毎月分配型のファンドでありながら、毎月資金が流入し、
純資産総額が伸びているニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド
『ラッキー・カントリー』。

 

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』には、
毎月分配型と資産成長型の2種類のファンドがありますが、今日はより、
人気の高い毎月分配型を分析していきます。

 

資産成長型を保有している人や、購入を検討している人の
参考になるように書いていますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、相対的に配当利回りの高い「株式」および「リート」
を実質的な投資対象とします。

 

業種別手見ると、金融の比率が高く、次いで一般消費財、公益事業と
続きます。

 

半年前と比較すると、金融、素材の比率が高くなっています。

2020年1月 2020年7月
金融 30.6% 33.6%
一般消費財・サービス 14.1% 12.7%
リート 13.9% 12.3%
公益事業 11.3% 12.5%
資本財・サービス 7.9% 4.6%
コミュニケーション 7.2% 6.8%
生活必需品 7.2% 8.8%
エネルギー 6.6% 3.7%
素材 1.0% 5.0%

※引用:マンスリーレポート

 

ファンドの仕組みは?

ファンドの運用はファンド・オブ・ファンズ方式で行い、オーストラリア
株式の実質的な運用はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント・
オーストラリア・リミテッドが行います。

 

レッグ・メイソンは1899年に設立され、米国メリーランド州
ボルティモアに本部を置く歴史ある資産運用会社です。
グループ全体では、85兆円もの資産を運用しています。

 

オーストラリア株式の運用については30年以上の実績があります。

 


※引用:交付目論見書

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』は
2017年ごろから純資産は横ばいとなっていましたが、コロナショックで
純資産が大きく減少し、わずか数カ月で半分近くにまで減りました。

 

しかし、その後、基準価額の上昇とともに、資金流入が起こり、
現在は1300億円程度まで回復しています。

 

※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

そして、ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の
実質コストは1.826%とかなり高いです。

 

基本的には手を出してはいけないファンドですね。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.826%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.826%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の評価分析

基準価額をどう見る?

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の
基準価額は直近3年間で60%近く下落しています。

 

分配金を受け取らずに運用をした場合の基準価額(青)で見ると、
青線も大きく下落しているので、運用自体がうまくいっていない
ことがわかります。

 

ここまで大きく下落すると、相当大きく減配しない限り、
ファンドのタコ足配当と基準価額の下落は止められないですね。

 


※モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の
利回りはどうなっているか見てみましょう。

 

コロナショック前までは、堅調な運用が続いていましたが、
コロナショックで大きく下落して以来、すべての期間において
利回りがマイナスとなっています。

 

運用がマイナスであるにのかかわらず、高い分配金を
支払い続けていますので、もう悲惨な結末しかありません。

 

あなたが受け取っている分配金のほとんどはファンドの収益
ではなく、あなたの投資元本が戻ってきているだけという
ことです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 16.83% ▲18.80%
3年 1.17% ▲8.18%
5年 1.06% ▲3.10%
10年

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

ラッキーカントリーは、バランス型ファンドの成長カテゴリーに
属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

ラッキーカントリーは、1年、3年、5年のどの期間においても、
下位10%程度に位置しており、他にもっとパフォーマンスが
優れたファンドが多数あることを意味します。

 

分配金利回りは高いですが、それ以外何も魅力がないのが、
ラッキーカントリーです。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 78% 92%
3年 98% 94%
5年 88% 89%
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の
年別の利回りを見てみましょう。

 

2018年の大きな下落がなければ、堅実な運用ができているように
見えましたが、この下落はかなり痛いですね。

 

いくらプラスのリターンを出せる年があっても、大きく下落する年が
あるとリターンが相殺されてしまうので、このような運用をする
ファンドには積極的には投資がしづらいですね。

年間利回り
2020年 ▲11.97%(1-6月)
2019年 16.83%
2018年 ▲19.59%
2017年 10.22%
2016年 8.17%
2015年 ▲5.90%
2014年 17.01%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

最大下落率はどれくらい?

