米国債の中でも米国10年国債は多くの機関投資家から
注目されており、利回りの推移も多くの投資家が動向を
気にしています。
今日は、そんな米国10年国債(アメリカ10年国債)の
過去50年間の利回りの推移を見ながら、どのように
米国債を購入していくのがよいのか私が実践している
方法も含めて紹介していきます。
まだ米国債投資の全体像がわかっていない人はこちらも
参考にしてください。
米国10年国債(アメリカ10年国債)が注目される理由
さまざまな年限の米国債が発行されているのはご存じだ
と思いますが、償還期間が10年の米国債が一番多くの
投資家から注目を集めています。
その理由は、償還期間が10年間の国債というのはほと
んどの先進国で発行されており、残高も豊富であること
から、各国の長期金利(国債の利回り)を比較する上で
非常に役立つからです。
中でも、世界最大の経済大国であるアメリカの米国10年
国債は売買高も世界最大の国債ですので、この米国債の
売買動向を把握しておけば、世界のマネーがどのような
方向に向いているのかがわかるというわけです。
また米国債の格付はAAであり、信用度も高いことから、
投資信託のパフォーマンスや様々な投資分析をするときに、
リスクフリーレート(無リスク資産)として、米国10年
国債の利回りが活用されています。
ですので、リスクがゼロではありませんが、限りなく
リスクは低い確実な金融商品として投資家の間では認識
されています。
米国10年国債(アメリカ10年国債)の過去50年間の利回り推移
米国10年国債の50年間の利回りの推移をみてみましょう。
米国10年国際の利回りは1980年代には実は10%以上の
利回りがありました。
そこから、徐々に徐々に利回りが低下を続けています。
2016年以降は、経済が好調だった背景から、利上げが
行われていました。
コロナショック以降は、ゼロ金利政策の影響で、米国債の
利回りもかなり低下していましたが、いよいよ利上げが
始まるので、また投資妙味が出てきます。
米国10年国債(アメリカ10年国債)の推移から考える購入戦略
株でも投資信託でもそうですが、投資する前に、価格が
どのように推移したら、どのような戦略をとるのかを
決めておくことが重要です。
米国債を購入する場合も、購入時点より利回りがあがった
場合、下がった場合にどう対応するかを決めておくことで、
利回りがどのように推移したとしても冷静に対処できます。
少なくとも過去チャートから見ると、今の米国10年国債の
水準は明らかに安値圏です。
ですので、どうしても資金を投資しなければいけない機関
投資家等でなければ、無理に買いに走る水準ではありません。
少なくとも利回りが2%台まで改善してこない限り手出しは
無用だと考えていますが、ではもう少し具体的に購入戦略を
見ていきます。
私の場合は、余剰資金ができたら、貯金がわりに定期的に
米国債を購入するようにしています。
定期的というと、毎月をイメージされるかもしれませんが、
そこまで一定のルールがあるわけではなく、数日後に購入
することもあれば、半年後に購入することもあります。
償還日も同じ米国債を購入するのではなく、だいたい購入
時点で、10年前後の米国債を購入することが多いです。
当然ですが、購入した米国債は途中で売却することはなく、
償還日まで保有することを前提に購入します。
自分がこの水準なら問題ないと思って購入しているわけ
ですので、一度購入した米国債について、購入したあとで、
利回りが上がった下がったというのは気にしていません。
では、もう少し具体的にどのように考えながら購入して
いるかを見ていきましょう。
まず購入時の目安として利回りが最低でも2%以上はある
米国債を選択しています。
この基準は明確な根拠があって決めているわけではありま
せんが、1%台であれば米国債でなくても外貨建MMFを購入
しておけば十分だと思いますし、私が最低限欲しいと思って
いる利回りということです。
外貨建てMMFを知らないという人はこちらの記事を読んで
みてください。
この利回り以下の金融商品は私は投資対象と考えおらず、
投資するくらいであれば次のチャンスに備えます。
では、今後米国10年国債の利回りが上昇していく場合には、
どのように対応するのか。
※念のためですが、米国10年国債の利回りが上昇している
=他の償還期限の米国債も利回りは上昇します。
定期的に購入している私にとっては、利回りが高くなる
ことは大歓迎です。ですので、2%以上の利回りがある
のであれば、余剰資金ができたタイミングごとに購入
していきます。
逆に、米国10年国債の利回りが下落していく場合には、
どうするのか。
利回りが2%以下の米国債しか出回っていなければ、
余剰資金ができても追加で購入はしません。
そのまま余剰資金として残しておき、利回りが回復するまで
待つ場合もあります。
もしくは、日本の超大手企業が発行する米ドル建社債の
利回りは、米国債よりも少し高いので、魅力的な水準の
社債が出ていれば、そちらを購入しています。
米ドル建社債も米国債と同じような方法で購入することが
できますので、どこかで紹介していきたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
米国債の良いところは、償還日まで保有を続けることを
前提に購入すれば、自分が購入した後の利回りの推移は
気にしなくてもよいということです。
※利回りが大幅に下がったとしても、自分の保有している
米国債の利回りが下がることはないです。
ですので、自分が満足のいく利回りの米国債が出回って
いるのであれば、どんどん買い増しても問題ありません。
米国債はネット証券であれば1万円程度から購入できます
ので、コツコツ貯蓄したい人や余剰資金の行き場に困って
いる人などは私と同じような投資をしていくことで、より
効率的に資金を回転させられると思います。
まだ米国債投資の全体像がわかっていない人はこちらも
参考にしてください。