ニッセイアセットが運用する、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)。
株式に比べてボラティリティの低いことと分配金の高さを売り文句に、
公募ファンドを取り扱う日本の資産運用会社のほとんどが取り扱っている
Jリートファンド。

しかし、目を覆うような粗悪品が多く、毎月分配型のJリートファンド
としては後発組に入る本ファンドも、決して例外ではありません。

今日は、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)について徹底分析
していきます。


ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の投資対象はJリートです。

あなたから集めた資金を使って、オフィスや商業テナント、ホテル
などに投資を行い、賃料収入や売却益を配当として、投資家に還元します。


※引用:交付目論見書

組入銘柄数は43銘柄と国内の不動産投資法人をほとんどカバーしており、
資産規模の大きい投資法人が組入比率上位に入っています。

組入銘柄にオリジナリティが出せないので、他のJリートと比べても、
違いがないため、面白みがほとんどありません。

※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)のつみたてNISAやiDeCoの
対応状況を見ておきましょう。

残念ながらどちらも対応していません。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年9月時点

運用体制は?

運用は、ニッセイ基礎研究所の調査・分析等の助言をもとに運用しています。
ニッセイ基礎研究所は、1988年創業のニッセイグループのシンクタンクです。
生命保険分野にとどまらず、国内外の経済・金融・資産運用・年金福祉まで
幅広い分野で、調査・研究をしています。

純資産総額は?

続いて、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近の純資産額は2230億円
程度となっています。

一時は3000億円超の規模がありましたが、近年の毎月分配型への
厳しい評価の影響もあって純資産総額が減少しています。

1000億円以上ありますので、規模による運用のデメリットはないと
言えます。

※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなけれ
ばなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の実質コストは1.17%となって
おり、一見割安に見えます。

ただ、後述しますが、インデックスファンドにパフォーマンスで
負けているにもかかわらず、このコストは高いですね。

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.1%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.17%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)はコロナショックで
一時期大きく下落しましたが、3年前とほぼ同じ位置にいます。

分配金を受け取らずに運用をした場合の基準価額(青線)を
見ると、コロナショックで下落はしたものの、3年間で30%
ほどは上昇しています。

ですので、ここから分配金が過剰に支払われていることが
読み取れます。

※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近1年の利回りは
24.31%です。

どの期間を見ても、6%以上の利回りとなっていますが、
この利回りだけを見て、投資判断をしてはいけません。

他の類似ファンドとパフォーマンスをしっかりと比較
してから投資をしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 24.31%
3年 9.88%
5年 6.07%
10年 11.49%

※2021年9月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)は国内RIETカテゴリー
に属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)は下位20%程度に位置して
いましたが、コロナショックを経て、少しだけ順位をあげている
ようです。

ただ、それでも平均以下の水準なので、まだほかに優秀な
国内RIETファンドがあるとわかります。

上位●%
1年 91%
3年 82%
5年 89%
10年 73%

※2021年9月時点

年別のパフォーマンスは?

では、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

直近の5~6年間は、プラスの年があれば、翌年マイナスを
出してしまい、トータルのリターンがまったく伸びていません。

REITは相場が落ち着いているときは堅調に推移しますが、落ちる
ときは大きく下落するので、なかなか利益が積みあがってこない
状況になっています。

平均すると、5%程度は利回りもあるわけですが、毎年
安定してプラスのリターンが得られるわけではないので、
その点は理解した上で投資をするようにしてください。

年間利回り
2021年
21.23%(1-6月)
2020年 ▲13.06%
2019年 23.44%
2018年 9.56%
2017年 ▲8.07%
2016年 7.68%
2015年 ▲5.08%
2014年 27.82%

※2021年9月時点

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)に投資をするのであれば、
より低コストで投資ができるインデックスファンドとのパフォー
マンスは比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は、東証REIT指数と連動するeMAXIS 国内リートインデックスと
パフォーマンスを比較してみました。

※引用:モーニングスター

結果は、終始eMAXIS 国内リートインデックスが勝っています。
これでは、高い手数料を支払ってまで投資するメリットを
感じませんね。

ニッセイ J-REIT eMAXIS国内リート
1年 24.31% 26.88%
3年 9.88% 10.76%
5年 6.07% 7.07%
10年 11.49% 12.18%

※2021年9月時点

5年、10年のより長い期間でパフォーマンスを比較してみても、
やはりニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)が劣っています。

