コロナショックで金が急騰したのを目の当たりにした人であれば、
「金を買っておこうかな」と思った人も多いと思います。

数年前までは、手数料が割高だったので、純金積立が注目される
ことはなかったのですが、

近年、手数料が下がってきたこととネットで手軽に購入できる
ようになったことで、多くの投資家が注目を始めています。

とはいえ、純金積立を提供している会社ごとにそれぞれ特徴が
ありますので、しっかり比較をしてから純金積立をはじめても
遅くはありません。

今日は、純金積立を取り扱う販売会社を徹底比較していきます。


そもそも純金積立とは?

まず、純金積立というのは、その名の通り、毎月一定額の
金を購入する投資手法です。

毎月1,000円、10,000円といった金額を決めて購入したり、
毎月1g、10gと決めて購入する方法があります。

そして、購入した金の総額よりも、売却時の金の総額のほうが
高ければ利益が出るというわけです。
※設定しておけば、毎月自動積立できます。

「純金」という名前がついているので、毎月、自分の手元に
金が届くのかと勘違いする人がいるのですが、

純金積立の場合は購入した会社で管理してもらうことに
なるので、手元に金は届きません。

ただ、積立額が一定額を超えると、金のインゴットや
ゴールドバーに交換してくれるサービスもあります。

金のインゴットは100gでも60~70万円しますので、なかなか
最初に購入するのはハードルが高いですが、純金積立という形で
少額から積立ができるということで人気が上がってきているわけですね。

さて、ここからは具体的に純金積立のサービスを提供している
会社を細かく比較していきます。

純金積立の最低積立金額と増額単位を比較

まず、純金積立は販売会社によって、積立方法と最低積立金額が
違いますので見ていきましょう。

販売会社 定額積立 定量積立
楽天証券 1000円以上、1000円単位 1g以上、1g単位
SBI証券 1000円以上、1000円単位 1g以上、1g単位
マネックス証券 1000円以上、1000円単位 1g以上、1g単位
KOYO証券 3000円以上、1000円単位
住信SBIネット銀行 1000円以上、1000円単位
田中貴金属 3000円以上、1000円単位
三菱マテリアル 3000円以上、1000円単位
徳力本店 3000円以上、1000円単位

楽天証券、SBI証券、マネックス証券といったネット系証券
では、定額積立だけでなく、定量積立もできるようになっています。

ただ、たいていの人は毎月一定額を積み立てる定額積立のほうが
利用しやすいと思いますので、定量積立ができるというのは
プラス評価にはなりません。

定額積立のほうは、どの販売会社も1000円か3000円から始められ、
増額は1000円単位でできるようになっています。

1000円刻みで増減できることが一番重要ですので、どの販売会社にも
あまり優劣はないと考えていいですね。

純金積立の手数料を比較

続いて、一番重要となってくるのが、純金積立の手数料です。

この手数料が高い会社を選ぶか低い会社を選ぶかでリターンは
大きく変わってきます。

純金積立で注目するべき手数料は

  • 購入時手数料
  • 年会費
  • 保管料
  • 売買スプレッド

の4点です。

それでは、1つずつ分析していきましょう。

購入時手数料を比較

まずは購入時手数料です。

購入時手数料は毎月、積み立てる金額に対してかかってくる
手数料になります。

販売会社 購入時手数料(税込)
楽天証券 1.65%
SBI証券 2.20%
マネックス証券 1.65%
KOYO証券 無料
住信SBIネット銀行 2.50%
田中貴金属 2.75%※1
三菱マテリアル 3.10%※2
徳力本店 2.50%

※1:積立額1,000~29,999円の場合。積立額30,000~49,999円→2.20%、積立額50,000円以上→1.65%に下がる。
※2:積立額10,000円以下の場合。積立額10,000円以上→2.60%に下がる。

もともとネット証券系の会社は購入時手数料が3%近かったため、
手が出しづらかったのですが、近年半分程度にまで下がってきた
ことで、かなり手が出しやすくなりました。

