米国債や米国株式などに投資をする際に大活躍するのが、
外貨建てMMFです。
外貨建てMMFは、コロナショックの影響で政策金利が下げ
られていたので、利回りも魅力的な水準とは決して言えな
かったのですが、
アメリカの政策金利が上昇し始めたことに伴って、外貨建て
MMFの魅力も増してくることが想定されます。
外貨建てMMFは知名度も高くなく、一部の投資家しか有効
活用できていませんが、自分の資金を効率よく運用すると
いう意味では、外貨建てMMFを使わない手はありません。
今日は、そんな外貨建てMMFのメリット・デメリットを
紹介していきます。
外貨建てMMFとは?
外貨建てMMFとは外貨建マネーマーケットファンドの略で、
格付の高い外貨建ての短期証券に投資をする投資信託です。
イメージとしては変動金利の預金をイメージするとわかり
やすいかもしれません。
外貨建てというのは、米ドルや豪ドル等の通貨で運用する
という意味です。
米ドル建てMMFであれば、米ドルでファンドの運用が行わ
れますので、運用パフォーマンスに加えて、円に戻すとき
にはドル・円の為替レートの影響を受けます。
直近では、米ドル、豪ドル、NZドル、カナダドル建ての
MMFに加えて、南アフリカランド建てやトルコリラ建て等
のハイリスクハイリターンのMMFも登場しています。
MMFごとに組み入れられている資産は変わってきますが、
基本的にはS&Pという格付会社の短期発行体格付でA-1
以上(長期格付けではA以上)を獲得している国債、社債、
CD、CPを中心に組入れていきます。
S&Pの長期格付でA評価以上の債券が発行後15年間うちに
デフォルトする確率が1%程度ですので、償還期限が数カ月
の短期証券であれば、ほぼ安全ということができます。
運用方法は、原則、償還期限の短い債券を中心に償還日
まで保有し、償還日がきたらまた別の短期証券を購入する
というサイクルを回して運用を行います。
米国の金利が上昇してきたことにより、今後外貨建MMFの
利回りも改善してくるはずです。
米国10年国債(アメリカ10年国債)の利回りってどれくらい?
現在では、外貨預金よりも利回りが高い点や、米国株や
米国債へ投資をしている人が一時的に資金を待機させて
おく先として外貨建てMMFが利用されています。
では、つづいて外貨建てMMFへ投資するメリットを見て
みましょう。
外貨建てMMFのメリットは?
メリット① 預金よりも高い利回りが期待できる。
米国の金利が高かったころは、2%前後の利回りがあり
ましたので、投資対象として魅力的でした。
ただ、現在はコロナショックで緊急利下げを行った
ことで利回りが低下しており、今のタイミングでは
外貨建MMFを購入するメリットは薄いです。
メリット②複利運用で増える
毎月、分配金が再投資されますので、複利で資産が増え
ていきます。
メリット③売買コストがかからない
円をドルに両替するタイミングで為替手数料がかかったり、
外貨建てMMFの運用委託で信託報酬はかかりますが、一度
円をドルに両替してしまえば、何度外貨建てMMFを売買
しようと売買手数料は発生しません。
ですので、気軽に購入することができます。
メリット④流動性が高い
③に関連しますが、銀行預金の感覚で出し入れが可能
なので、次への投資機会を待つために一時的に外貨建て
MMFに投資をしたり、為替レートが少し円高傾向にあり、
もう少し円安になってからドルを両替したいときも、
ただ外貨で置いておくだけでなく、外貨建てMMFで
効率よく運用することが可能です。
メリット⑤少額投資可能
証券会社によって最低金額は異なりますが、SBI証券、
楽天証券では10ドルから投資が可能なので、気軽に
投資に投資を始められます。
外貨建てMMFのデメリットとは?
外貨建てMMFにおいてはデメリットらしいデメリットは
存在しませんが、当然投資ですので、リスクはゼロという
わけではありません。
外貨建てMMFのリスクについてはこちらをご覧ください。
それ以外で、あえて挙げるとすれば、運用報酬が高めと
いったところでしょうか。
外貨建てMMFはいつでも引き出しできる変動金利の預金
のようなものですが、預けている間はファンドマネージャ
ーが様々な短期金融商品に分散投資をしています。
ですので、信託報酬が0.5%~1%程度かかります。
購入時点であまりしっかりと記載されていないため、
見逃してしまいがちですが、目論見書等にはしっかり
と費用の内訳が書いてあります。
外貨預金との違いは?
ここまでの説明だけですと、外貨預金との違いがいまいち
わからない人もいるかもしれませんので、改めて整理を
しておきます。
まず外貨預金というのは、たとえば日本円を米ドルに両替
して保有しておくことです。保有していると利息がつきます。
一方で、外貨建てMMFとは、両替した米ドルで外貨建て
MMFを購入し運用します。こちらは利息と運用益がつきます。
明確に違うものなので、理解しておいてください。
外貨預金 | 外貨建てMMF | |
金利 | 固定 | 変動 |
元本保証 | 外貨ベースで元本保証 | 元本保証なし |
手数料 | 為替手数料 | 為替手数料・管理報酬 |
金融機関破綻 | 保証なし | 破綻しても保全あり |
リスク | 為替変動リスク | 為替変動リスク・債券価格変動リスク・信用リスク |
結論としては、リスクはわずかに外貨建てMMFのほうがわずかに
高いですが、利回りでみれば外貨建てMMFに軍配があがります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
外貨建てMMFは米国株や米国債を購入する用の待機資金の
投資先としても活用できますし、為替レートが回復してくる
までの待機先としても活用することが可能です。
また、通貨分散ができておらず、円資産しかもっていない
ような人も、これを機会に自分の資産の一部を外貨建てMMF
等で手堅く増やすことを考えてもよいと思います。