一部のブロガーさんがSNS等で米国VIの売り戦略を進めて
いたため、米国VIの売り戦略が流行っているようです。
ただ、皆さんのコメントを色々読んでみると、資金管理の
観点がすっかり抜けていて首が回らなくなっていたり、
本質的な仕組みを理解しないまま始めてしまい、
大きな含み損に耐えきれなくなり、泣く泣くポジションを
整理している人がおおいようです。
今回は、米国VI、米国VIブルETFの売りをしかけたときに、
メンタルで負けないように事前に覚えておいてほしいこと
をまとめました。
損失は加速度的に増える
まず、米国VIにしても米国VIブルETFにしても、上昇する
ときは複利で加速していくということを忘れてはいけません。
米国VIは価格調整が入ってイメージがわかりづらくなるので、
米国VIブルETFで説明していきます。
仮に20のときに100枚(20万円分)のポジションを保有
したとします。
そして、今回のようにサーキットブレーカーが発動し、
S&P500が大暴落を起こすと、約30%、米国VIブルETFは
上昇します。
20の30%増なので26ですね。
そうすると、含み損は(20-26)×100枚なので、約6万円と
なります。
ここだけみると、あまりインパクトを感じないかもしれ
ません。
しかし、今回のようにサーキットブレーカーが起きるまで
にS&P500が下落し、米国VIブルETFが徐々に上昇し、すで
に50まで来ていたとしましょう。
ここでサーキットブレーカーが発動し、S&P500が大暴落
を起こすと、30%米国VIブルETFが上昇しますので、65
まで上昇します。
このときの損失額を計算してみると、(50-65)×100枚=
約15万円です。
同じレベルの大暴落がおきたとしても、これだけ変わります。
なにが言いたいかと言うと、米国VIも米国VIブルETFも
売りポジションを保有してから、複利の影響で、米国VI
や米国VIブルETFの価格が上昇すると、その後のS&P500
の大暴落の影響で損失額が格段に大きくなるということです。
この事実をよく知らないまま投資をしていると、含み損
が爆発的に増えていくことに気づきません。
そして、気づいた頃には、含み損がとてつもない金額に
なってしまっており、引くに引けない状況となってしま
うことがあります。
例えば、今回の相場で言えば、米国VIブルETFが25→50は
約3日で到達しました。
ここで、ロスカットレートを100にしているから、まだ50も
あるし、安心だと思ってしまいがちですが、上昇率でいえば、
25→50と50→100は同じです。(+50%)
つまり、100にしていてもあまり予断を許さない状況にある
ということがわかります。(ここからさらに上昇するかは
わかりませんが、絶対来ないと自信がもてる水準ではありません。)
仮に100にロスカットレートを設定していたとしても、20
前後で売りポジションを保有した人たちはかなりの金額の
含み損を抱えることになります。
資金に余力があり、ロスカットレートをさらに上に上げら
れる人であれば、乗り切れるかと思いますが、資金余力が
なくなり、これ以上ロスカットレートがあげれないと、日々
の損失額は初期のころの増え方とはうって変わりますので、
日々の不安は相当大きくなるはずです。
コロナショックのような株式相場の底が見えないような
状況で、資金計画もなく売りポジションを保有するのは
狂気の沙汰です。
毎日、米国VIや米国VIブルETFが上昇してこないことを
祈りながら待つしかできません。もし、100以上の高値で
ロスカットにあってしまったら、損失額もかなりの額に
なるでしょう。
儲けよう儲けようという気持ちが強いと、特に損失を抱えた
ときに、首が回らなくなり、相場から早々に退場してしまい
ます。
それよりも、負けの金額をコントロールすることで、損失が
出てもまた取り返せばいいと思える金額で投資をしていき
ましょう。