2016年のファンド オブ ザ イヤーにつづき、2度目の受賞
となった三菱UFJ/AMP グローバル・インフラ債券ファンド
<為替ヘッジなし>(毎月決算型)『愛称:世界のいしずえ』。

世界のインフラ関連企業の債券に投資をしていくファンド
ですが、直近のパフォーマンスが好調であることを背景に
注目が集まっています。

世界のいしずえは為替ヘッジあり/なしと毎月決算型/1年
決算型と4種類のファンドがありますが、今回は一番人気
の高い為替ヘッジ無し・毎月決算型を徹底分析していきます。

どちらにしても世界のいしずえの購入を検討している人
には参考になると思います。

「世界のいしずえって投資対象としてどうなの?」

「世界のいしずえって持ってて大丈夫なの?」

「世界のいしずえより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


世界のいしずえの基本情報

投資対象は?

世界のいしずえの投資対象は、世界のインフラ関連企業が
発行する米ドル建ての債券です。

インフラ関連企業というのは、日常生活に不可欠な公益、
通信、エネルギー、運輸などの企業のことを指します。

インフラ企業は各国の社会基盤を支えているので、収益が
安定しており、配当も安定しているというのが一般的な
考え方です。


※引用:マンスリーレポート

債券ファンドの場合、組み入れられている債券の格付けを
必ず確認しましょう。

信用力が低い債券が多数組み入れられていると、リターン
は高くなるものの、デフォルトのリスクが高まりますので、
注意が必要です。

少なくとも投資適格格付でいうBBB以上は必要です。


※引用:マンスリーレポート

世界のいしずえに組み入れられている債券は約320あり
ますが、債券の格付と国別の構成比は以下のようになっ
ています。

BBB各が約70%ということで、投資適格級の債券では
ありますが、比較的リスクは高め(リターンが高い)
債券が中心です。

ただ、日本で誰もが知っているような企業もBBB格程度
ですので、一般的に考えれば、デフォルトするリスクが
高いような債券ではありませんね。

国別の構成比を見ると、アメリカが85%を超えおり、実質
米国の社債ファンドと言っても差し支えないでしょう。


※引用:マンスリーレポート

ちなみにどのような企業の社債が組み入れられているか
で言うと、以下のように公益が約40%、通信が約30%、
エネルギーが約15%となっています。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

世界のいしずえのつみたてNISAと
iDeCoの対応状況を確認しておきましょう。

つみたてNISA、iDeCoともに対応していません。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年4月時点

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。

純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金
を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が
相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

世界のいしずえは2017年頃から着実に増加しており、現在
の純資産総額は約700億円です。

純資産総額の推移を見ても、最近になって日の目を浴びる
ようになったファンドであることがわかります。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

世界のいしずえの実質コストは1.34%と債券ファンドに
しては、かなり割高です。

それに加えて高い購入時手数料もかかりますので、購入
した初年度は最低でも3.5%近く資産が目減りしてしまいます。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.32%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.34%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

世界のいしずえの評価分析

基準価額をどう見る?

世界のいしずえの基準価額は直近3年間で10%程度
値下がりしています。

一方で、分配金を受け取らずに再投資して運用した場合の
基準価額(青線)は20%ほど上昇していますので、リターン
に対して、過剰な分配が行われているということがわかります。

ただし、基準価額が10,000円を超えているため、悪質な分配
は行われていないようですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

世界のいしずえの直近1年間の利回りは+11.50%と
債券ファンドとしては、信じられないくらい高い
リターンとなっています。

社債というのは、債券ではあるものの、企業業績に
かなり影響されます。

企業業績が好調であれば、社債も買われるという構造が
ありますので、2019年以降は株式市場が好調だったこともあり、
社債も大きく価格を伸ばしたということです。

ただ、組入られている社債の最終利回りは3%弱ですので、
今後もこの流れが続くとはあまり思わないほうが良いですね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 11.50%
3年 5.93%
5年 3.64%
10年

※2021年4月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

世界のいしずえは、日本を除くグローバル債券カテゴリー
に属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