これであれば、インデックスファンドに投資をすれば、十分
と言えます。

類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のアクティブファンドに投資するのであれば、
同じく毎月分配型のアクティブファンドとパフォーマンスを
比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は同じくJ-RIETに投資ができるJ-REITリサーチ・
オープン(毎月分配型)
と比較をしてみました。

※引用:モーニングスター

同じJ-REITに投資をしていても、3年間で5%以上の
差がついています。

これだけ差がつくと、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)
を選択する理由がなくなります。

ニッセイ J-REIT J-RIETリサーチ
1年 24.31% 27.21%
3年 9.88% 11.67%
5年 6.07% 8.13%
10年 11.49% 12.47%

※2021年9月時点

最大下落率は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)に投資をするうえで、事前に
どの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)はリーマンショック時で
最大▲49.40%となっています。

リーマンショックのような金融ショックが来た場合は、Jリートと
言えど、大きく下落してしまうことだけは忘れないようにしましょう。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲19.64%
3カ月 ▲30.32%
6カ月 ▲37.99%
12カ月 ▲49.40%

※2021年9月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
412円 480円 186%

※2020/9/25~2021/9/24

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近1年間の
分配健全度は186%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

一方100%を超えているということは、あなたが受け取っている
分配金はすべてファンドの運用益から支払われており、かつ
支払った分配金以上に利益が出ているということです。

直近1年間は好調ですが、分配金利回りが高いので、この
状態を維持するのはかなり難しいでしょう。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

分配金利回りは1年間で受け取った分配金の合計金額を
基準価額で割ることで計算できます。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の分配金利回りは
10.2%なので、少し高めの設定です。

直近ではJ-REITのパフォーマンスが良いので、タコ足配当
にほとんどならずに分配金を受け取れていますのが、
早々長くは続かないでしょう。

未だ多くの投資家が勘違いをしながら、分配金利回りが
高いファンドに投資をしていますが、くれぐれも気を
つけてほしいと思います。

運用利回り 分配金利回り
1年 24.31% 10.2%
3年 9.88%
5年 6.07%
10年 11.49%

※2021年9月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の分配金余力は
まだ80カ月ありますので、減配の心配はいったん
しなくても大丈夫そうです。

分配金 繰越対象額 分配金余力
140期 40円 3,501円 88.5カ月
141期 40円 3,465円 87.6
142期 40円 3,444円 87.1カ月
143期 40円 3,429円 86.7カ月
144期 40円 3,397円 85.9カ月
145期 40円 3,360円 85.0カ月
146期 40円 3,328円 84.2カ月
147期 40円 3,301円 83.5カ月
148期 40円 3,275円 82.9カ月
149期 40円 3,262円 82.6カ月
150期 40円 3,230円 81.8カ月
151期 40円 3,196円 80.9カ月

 

評判は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけニッセイ J-REITファンド
(毎月分配型)を解約している人が多いということなので、評判が悪い
ということです。

直近のニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)は、毎月資金流出が超過
しており、毎月分配型=悪というイメージが投資家にも浸透してきたこと
がうかがえます。

また東証RIET指数に連動するインデックスファンドにパフォーマンスで
負けてしまっているのも原因のひとつでしょう。

※引用:モーニングスター

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

毎月分配金を受け取っているだけだと、分配金を受け取れた
ことに満足してしまい、ファンド自体のパフォーマンスが
どうなのかという視点が抜けてしまいがちです。

そのため、分配金が減った瞬間に、はじめてこのファンドは
大丈夫なのか?と思い始める人がほとんどです。

一方で、しっかりとファンドの収益力(パフォーマンス)
を確認しておけば、分配金が自分の投資元本から支払われて
いるタコ足配当ファンドなのか、ちゃんと利益から支払われて
いるファンドなのかわかり、

実は全然利益がでていないファンドに投資をするリスクを
下げられます。

中長期でみれば、RIETも1桁中盤のリターンは期待ができますが、
ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)に関しては、低コストの
インデックスファンドにパフォーマンスで負けていますし、

アクティブファンドのJ-REIT リサーチ・オープン(毎月決算型)
にも負けています。

これでは、あえてニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)を選択
する理由がありません。

毎月分配型のファンドに投資をするにしても、重要なのは、
ファンド自体がちゃんと収益をあげられているかです。

収益をあげていないファンドが分配金を出せるのは、あなたの
投資資金から支払いをしているからです。

くれぐれもそのことを忘れずに投資をしてほしいと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点