投資信託の信託報酬のように毎月かかってくる手数料ではないので、
1回の支払いだと考えれば、悪くないですね。

一方、購入時手数料で大きく差別化しているのがKOYO証券です。

KOYO証券の購入時手数料はなんと無料です。

これを見習って、ネット証券各社も手数料をさらに下げてほしい
ところです。

最後に、金メーカーである田中貴金属や三菱マテリアルなどは
手数料でかなり遅れを取っています。

年会費を比較

2つ目の手数料は、販売会社の年会費です。

年会費は毎年かかってくる固定費用で、積立金額が
少ない場合は、大きな影響を受けることになります。

販売会社 年会費(税込)
楽天証券 無料
SBI証券 無料
マネックス証券 無料
KOYO証券 1,500円/年
住信SBIネット銀行 無料
田中貴金属 1,100円/年
三菱マテリアル 880円/年※1
徳力本店 1,100円/年

※1:郵送物送付停止手続きをした場合、無料

ネット系証券や住信SBIネット銀行は年会費はかかりません。

一方、KOYO証券は1500円/年となっており、購入時手数料を
ゼロにするかわりに年会費で稼ごうとしている戦略が見て取れます。

金メーカーは未だ年会費がかかるので、手数料面では、
ネット系証券にかなり差をつけられていると言えます。

保管料と保管方法を比較

3つ目が保管料を比較していきます。

保管料というのは、あなたが積立てた純金を
保管するときにかかる費用です。

保管料は今ではどの証券会社も無料ですので、
あまり気にしなくてもよくなりました。

販売会社 保管料 保管方法
楽天証券 無料 消費寄託
SBI証券 無料 特定保管
マネックス証券 無料 消費寄託
KOYO証券 無料 消費寄託
住信SBIネット銀行 無料 消費寄託
田中貴金属 無料 特定保管
三菱マテリアル 無料 消費寄託※1
徳力本店 無料 特定保管

※1:特定保管か消費寄託を選択可能

ただ、保管方法については、注意が必要です。

保管方法には、特定保管(混蔵寄託)と消費寄託の
2種類があります。

特定保管(混蔵寄託)というのは、銀行の貸金庫を
イメージするとわかりやすいと思います。

あなたは積立てた純金を、販売会社が管理する貸金庫に
預けておくことができます。

純金の所有権はあなたに帰属していますので、万が一、
会社が破綻してもあなたの資産は守られます。

一方で、消費寄託というのは、銀行の普通預金をイメージ
すると考えるとわかりやすいと思います。

あなたは積立てた純金は販売会社が預かって運用します。

所有権は販売会社に移転していますので、販売会社が
破綻した場合、あなたが積立てた純金が戻ってこない
可能性があります。

どちらも積み立てた純金を預かってもらうという点では
同じなのですが、

販売会社が万が一、破綻した場合にちゃんと資産が
守られるかという点が大きく異なるということです。

特定保管(混蔵寄託)のほうが販売会社に何かあったときでも
安心ではありますが、

消費寄託でもSBI証券や楽天証券など大手の証券会社であれば、
まず破綻の心配はないので、そこまで心配する必要はありません。

売買スプレッドを比較

4つ目の手数料が売買スプレッドです。

多くの販売会社では「売却時の手数料はかかりません」と
謳っていますが、実際には販売店の利益が金価格に上乗せ
されています。

スブレッドはイメージしにくいので、具体例で説明しましょう。

田中貴金属の場合、2021/2/27時点で、購入価格が6,609円/gに
対して、売却価格は6,500円/gとなっています。

つまり、あなたが2/26に金地金を1g買って、すぐ売却した場合、
109円の損失が出ることになります。

なぜこのように購入時と売却時の金額に差がついているかということ、
この差額の109円/gというのが田中貴金属の利益になっているからです。

ですので、実質この109円/gをあなたは手数料として
支払っていると言えます。

それでは、販売会社ごとの売買スプレッドを比較してみましょう。

販売会社 売買スプレッド
楽天証券 78円/g
SBI証券 80円/g
マネックス証券 111円/g
KOYO証券 66円/g
住信SBIネット銀行 109円/g
田中貴金属 109円/g
三菱マテリアル 109円/g
徳力本店 109円/g

