IPO

IPO(新規公開株)の申込から購入、売却まで一連の流れを具体的に解説

IPO(新規公開株)の仕組みはだいたいわかったと思います
ので、具体的にどのような流れでIPO(新規公開株)に申し
込み、当選した場合はどうするのか具体的な流れを追って
いきたいと思います。

①口座開設

このブログの読者さんであれば、ほとんどの方が証券会社
の口座を持っていると思いますが、IPO投資をするために
は証券口座を開設する必要があります。

注意してほしいのは、1つの証券会社の口座を持っていれば、
すべてのIPO株に申し込みができるわけでないので注意して
ください。

IPOの申込ができる証券会社を幹事証券会社と言いますが、
幹事証券会社に名前を連ねていない証券会社からはIPOを
応募することができません。

以下の「IPO情報をチェック」の図を見てもらうと、一番
右の列に証券会社名が記載されており、企業ごとに幹事
証券会社が違うことがわかります。

ここで押さえておきたいのは、やみくもに証券会社の口座を
開設すればよいというわけでなく、頻繁に幹事証券会社に
なっている証券会社で口座を開かなければ意味がないと
いうことです。

どの証券会社がおすすめなのかはこちらの記事を確認して
ください。

IPO(新規公開株)にはどの証券会社の口座を開くのがよい?

②IPO情報のチェック

証券会社の口座を開いたら、次にIPOの上場スケジュール
を確認し、いつ抽選の申し込みができるのかチェックする
必要があります。

また証券会社によりますが、抽選結果が発表されるまで、
購入資金を拘束されますので、上場スケジュールがタイト
なときは、計画的に申し込みをする必要があります。

IPOの情報はどこから情報を取得したとしても、内容に
違いはありませんので、一番お手軽なWEBサイトから
情報を入手するのがおすすめです。

私がよく利用しているのは、「やさしいIPO株の始め方」と
いうサイトです。

スケジュールを以下のように視覚的に表示してくれている
ので、どの銘柄をいつまでに申し込まなければいけないのか、
またどの証券会社で申し込めるのかが一目でわかるように
なっています。

基本的には、すべてのIPOに申し込むスタンスで問題ありま
せんが、IPOが立て続けにあると、資金が拘束されてしまい、
申し込みができなくなるときがあります。

そのときは「総合評価」(下図、一番左側)を参考にして
評価の高い銘柄に申し込むとよいでしょう。

③目論見書をチェック

目論見書というのは、株式などの有価証券を投資家に販売
するときに発行され、上場する企業やその株式の内容に
ついて詳しく説明された資料です。

こういった資料を読み込むのが好きな人は読んでもいい
ですが、内容をよく読んだからと言って、抽選結果が変
わるわけでもありませんし、初値で売却できる金額が変
わるわけでもありません。

初値で売却することを前提にIPOに申し込むのであれば、
パラパラ目を通すだけで十分です。

④ブックビルディング「BB」に申し込む

IPO株の抽選に参加するにはこの段階から申し込みをする
必要があります。ブックビルディングというのは、証券
会社が投資家の需要予測を行い、株価を決定することです。

例えば、1株1000円~1200円といった形で価格帯(仮条件
価格)を設定し、この範囲で投資家に需要のヒアリングを
行います。

ヒアリングの結果、需要が高ければ、公募価格が高くなり、
需要が低ければ公募価格は低くなります。

ここで注意が必要なのは、もし仮条件価格を低い金額
(1000円)で申し込んでしまうと、あなたが申し込んだ
以上の価格(1200円)で、公募価格が決まった場合に、
申し込みができなくなってしまいます。

ほとんどのIPO株は、仮条件価格の上限で決まっています
ので、上限で申し込むというのがセオリーです。

そもそも上限価格で決まらないような銘柄は人気がない
銘柄ですので、そもそも上場後に初値が大きく上昇する
可能性も低いでしょう。

またブックビルディングに参加するには、申し込み時に
前受金として、IPO株を購入する資金を証券会社に預け
入れしなければいけない場合がほとんどです。

抽選に外れた場合は、預け入れた資金はすぐに引き出す
ことができますが、IPOの申込が重なっていると、預け
入れた前受金が戻ってきておらず、申込したかった銘柄
に申し込む資金が足りなくなることもあるので、注意し
てください。

⑤公募価格発表

ブックビルディング期間の翌営業日には公募価格が発表
されます。この時点であなたは当選したかどうかが決まり
ます。

⑥抽選結果の確認

ネット証券でIPOに申し込んでいる場合は、自分のマイ
ページでIPOの抽選結果を確認できます。

営業担当者がついている場合は、当選していれば担当者
から連絡が基本ありますが、落選したときは、連絡があ
る証券会社もあれば、連絡がない証券会社もあり、様々
です。

どちらにしても結果は自分で確認することをおすすめし
ます。

⑦購入申込

さて、ここからは見事に当選した場合の話ですが、当選
したからと言って、それで株式を購入できたわけではあり
ません。

当選したあと、以下のように購入申込期間の間にIPO株の
購入申込をしなければなりません。

せっかく当選したにも関わらず、抽選結果を確認していな
かったために、落選となってしまっては、あまりにももっ
たいないです。

しかし、案外見落としてしまって落選になったという話は
よく聞きます。私も見逃してしまったことが過去にあります。

くれぐれも当選したからといって、気を抜かずにその勢い
で購入申し込みまで済ませるようにしてください。

⑧上場&初値で売却

購入申し込みができればあとは、上場日まで待つだけです。

IPO株の場合、上場前に安く株式を手に入れている投資家
が利益確定の売りを仕掛けてきますので、一時的に株価が
下落する場合がほとんどです。

業績が優れた企業であれば、一時的に下落してもそのあと
右肩上がりに株価が上昇していくこともありますが、上昇
する銘柄のほうが少ないですし、業績以外の要因(仕手筋
等)で株価が乱高下しやすいので、素人は手を出さない
ほうが無難でしょう。

ですので、初値で売ってしまうのがベストです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

IPOの購入の流れは一度覚えてしまえば、大したことは
ありません。改めてになりますが、次の2点だけは必ず
注意してください。

①当選発表があるまで、前受金が拘束されてしまうので、
IPOが何件も重なっているときは、本命の企業に申し込み
ができるように、資金のスケジュールを立てておくこと。

②当選したら終わりではありません。しっかり購入も仕込
みまでしてから上場日を待ちましょう。

これさえ守れば、大きな失敗をすることはありません。
どんどんIPOに申し込んでください。

新しい記事はありません

  • この記事を書いた人

ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

-IPO