米国債は世界的に見ても安全な資産と見なされており、ファイナンス
の世界ではリスクフリーレート(無リスク資産)として様々な計算に
活用されています。

このようなことを言うと、全くリスクがないように見えてしまいますが、
米国債と言えど、リスクがゼロというわけではありません。

他の金融商品と比べれば圧倒的にリスクが低いということです。
今日は、そんな米国債のリスクを色々と挙げ、そのリスクに対する
対処法も含めて紹介していきます。

米国債(アメリカ国債)のリスクとリスク対処法

信用リスク

まず1つ目が信用リスクです。信用リスク=デフォルトリスクとも
いいますが、債券の利払いや元本の返済が滞るリスクのことです。

万が一、デフォルトが起きてしまうと、あなたの投資した資金は
戻ってこなくなる可能性が非常に高いので、デフォルトリスクは
一番気を付けなければいけません。

では、米国債のデフォルトリスクを知るうえで役に立つのが、
S&Pやムーディズといった格付会社が提供している格付です。

AAAが一番信用度が高いので、デフォルトリスクは限りなく低く
なります。AA⇒A・・・と下に下がるほどデフォルトリスクは高く
なるので注意が必要です。

S&Pによる米国債の格付はAA+ですので、かなり信用度は高いのです
が、高いといってもどの程度安心してよいのかこれだけではわかり
づらいですね。

そこで、S&Pが公表しているグローバル企業6900社の格付データを
もとに、どの程度デフォルトする可能性があるのかを調べてみました。

以下の表は、平均累計デフォルト率(1981年~2017年)といって、
その格付を取得してから15年間のうちにデフォルトした企業の確率を
示しています。

AAAであれば、格付取得後に15年以内にデフォルトした企業は0.93%。
ほとんどないことがわかります。米国債はAA+なので、15年以内に
デフォルトした企業の発生率は1.07%です。

これを高いとみるか低いとみるかは人によるとは思いますが、少なく
とも私はかなり低いと思っています。

ですので、信用リスクはゼロではないですが、世界最大の経済大国
アメリカの国債がだたの紙切れになることはほぼないと考えてよいと
思います。

Rating 15年
AAA 0.93%
AA 1.07%
A 2.09%
BBB 5.11%
BB 15.80%
B 28.34%
CCC/C 52.82%

※引用:S&P社発行レポート(2018年4月5日)

価格変動リスク

つづいて、価格変動リスクです。米国債に限らずですが、債券と
いうのは常に価格が変動します。

仮にあなたが額面100万円の米国債を100万円で購入したとします。
※額面というのは、償還時に返還される金額のこと。

米国債は購入したその日から価格変動しますので、時には90万円近く
にもなれば、110万円近くになることもあります。

もちろん、満期まで米国債を保有しつづければ、額面の100万円で
取引を終えることができます。

しかし、償還前にどうしても現金化しなければならない場合、もし
その時の米国債の価格が90万円だったとしたら、あなたは90万円-
100万円=▲10万円の売却損が発生してしまいます。

ですので、米国債を購入するときは、満期まで保有することを前提
に無理ない範囲で投資をするのがおすすめです。
(利子を安定的に得るのが米国債投資の一番の妙味です。)

途中で換金する必要が出てくるかもと少しでも思うときは、その
資金は投資をしないほうが価格変動リスクを回避しましょう

為替リスク

米国債で一番気を付けておきたいのが為替リスクでしょう。

米国債を購入するときは、当然ですが、米ドルで購入することに
なりますので、満期時には米ドルを円に戻す必要が出てきます。

そのため、満期時に急激な円高が進んでいると、場合によっては
為替差損が発生する可能性があります。

米国債10年物であれば、元本に対して20%程度は資産が増えるので、
そうそう為替差損は出づらい状況にはなっていますが、急激な円高
の場合には安心できません。

そこで、為替リスクをできるだけ下げる方法として以下の2つの方法
を紹介しておきます。

まず1つ目は、米国債の満期時にすぐにドルから日本円に交換しない
という方法です。

近年では、外貨の金融商品を売却した場合、日本円に交換するか
外貨のまま保有するか選べるようになっています。

ですので、もし急激な円高が進行していた場合は、米ドルのまま
保有しておいて、期限の短い米国債を購入するか、外貨建MMFで
運用するか、とにかく円安方向に大きく戻してくるまで外貨で
運用を続けるわけです。

為替は波をうっていますので、ずっと急激な円高が続くということ
はありません。待っていれば、必ず円安方向に為替が動くときが来ます。

そのときに、米ドルのまま保有していた資産を日本円に戻せばよい
わけです。こう考えると、為替リスクに対するイメージが変わった
のではないでしょうか。

そして、2つ目の対策は時間の分散投資です。為替は常に動いている
わけですので、一括で同じタイミングで購入するのではなく、年に
数回にわけて米国債を購入します。

これで為替が平準化されますので、為替リスクを軽減することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

米国債はほぼ確定利回りの金融商品ですので、リスクらしいリスクは
ほとんどないのですが、考えうるリスクをあえてあげてみました。

米国債を購入するうえでの唯一と言ってもよいリスクが為替リスクです
ので、為替リスクにどのように対応するかだけはしっかり頭の中で
イメージしてから購入するのがベストです。