※2021/2/26時点

売買スプレッドは、KOYO証券が一番安くなっており、
楽天証券やSBI証券でも安くなっています。

1g単位で比較しているので、大した差には見えないかも
しれませんが、

長期で積立をして、1kg(1000g)くらいまでになったとすると、
2~3万円も手数料が変わってきます。

売買スプレッドもやはりKOYO証券が強いですね。

さて、ここまで4つの手数料について販売会社ごとに比較を
してきました。

ただ、細かく比較はしたものの、実際どの販売会社が手数料が
安いのかわからなかったという人もいるかもしれません。

そこで、もしあなたが10,000円積立をしたときと、50,000円
積立をしたときでそれぞれどこの販売会社が手数料が安いのかを
比較してみましょう。

月10,000円積立てた場合の年間手数料を比較

販売会社 年間手数料(税込)
楽天証券 1,980円
SBI証券 2,640円
マネックス証券 1,980円
KOYO証券 1,500円
住信SBIネット銀行 3,000円
田中貴金属 4,400円
三菱マテリアル 4,000円
徳力本店 4,100円

10,000円で純金積立をしたときはKOYO証券が一番手数料は
割安で購入できます。

やはり購入時手数料が無料というのはかなり大きいですね。

それ以外の販売会社では、ネット系証券会社が割安となっています。

純金メーカーは手数料がネット証券系の2倍くらいになっており、
さすがにここまで差が開くと、投資する気にはなれません。

月50,000円積立てた場合の年間手数料を比較

つづいて、月50,000円を積立てた場合を比較してみました。

販売会社 年間手数料(税込)
楽天証券 9,900円
SBI証券 13,200円
マネックス証券 9,900円
KOYO証券 1,500円
住信SBIネット銀行 15,000円
田中貴金属 11,000円
三菱マテリアル 16,480円
徳力本店 16,100円

やはり、5万円積立てるときでもKOYO証券の手数料の安さは
圧倒的に割安です。

積立金額が大きくなってくると、金メーカーの田中貴金属も
比較的、手数料が割安になっています。

とはいえ、ネット系証券の手数料にはまだ及んでいません。

以上のように手数料は

KOYO証券<ネット系証券<金メーカーの順に

高くなることがわかりました。

さて、純金積立を始めるうえで、もう1つ確認しておかなければ
いけないことがあります。

それは、純金積立の一時休止です。

積立というのは、最初のうちは勢いよく始められるのですが、
予期せぬ出費が重なり、どうしても積立ができなくなってしまう
ケースが多々あります。

そのため、積立を一時的に止めることができるかどうかは
とても重要なポイントなのです。

純金積立の一時休止について比較

販売会社 一時休止 金額変更
楽天証券
SBI証券
マネックス証券
KOYO証券
住信SBIネット銀行
田中貴金属
三菱マテリアル 可※1
徳力本店

※1:口座管理料として1,320円/年の別費用がかかります。

大半の販売会社では、一時休止ができるようになっています。

ただ、KOYO証券と徳力本店は一時休止ができません。

最低投資金額の3000円なら頑張れるという人はよいのですが、
金銭的に苦しいときは3000円を出すのもつらいときが来るかも
しれませんので、できれば一時中止ができる会社のほうが安心ですね。

純金積立を始めるなら結局どこがいいの?

ここまで見てきて、結局、純金積立を始めるなら
どこがいいのでしょうか。

手数料を考えるのであれば、KOYO証券が一番割安で
純金積立を始められます。

ただ、KOYO証券が怖いのは消費寄託であるということです。

消費寄託ということは、万が一、KOYO証券が破綻した場合、
あなたが積立てた純金がなくなってしまう可能性があるのです。

SBI証券や楽天証券のようにグループとして巨大な企業であれば、
まず破綻の心配はしなくてもよいですが、KOYO証券はその点に
不安が残ります。

ですので、「破綻なんてめったにしないから大丈夫だろう」と
思う方はKOYO証券を選択するのが良いと思います。

一方で、「いや、万が一にも倒産したら、洒落にならない。」と
思う方は、特定保管の販売会社か消費寄託でもSBI証券や楽天証券の
ような会社を選ぶべきです。

KOYO証券以外で考えると、手数料面で一番優れているのは、
楽天証券です。

マネックス証券も手数料では楽天と並んでいますが、
売買スプレッドが楽天証券と比べて大きいので、トータルで
見ると楽天証券に軍配が上がります。

まとめ

いかがでしょうか?

手数料の部分は色々と比較する観点が多いですが、
結論としてはネット系証券で純金積立をしておけば
問題ないでしょう。

ネット系証券であれば、投資信託の積立や株式取引と
合わせて取引できますので、手軽さもあると思います。

ぜひこの記事を参考にして純金積立を始めてみてください。