株式は手軽に始められる投資として人気があり、投資信託
は証券会社や銀行の販売員にすすめられて購入したことの
ある人も多いと思います。
一方で、米国債については、商品自体は非常に魅力的なの
ですが、証券会社が儲からないため、あまり積極的に販売
されていません。
そのため、米国債はどこで買えるのかよくわかってない人
がほとんどだと思います。
そこで、今回は米国債がどこで買えるのか、詳しく解説
していきます。
まだ米国債投資の全体像がわかっていない人はこちらも
参考にしてください。
米国債(アメリカ国債)が購入できる証券会社は?
驚く方も多いのですが、現在ではほとんどの証券会社で
米国債を購入することができます。
私も全部の証券会社を調べたわけではないですが、証券
口座数の多い証券会社で言うと、野村證券、SBI証券、
SMBC日興証券、大和証券、楽天証券、マネックス証券
あたりでは米国債を購入できることを確認済みです。
もし、上記の証券会社をお持ちでない場合は、インター
ネットで、「●●証券会社 米国債」と検索すれば、購入
できるか判断できますので、試してみてください。
証券会社ごとの米国債(アメリカ国債)取扱本数の比較
さて、多くの証券会社で米国債を購入できることがわかり
ましたが、証券会社によって取り扱っている米国債の種類
や年限、利回りは異なっています。
米国債の取り扱いはネット証券のほうが少ないことがわかり
ます。
償還日の異なる米国債が複数あったほうが定期的な購入計画
が立てやすいのですが、楽天証券の本数だと少し物足りなく
感じてしまいますね。
証券会社 | 利付債(トレジャリーノート債) | 割引債(ゼロクーポン債、ストリップス債) |
野村 | 17本 | 19本 |
大和 | 8本 | 7本 |
SMBC日興 | 12本 | 16本 |
SBI | 6本 | 10本 |
楽天 | 2本 | 2本 |
マネックス | 4本 | 7本 |
※2022年1月時点
証券会社別の米国債(アメリカ国債)の購入単価比較
米国債を購入するにはある程度まとまった資金が必要だと
思われていますが、近年では購入単価もかなり下がっています。
証券会社別に購入単価を見てみると、SBI証券と楽天証券
では約1万円から購入できるようになっています。
この金額であれば、とりあえず買ってみようと思える単価
になっていると言えますね。
証券会社 | 最低購入単価 |
野村 | 1000米ドル |
大和 | 1000米ドル |
SMBC日興 | 1000米ドル |
SBI | 100米ドル |
楽天 | 100米ドル |
マネックス | 1000米ドル |
証券会社別の手数料比較
米国債は満期まで保有することを前提に投資をするので
あれば、毎年受け取る利子と償還時の価格は決まっています。
そうすると、あとはいかにコストを抑えて購入できるかが
投資の利回りに影響を与えることになります。
では、押さえておくべき手数料は以下になります。
①為替手数料
まず米国債は米ドルで購入することになりますので、日本円
しか持っていない場合は日本円を米ドルに交換してから購入
する必要があります。
ただ、安心してほしいのは円貨決済という方法があります
ので、この決済方法を選択して注文を出せば、米国債の
買い付けに必要な外貨に交換するための取引と米国債の
購入の手続きが自動で同時に行えます。
そして円を米ドルにするときと、米ドルを日本円に交換
するときに発生するのが為替手数料(為替スプレッド)です。
他の証券会社の為替手数料がいくらかかるのかを知りたい
場合は、「●●証券会社 為替スプレッド」で検索すれば、
たいてい上位に表示されますので、そちらを参考にして
ください。
では、具体的に為替手数料を表にまとめました。
証券会社 | 為替スプレッド |
野村 | 50銭 |
大和 | 50銭 |
SMBC日興 | 50銭 |
SBI | 25銭 |
楽天 | 25銭 |
マネックス | 25銭 |
ネット証券は一律で25銭。対面証券は一律で50銭となって
います。
これは1ドルあたりの手数料ですので、もしあなたがSBI証券
で両替をする場合、1ドル=100円のときに、100ドル分両替
しようとすると、100ドル×100円=10,000円と、100ドル×
25銭(0.25円)=25円を合わせた10,025円が必要となります。
また、逆に100ドルを日本円に両替する場合にも同じだけの
為替手数料がかかります。
とにかく、対面証券であれば、取引金額の0.5%、ネット証券
であれば取引金額の0.25%が手数料としてかかると覚えて
おけばよいでしょう。
このように証券会社を比較すると、為替手数料面では
どこも差がつかないように見えます。しかし、SBI証券
ではこの為替手数料を6分の1以下に抑える方法があります。
それは住信SBIネット銀行を活用した方法です。
住信SBIネット銀行でも同じように日本円から米ドルに
両替ができますが、そのときの為替手数料は片道4銭
しかかかりません。
ですので、コストを極力抑えるのであれば、住信SBI
ネット銀行で日本円を米ドルに両替し、両替した米ドル
をSBI証券の外貨口座に入れることで、為替手数料たった
の4銭で米国債を購入することができるようになります。
これだけでも十分ありがたいのですが、SBIネット銀行
ではさらに、以下のような為替手数料0円キャンペーン
を行うときがあります。
投資家からすると、メリットしかないキャンペーンなので、
米国債を購入予定の資金をキャンペーンに合わせて両替
しておくのが一番よいですね。
※2019年1月7日~2019年3月29日
ちなみに、米国債を一時的に米ドルに戻すような場合、
わざわざ米ドルを日本円に戻す必要はありません。
米ドルで保有をしておくのもよいですし、運用効率を
高めたいのであれば、外貨建てMMFに投資をすること
で、米国債の運用効率を上げることができます。
外貨建てMMFを知らないという人は、この機会に覚えて
おくとよいと思います。
②販売手数料
米国債には為替手数料以外にもうひとつ販売手数料がかか
ります。
投資信託のように購入時手数料がいくらか明確に記載され
ていないため、忘れがちですが、証券会社もしっかりここ
で稼いでいます。
どのように販売手数料を取っているのかというと、米国債の
購入単価に手数料をこっそり上乗せしているのです。
一例をあげてみましょう。以下は償還日が同じゼロクー
ポン債の購入単価です。もし手数料等が一切なければ、
どの証券会社も購入単価は同じになるはずです。
しかし、わずかながら単価が異なっており、これは各
証券会社が購入時手数料を上乗せしているからです。
色々と調べた結果、対面証券よりもネット証券のほうが
手数料をとっていないことはわかっているのですが、
ネット証券同士では、同じ償還日の債券が少ないことも
あり、どの証券会社が一番手数料が安いかまでは判断
できませんでした。
少なくとも、証券会社によって購入単価が異なるという
ことだけは覚えておいて損はないでしょう。
ゼロクーポン債(ストリップス債) | 償還日(2024/11/15) |
SBI | 88.16 |
野村 | 88.40 |
大和 | 88.66 |
おすすめの証券会社はどこ?
いかがでしょうか?
米国債を購入するにしても、どの証券会社で購入するか
によって、まったく状況が変わってくることが分かった
と思います。
取り扱い本数や手数料を加味すると、やはり一番バランス
が良いのはSBI証券ということになるでしょう。
もちろん、SBI証券に口座を持っていないのであれば、他の
証券会社で購入しても構いません。
SBI証券や楽天証券であれば、1万円程度から購入できますし、
ぜひこれを機会に米国債に興味のある方は購入してみてください。
まだ米国債投資の全体像がわかっていない人はこちらも
参考にしてください。