恐怖指数関連のトレードをしている人であれば、ロールオーバー
の仕組みを理解しておかなければ、なぜVXXやUVXY、EVIXが
下落するのか、なぜSVXYやZIV、EXIVが上昇するのかを理解
できません。

なかなかこのロールオーバーについて詳しく説明している人が
いませんでしたので、今日は時間を使って説明していきたいと
思います。

ロールオーバーとは

ロールオーバーとは、簡単に言ってしまうと、満期を迎える
先物を売却し、満期が先の先物を買い直すことです。

具体的な話に入る前に、先物取引を理解していないと、この
あとの話がわからないと思いますので、先物取引が良くわから
ないという人はこちらを確認しておいてください。

今回は、ロールオーバーを具体的にイメージできるように
VIX指数先物を例にとって説明していきます。

では、早速説明していきましょう。

まず、あなたは6月限の先物を保有していたとします。VIX指数
先物の表を見ると、6月限の先物の価格が15.750、7月限の先物の
価格が16.800となっています。

ここで、6月限の先物の満期が来る前に一度VIX指数先物を15.750
で売却し、7月限の先物を16.800で買い直すことをロールオーバー
と言います。

なぜ満期前に売却するのかと言えば、先物の価格は満期に
近づけば近づくほど、原資産の価格に近づいていきます。

つまり、VIX指数先物であれば、VIX指数に近づいていく
わけです。

そして、通常、VIX指数先物のほうがVIX指数よりも価格が
高いので、満期に近づけば近づくほど、VIX指数先物の価格
はVIX指数の価格に近づくために下がっていきます。

つまり、翌月以降も先物を保有しておきたい場合、満期まで
待って決済をするよりも、満期前に差金決済をしたほうが
損失がわずかですが少なく済むということです。

ロールオーバーすると損失が出る?

ロールオーバーについて理解する上で、もう一つ重要なことを
話しておきます。

それは、先物の価格がコンタンゴの状態のときは、ロールオーバー
することにより差損が出るということです。

コンタンゴが何かわからない人はこちらで確認してください。

知らないままで大丈夫?コンタンゴの仕組みとは?

さきほどの例で言えば、6月限を15.750で売って、7月限を
16.800で買い戻すわけですので、1.05ドルの差損が発生します。

特に、VIX指数関連の先物の場合、仕組み上コンタンゴの状態に
なりやすく、以下の図をみてもらうとわかりますが、直近10年間
では80%以上の期間でコンタンゴとなっています。
(赤線以上がコンタンゴ。赤線以下がバックワーデーション。)

ですので、VIX指数先物のETFやETNはロールオーバーする
ごとに価格が下落していくという特性を持っているわけですね。

ここまで読めば、ロールオーバーについて大方イメージがついた
と思います。

ただ、恐怖指数の先物のETFやETNは短期なのか中期なのかで
ロールオーバーの仕方が変わってきます。

そこで、今回は一番知名度が高いS&P500 VIX短期先物指数の
ロールオーバーについて掘り下げてみてみましょう。

VIX短期先物指数のロールオーバーとは

ここでは、VIX短期先物指数のロールオーバーについて具体的に
見ていきます。

VIX短期先物指数というのは、満期が1カ月になるように直近の
限月(第一限月)の先物と翌月の限月(第二限月)の先物を
ロールオーバーしていきます。

もう少し具体的にイメージしてもらえるように以下の表を用意しました。

0日目を見てください。これは第一限月の先物を30枚持っている
状態です。1日経過後は第一限月の先物を1枚売却し、第二限月の
先物を1枚購入します。

これにより第一限月の先物の比率が96.7%、第二限月の先物の比率
が3.3%となります。2日経過後は、さらに1枚第一限月の先物を1枚
売却し、第二限月の先物を1枚購入します。

これにより第一限月の先物の比率が93.3%、第二限月の先物の比率
が6.7%となります。このようにして、直近の限月の先物と翌月の
先物をロールオーバーして満期が1カ月に調整していくのが、VIX
短期先物指数です。

まとめ

いかがでしょうか?

先物のロールオーバー自体はどこでも行われることなのですが、
VIX指数先物やVSTOXX指数先物をロールオーバーすると、
特徴的な値動きをすることになります。

これを期にロールオーバーはマスターしておいてください。