リスクを取りたくない日本人から圧倒的な支持を集めている
バランス型ファンド。

未だ2000億円以上の規模があり、多くの投資家が投資を
しているのが、JPM ベスト・インカム(毎月決算型)です。

JPM ベスト・インカムは毎月決算型と年1回決算型がありますが、
今日は、人気の高い毎月決算型を中心に分析していきます。

年1回決算型を保有しているもしくは検討している人も参考に
なると思いますよ。

「JPM ベスト・インカムって投資対象としてどうなの?」

「JPM ベスト・インカムって持ってて大丈夫なの?」

「JPM ベスト・インカムより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


JPM ベスト・インカム(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

投資対象は、世界の債券、株式、リートで、高いインカム収益と
値上がり益が期待できるアセットクラスに分散投資をしていきます。

インカム収益というのは、「債券の利息」や「株式の配当金」など
一定期間ごとに受け取ることのできる収益のことで、安定した収益
が期待できるのが特徴です。

価格の下落分を安定したインカム収益で補うことで、プラスの
リターンを維持すると書かれていますが、残念ながら、そううまく
行くわけではないので、軽々しく信用してはいけません。


※引用:交付目論見書

通常のバランスファンドですと、債券部分はリスクの低い債券を
中心に組み込みますが、JPM ベスト・インカムの場合は債券の中
でもリスクの高いハイ・イールド債券や新興国債券を中心に組み
込まれています。

債券と名前はついているものの、株式のように値動きをすることが
多いので、注意が必要です。

現在の組入構成は下図のようになっており、株式が約30%、
債券が約50%、その他が約20%となっています。

一見、債券の割合が高くなっており、リスクを抑えた運用がされて
いるように見えますが、さきほど言った通りリスクの高い債券に
投資をしており、かなり値動きしますので、リスクが分散されている
とは言いづらい状況です。


※引用:マンスリーレポート

株式部分の構成比率を見てみると、北米と欧州で80%ほどを占め、
残りの20%が新興国とオセアニア地域となっています。


※引用:マンスリーレポート

続いて、組入られている債券部分の格付評価を見てみましょう。

格付というのは、投資した元本と利息がちゃんと支払われるか
どうかを評価したものです。

BB以下の評価の債券は投資不適格債券といって、一般的に機関投資家
はリスクが高いため手を出しません。

JPM ベスト・インカムでは、約70%がリスクの高い債券に投資されています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む
可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

JPM ベスト・インカムは2017年の終わりごろまで安定的に
純資産を増やしていましたが、2020年以降は純資産が減少に
転じています。

それでも、純資産総額は2000億円はありますので、規模
としては全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

JPM ベスト・インカムの実質コストは1.62%となっており、
かなり割高です。

購入時手数料と併せて5%近くになりますので、本当に良い
ファンドでないとおすすめできません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.62%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.62%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

JPM ベスト・インカム(毎月決算型)の評価分析

基準価額をどう見る?

JPM ベスト・インカムの現在の基準価額は、コロナショックで
大きく下落もしましたが、3年間でほとんど変動はありません。

一方で、分配金を受け取らずに再投資をした場合の基準価額(青線)は
3年間で10%ほど上昇していますので、運用自体はマイナスにはなって
いないようですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

JPM ベスト・インカムの直近1年間の利回りは24.20%と
なっています。

コロナショック後のタイミングのため、直近1年間は
プラスのようですが、3年平均、5年平均利回りは3%
程度ですので、こちらのほうが実態に近い利回りと
言えます。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 24.20%
3年 3.52%
5年 3.90%
10年

※2021年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

同カテゴリー内での利回りランキングは?

JPM ベスト・インカムは、バランス型ファンドの中でも、
RIETと株式の組入比率が、25%以上50%未満のカテゴリー
に属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

JPM ベスト・インカムは良くもなく、悪くなく平均的な
水準にあると言えますね。

上位●%
1年 22%
3年 67%
5年 44%
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

JPM ベスト・インカムの年別の運用パフォーマンスを見て
みると、マイナスの年もありますが、プラスの年のほうが
多くなってはいます。

平均すると3%程度になるので、バランスファンドであれば、
これくらいのリターンが妥当な水準でしょう。

年間利回り
2021年 +2.78%(1-3月)
2020年 +1.87%
2019年 +11.70%
2018年 ▲7.77%
2017年 +6.50%
2016年 +4.94%
2015年 ▲1.40%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

類似ファンドとのパフォーマンス比較

JPM ベスト・インカムは通常のバランス型ファンドより
も幅広いアセットクラスに分散していますが、果たして、
その効果はあるのでしょうか?

