さて、このブログでは外貨建てMMFの有効な活用方法について
紹介していますが、それなら高利回りのトルコリラ建てMMFや
南アフリカランド建てMMFに投資するのが一番いいのでないか
という質問を受けます。

利回りが高いことは重要なことではあるのですが、利回りだけを
見ていても最終的な収益となるかは実は別問題です。

今日は、その点について解説していきたいと思います。

高利回りでも安全なの?

外貨建てMMFの中には、南アフリカランド建てのMMFやトルコ
リラ建てのMMFが販売されています。

これらのMMFは非常に利回りが高く、2019年3月時点で南アフリカ
ランド建てのMMFで6%程度、トルコリラ建てのMMFで20%程度の
利回りです。

ぱっと利回りだけを見ると、米ドル建てのMMFよりも魅力的に見えて
しまいます。

外貨建てMMFはどの通貨であっても格付の高い短期金融証券で運用
されているので、安全性は高い商品です。ですので、表示されている
利回りで運用できる点は間違いありませんが、利回りが高いのには
それなりの理由があるわけです。

その理由というのが、為替リスクです。

具体的に説明すると、1トルコリラ=20円のときに50,000トルコリラ
(50,000×20円=100万円分)のトルコリラ建てMMFを購入したとします。

利回りが20%だったとすると、トルコリラ建てMMFを保有している
だけで、年間10,000トルコリラ(10,000×20円=20万円分)の運用益
が手に入ります。

しかし、為替レートが大きく円高に進行し、1トルコリラ=16円にまで
なりました。

そうすると、60,000トルコリラ分あなたはトルコリラを保有している
わけですが、円に換算すると、60,000×16円=96万円となってしまいます。

これではいくら利回りが高くても、運用でプラスにはならないという
ことです。

為替レートが円高に進まなければよいのですが、では実際にどの程度
円高に進んでいるのか、過去の為替レートの推移を見ながら確認して
いきましょう。

為替レートの推移からみる危険性

まずはトルコリラ/円の過去10年間の推移を見てみましょう。

2009年は1トルコリラ=60円程度で推移していましたが、見事に右肩
下がりのチャートとなっており、現在では1トルコリラ=20円にまで
円高が進んでいます。

10年間で3分の1にまでなっている通貨はトルコリラ以外にはほとんど
ありません。

続いて直近1年間の為替レートの推移です。

1トルコリラ=27円近辺だったのが、現在では1トルコリラ=20円程度
となっており、20%以上下落していることがわかります。

つまり1年前にトルコリラ建てのMMFを購入したとしても、利回りで
増えた分を円高が相殺してしまうので、実質資産は増えないという
ことです。

中長期的なトレンドでみると、下落トレンドが反転したと思えるサイン
は出ていないので、安易に利回りが高いトルコリラ建てMMFを購入する
ことはおすすめできません。

では、南アフリカランドの過去10年間の為替レートの推移を見て
みましょう。

10年前は1アフリカランド=12円程度だったものが、現在では1アフリカ
ランド=8円程度になっています。10年間で30%超の円高です。

トルコリラと比べると、波が大きいですが、着実に円高トレンドが
進行中であることがわかりますね。

直近1年間の為替レートを見てみましょう。1年前は1アフリカランド
=9.0円だったのが、現在では7.6円程度にまで円高が進んでいます。

10%超円高が進んでいることがわかりますので、1年前に南アフリカ
ランド建てMMFを購入した場合、利回り以上に円高が進行したため、
円ベースでの資産は目減りしてしまうことになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

利回りが高い商品というのは必ず利回りが高い理由が存在します。

ドル円のように一定のレンジの間を推移するくらいに為替レートが
安定している場合はよいのですが、円高がずっと進行しているような
通貨ペアでは、いくら利回りが高くても意味がありません。

遊び感覚で少額だけ保有してみるのはよいですが、くれぐれも資産の
大半を投資するようなことはしないでください。