高いですが、満期までの期間が長ければ、VIX指数は10~20
の水準に戻ってしまう可能性が高くなります。

ですので、長期のVIX指数先物は、現時点でVIX指数が大きく
上昇しても、6カ月後には、もとの水準に戻っている可能性の
ほうが高いため、先物の価格はほとんど変動しないというわけなのです。

VIX指数先物の特徴

さて、コンタンゴとバックワーデーションの仕組みはすでに
ご理解いただいたと思いますが、VIX指数先物ならではの特徴に
ついて改めて確認しておきます。

VIX指数とVIX指数先物はまったく異なるものですので、まず
その点はしっかり押さえておいてください。

下図のVIX指数チャートで見ると、VIX指数が10~20程度の平穏時は、
VIX指数先物はコンタンゴになります。一方で、VIX指数が30を超える
ような相場が急変したときは、VIX指数先物はバックワーデーションの
状態になります。

ここで重要なのは、VIX指数自体が年間を通じて、ほとんど平穏状態
ですので、コンタンゴの状態にあるということです。そして、相場が
急変したときのみバックワーデーションになります。

そして、S&P 500 VIX 短期先物指数のように、期近の先物を売却し、
期先の先物を買い戻して、ロールオーバーするような指数は、
VIX指数先物がほぼコンタンゴの状態であることから、価格の安い
期近の先物を売却して、価格の高い期先の先物を購入することになります。

つまり、ロールオーバーするたびに、損失を出していることに
なります。この結果、S&P 500 VIX 短期先物指数は、大きな急変
相場が来ないときは、右肩下がりに減少を続けることになるわけです。

コンタンゴとバックワーデーションが理解できれば、多くのVIX関連商品の
指数となっているS&P500VIX短期先物指数がなぜ下落するのも
理解できるはずです。

S&P500 VIX短期先物指数とは?なぜ下落を続けるのか?

まとめ

いかがでしたでしょうか?

コンタンゴ、バックワーデーションはどのような先物でも起こり
得る減少ですが、原資産(原油、金、とうもろこし、VIX指数)が
何かによって、変動の仕方は変わります。

中でもVIX指数先物の場合は、VIX指数の特性上、コンタンゴの
状態が80~90%を占めます。

このような絶対的な仕組みをトレードに活かすことができれば、
より着実な資産形成ができるというわけです。