世界のいしずえは3年平均、5年平均利回りで上位10%
以内にランクインしており、かなり優秀な成果を
残しています。

上位●%
1年 32%
3年 6%
5年 9%
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

世界のいしずえの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

こう見ると、2019年は確かに優れた結果を残していること
がわかりますが、毎年そこまで優れたパフォーマンスと
なっているわけではないようです。

年間利回り
2021年 0.69%(1-3月)
2020年 0.77%
2019年 +15.05%
2018年 ▲6.39%
2017年 +2.63%
2016年 +3.69%
2015年 ▲4.96%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

世界のいしずえに投資を検討する上で、類似ファンドとの
パフォーマンス比較をしてみましょう。

まったく同じというファンドがありませんので、今回は
先進国債券のインデックスファンドで代表的なeMAXIS
Slim 先進国債券インデックスとたわらノーロード先進国
債券とパフォーマンスを比較してみました。

こう比較をしてみると、世界のいしずえは先進国債券イン
デックスファンドと比べると、かなりボラティリティが
大きいことがわかります。

直近では確かに世界のいしずえがパフォーマンスで勝って
いるのですが、コロナショックの時には急落している
こともあり、かなり企業業績の影響を受けるようです。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

世界のいしずえに投資をする前に、最大でどの程度下落
する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここで世界のいしずえの最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は▲11%となっており投資家としてもこの程度で
下落が収まっていると安心して投資ができますね。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲11.31%
3カ月 ▲9.90%
6カ月 ▲8.71%
12カ月 ▲11.53%

※2021年4月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲12円 1200円 99%

※2020/4/8~2021/4/7

世界のいしずえの直近1年間の分配健全度は99%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、100%を超える
ファンドはほとんどありません。

世界のいしずえのようにほぼ100%というファンドも珍しく
健全度という意味ではかなり優秀です。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

(分配金利回りは基準価額に対する分配金合計額で計算が
できます。)

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

世界のいしずえの分配金利回りは11%を超えており、
高めの設定となっています。

直近に限って言えば、ファンドの運用利回りのほうが
上回っていますので、分配利回りが高くても問題ありません。

ただ、中長期の利回りでは3%台の運用しかできていませんので、
今後はたこ足配当になっていくことが予想されます。

運用利回り 分配金利回り
1年 11.50% 11.3%
3年 5.93%
5年 3.64%
10年

※2021年4月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

世界のいしずえの分配金余力は、まだ40カ月程度ありますが、
分配金利回りとファンドのパフォーマンスを考慮すると、
今後、どんどん減っていくことは明らかです。

分配金 繰越対象額 分配金余力
90期 100円 4,349円 44.4カ月
91期 100円 4,409円 45.0カ月
92期 100円 4,594円 46.9カ月
93期 100円 4,516円 46.1カ月
94期 100円 4,442円 45.4カ月
95期 100円 4,369円 44.6カ月
96期 100円 4,302円 44.0カ月
97期 100円 4,234円 43.3カ月
98期 100円 4,191円 42.9カ月
99期 100円 4,111円 42.1カ月
100期 100円 4,032円 41.3カ月
101期 100円 3,952円 40.5カ月

評判はどう?

それでは、世界のいしずえの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。

世界のいしずえは2017年以降、毎月資金流入が大きくなって
おり、人気が出てきていることがわかります。

ただ、これには運用会社の作戦があり、ファンドオブザイヤー
を受賞すると同時に、分配金を毎月30円から毎月100円に切り
上げたことが原因です。

そのため、目先の分配利回りの高さにつられて、このファンド
を購入している人が増えているというのが実像です。

それにしても、毎月分配型のファンドにしては珍しいくらい
毎月資金が流入してきています。


※引用:モーニングスター

世界のいしずえの評価まとめと今後の見通し

世界のいしずえは2019年~2020年のパフォーマンスは
目を見張るものがありましたが、ファンドの実態の収益力
としては良く見積もっても5%程度だと思います。

そう考えると、分配利回りは10%近くあり、明らかにファ
ンドの収益力以上の分配金が支払われています。

今は基準価額が10000円を超えていますので、安心だと
思っている人もいるかもしれませんが、今後、ファンド
のパフォーマンスが落ちれば、基準価額の下落に歯止め
がかからなくなります。

くれぐれも安易に投資をしないよう注意をしてください。

とはいえ、毎月分配型の中では、健全な運用がされている
ファンドであることに違いはありません。

ただ、私であれば、世界のいしずえに投資をするくらいで
あれば、株式ファンドに投資をするか、社債を直接購入して
長期保有をする方法を選択します。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点