ここでは、バランス型ファンドで非常に人気の高い、
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と比較してみました。


※引用:モーニングスター

株式やRIETの組み入れ比率が異なるため、一概には
比較できませんが、パフォーマンスだけでみると、
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)のうほうが
優れています。

JPMベスト・インカム slimバランス
1年 24.20% 30.17%
3年 3.52% 7.15%
5年 3.90%
10年

※2021年4月時点

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の
範囲をある程度は予想できますが、やはり実際に下落した
度合いをみたほうがイメージがわきます。

JPM ベスト・インカムでは、2020年1月~2020年3月までの間に
最大15.69%下落しています。

運用期間がまだ短いからというのもありますが、リターンの割り
に下落幅は大きいですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲14.48%
3カ月 ▲15.69%
6カ月 ▲14.31%
12カ月 ▲11.88%

※2021年4月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
1,475円 360円 509%

※2020/4/8~2021/4/7

JPM ベスト・インカムの直近1年間の分配健全度は509%と
なっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、100%を超える
ファンドの場合は、ファンドの運用益から分配金がすべて
支払われていることを意味します。

ただ、JPM ベスト・インカムの場合は、分配金の額をかなり
抑えていますので、健全な分配が行われている点は評価に
値します。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

(分配金利回りは基準価額に対する分配金合計額で計算が
できます。)

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

JPM ベスト・インカムの分配金利回りは約4%で、ファンドの
運用利回りとほぼ同じです。

この利回りであれば、タコ足配当になることもなく、
健全な運用と分配金を受け取ることができる水準です。

運用利回り 分配金利回り
1年 24.20% 3.85%
3年 3.52%
5年 3.90%
10年

※2021年4月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

JPM ベスト・インカムの分配金余力は、20カ月程度ですので、
まだ余裕はありますが、パフォーマンスが悪化すると、
危険水域に入ってくる可能性があります。

分配金 繰越対象額 分配金余力
67期 30円 581円 20.3カ月
68期 30円 579円 20.3カ月
69期 30円 584円 20.4カ月
70期 30円 587円 20.5カ月
71期 30円 587円 20.5カ月
72期 30円 580円 20.3カ月

評判はどう?

JPM ベスト・インカムの評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つ
のが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけJPM ベスト・
インカムを購入している人が多いということなので、評判が
良いということです。

JPM ベスト・インカムは2018年までは、毎月、資金流入
していましたが、2019年以降は流出超過となっています。

やはりバランス型のインデックスファンドにパフォーマンスで
負けているようでは、積極的に投資をしようとは思えないと
いうことでしょう。


※引用:モーニングスター

JPM ベスト・インカム(毎月決算型)の評価まとめと今後の見通し

いかがでしたでしょうか?

一言でバランス型ファンドといっても、組入られている
ファンドやアセットクラスによって、パフォーマンスは
全く変わってきます。

JPM ベスト・インカムで言えば、リスクの高い債券の比率
が高いため、あなたが想定している安定した運用というのが
実現できない可能性があります。

ファンドを購入した後だとなかなか勉強する気が起きない
と思いますので、本当に自分の要望がかなうファンドなのか
購入する前にしっかり考えるくせをつけてくださいね。

ただ、根本的に私はバランスファンドはあまりおすすめしません。
バランス型ファンドの本当のデメリット。なぜ私はおすすめしないのか

年3%程度の利回りで運用するのであれば、他にもいろいろな
ファンドがあります。

投資のソムリエは年3%程度の利回りで運用できているファンドですが、
最大下落率はJPM ベスト・インカムの3分の1程度です。

つまり、基準価額の変動幅が非常に小さく安定してプラスの運用が
できているということです。

ぜひ他のファンドも色々と比較しながら、投資先を検討してみてください。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点