さて、このブログでは外貨建てMMFの有効な活用方法
について紹介していますが、それなら高利回りのトルコ
リラ建てMMFや南アフリカランド建てMMFに投資する
のが一番いいのでないかという質問を受けます。

利回りが高いことは重要なことではあるのですが、
利回りだけを見ていても最終的な収益となるかは実は
別問題です。

今日は、その点について解説していきたいと思います。


高利回りでも安全なの?

外貨建てMMFの中には、南アフリカランド建てのMMFや
トルコリラ建てのMMFが販売されています。

これらのMMFは非常に利回りが高く、2020年4月時点で
南アフリカランド建てのMMFで5%程度、トルコリラ建て
のMMFで8%程度の利回りです。

ぱっと利回りだけを見ると、米ドル建てのMMFよりも
魅力的に見えてしまいます。

外貨建てMMFはどの通貨であっても格付の高い短期金融
証券で運用されているので、安全性は高い商品です。

ですので、表示されている利回りで運用できる点は間違い
ありませんが、利回りが高いのにはそれなりの理由がある
わけです。

その理由というのが、為替リスクです。

具体的に説明すると、1トルコリラ=20円のときに50,000
トルコリラ(50,000×20円=100万円分)のトルコリラ建て
MMFを購入したとします。

利回りが20%だったとすると、トルコリラ建てMMFを保有
しているだけで、年間10,000トルコリラ(10,000×20円=
20万円分)の運用益が手に入ります。

しかし、為替レートが大きく円高に進行し、1トルコリラ=
16円にまでなりました。

そうすると、60,000トルコリラ分あなたはトルコリラを
保有しているわけですが、円に換算すると、60,000×16円
=96万円となってしまいます。

これではいくら利回りが高くても、運用でプラスにはなら
ないということです。

為替レートが円高に進まなければよいのですが、では実際
にどの程度円高に進んでいるのか、過去の為替レートの
推移を見ながら確認していきましょう。

為替レートの推移からみる危険性

まずはトルコリラ/円の過去10年間の推移を見てみましょう。

2009年は1トルコリラ=60円程度で推移していましたが、
見事に右肩下がりのチャートとなっており、現在では
1トルコリラ=20円にまで円高が進んでいます。

10年間で3分の1にまでなっている通貨はトルコリラ以外
にはほとんどありません。

続いて直近1年間の為替レートの推移です。

1トルコリラ=27円近辺だったのが、現在では1トルコリラ
=20円程度となっており、20%以上下落していることが
わかります。

つまり1年前にトルコリラ建てのMMFを購入したとしても、
利回りで増えた分を円高が相殺してしまうので、実質資産
は増えないということです。

中長期的なトレンドでみると、下落トレンドが反転したと
思えるサインは出ていないので、安易に利回りが高いトル
コリラ建てMMFを購入することはおすすめできません。

では、南アフリカランドの過去10年間の為替レートの推移
を見てみましょう。

10年前は1アフリカランド=12円程度だったものが、現在
では1アフリカランド=8円程度になっています。10年間
で30%超の円高です。

トルコリラと比べると、波が大きいですが、着実に円高
トレンドが進行中であることがわかりますね。

直近1年間の為替レートを見てみましょう。1年前は1アフ
リカランド=9.0円だったのが、現在では7.6円程度にまで
円高が進んでいます。

10%超円高が進んでいることがわかりますので、1年前に
南アフリカランド建てMMFを購入した場合、利回り以上
に円高が進行したため、円ベースでの資産は目減りして
しまうことになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

利回りが高い商品というのは必ず利回りが高い理由が
存在します。

ドル円のように一定のレンジの間を推移するくらいに
為替レートが安定している場合はよいのですが、円高が
ずっと進行しているような通貨ペアでは、いくら利回り
が高くても意味がありません。

遊び感覚で少額だけ保有してみるのはよいですが、くれ
ぐれも資産の大半を投資するようなことはしないでください。