投資をするにあたって、どの程度下落する可能性があるのかは
知っておきたいポイントです。

 

標準偏差からもある程度は想定できるものの、やはり実際に
下落したかが一番参考になります。

 

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』は
2020年1~3月の3カ月間で▲37.92%下落しています。

 

コロナショックの影響をかなり大きく受けたと言えますね。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲31.49%
3カ月 ▲37.92%
6カ月 ▲35.26%
12カ月 ▲34.38%

※2020年7月時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲1,962円 1,110円 ▲76%

※2019/7/22~2020/7/21

 

ラッキーカントリーの直近1年間の分配健全度は▲76%と
なっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

ここまで分配健全度がマイナスになるファンドも珍しいですが、
ファンドの運用がうまくいっていないにもかかわらず、高い
分配金を支払っているようなファンドだとこのような数値に
なりがちですので、注意が必要です。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

ラッキーカントリーの分配金利回りは高いので、大きな
分配金を受け取ることができます。

 

ただ、ファンドの運用利回りがマイナスなので、あなたが
受け取っている分配金のほとんどはあなたが投資した資金
が戻ってきているに過ぎないということです。

 

さらに運用利回りがマイナスなので、あなたの投資元本も
そもそもマイナスとなっています。

運用利回り 分配利回り
1年 ▲18.80% 25.42%
3年 ▲8.18%
5年 ▲3.10%
10年

※2020年7月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

ラッキーカントリーの分配金余力は、直近で減配された
こともあり、17カ月程度にまで復活しています。

 

少しの間は持ちそうですが、分配金利回りが異常に高い割に、
ファンドの運用が全くうまくいっていないことから考えると、
急速に分配金余力が減っていく可能性が高いです。

分配金 繰越対象額 分配金余力
85期 100円 1,448円 15.4カ月
86期 100円 1,413円 15.1カ月
87期 100円 1,378円 14.7カ月
88期 100円 1,345円 14.4カ月
89期 100円 1,310円 14.1カ月
90期 100円 1,273円 13.7カ月
91期 100円   1,237円 13.3カ月
92期 100円 1,199円 12.9カ月
93期 100円  1,160円 12.6カ月
94期 100円  1,123円 12.2カ月
95期  70円  1,118円 16.9カ月
96期 70円  1,112円 16.8カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の
評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している
人が多いということなので、評判が良いということです。

 

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』は
2014年以降、毎月資金が流入しており、2017年には大きく人気に火が付きました。

 

パフォーマンスが優れないにも関わらず資金が流入し続けているのは、
見かけの分配金利回りが高いことによる影響です。

 

このようなファンドに投資をしてもあなたが受け取る分配金は
あなたが投資した資金から支払われるだけですので、くれぐれも
投資をしないようにしてください。


※モーニングスター

 

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド『ラッキー・カントリー』の評価まとめと今後の見通し

コロナショックで大きく下落した株価ですが、経済活動再開の
再開に伴う景気の期待が高まり、投資家のリスク回避姿勢が
和らいだことから、株価は堅調に推移しています。

 

各種経済指標が前月からの改善を示す結果となっていることも
あり、景気回復への期待は意識されつつも、新型コロナウイルス
の感染第二波への懸念は消えず、相場の重しとなっています。

 

ラッキーカントリーは分配金利回りが30%近いことから、
分配金目当ての投資家が大きく流入しているものと思われます。

 

ただ、その中身を見てみると、決して健全な分配が行われている
わけではなく、ほとんどタコ足配当になっています。

 

つまり、実質あなたが受け取っている分配金は、あなたが投資した
資金であり、あなたが儲かっているわけではないということです。

 

ファンド自体の運用がそこそこうまくいっているのであれば、
検討の余地があるかもしれませんが、パフォーマンスも酷い状態で、
分配金もタコ足配当では、投資をするメリットが何1つないと
言えます。

 

もし今、ラッキーカントリーを保有している人は、早急に他の銘柄に
入れ替えるべきです。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点