モーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤー2015につづき、
2018でも優秀賞を受賞したグローバル・ヘルスケア&バイオ・
ファンド『健次』。

 

ヘルスケア・バイオといったまさに将来性がありそうな分野に特化した
ファンドですが、実際のところはどうなのでしょうか?

 

今日は、投資信託『健次』について徹底的に分析していきます。

 

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、世界主要先進国市場のヘルスケア・バイオ関連企業の株式です。
主に、製薬、バイオテクノロジー、医療製品、医療・健康サービスの4分野に
分散投資をしていきます。

 

先進国を中心とした高齢化の進展や新興国の経済成長に伴う医療の発達により、
こういったテーマの株式は注目を集める可能性は高いですね。

 


※引用:交付目論見書

 

健次の国別の組入比率を見てみると、7割近くが米国株と
なっています。

 

半年前とはほとんど国別の組入比率は変更していないよう
ですね。

2020年1月 2020年7月
アメリカ 67.7% 66.5%
日本 7.7% 8.5%
イギリス 7.5% 7.0%
スイス 6.6% 5.7%
デンマーク 1.3% 1.8%
ベルギー 1.2% 1.6%
オランダ 1.1% 1.0%
アイルランド 1.0% 0.9%
中国 0.7% 0.8%
ドイツ 0.7% 0.5%

※引用:マンスリーレポート

 

現在は72銘柄で構成されており、大半が医薬品メーカーです。

 

コロナ禍においては、こういった銘柄が組入られている健次
はかなり有利に働いたと思われます。

 

上位銘柄は半年前からほとんど変わっていないことがわかり
ますね。

2020年1月 2020年7月
1 ファイザー ユナイテッド・ヘルス
2 ノバルティス イーライ・リリー
3 ブリストル・マイヤーズ ファイザー
4 アストラゼネカ アストラゼネカ
5 アボットラボラトリーズ ノバルティス
6 イーライ・リリー ブリストル・マイヤーズ
7 サーモ・フィッシャー サーモ・フィッシャー
8 ボストン・サイエンティフィック アボット・ラボラトリーズ
9 ユナイテッド・ヘルス エーザイ
10 スミス・アンド・ネフュー ダナハー
銘柄数 72銘柄 70銘柄

運用の体制は?

株式の実質的な運用は、ウエリントン・マネージメント・カンパニー・
エルエルピーが行います。ウエリントンはヘルスケア部門では、世界
最大規模のファンドの運用を行っています

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少して
いると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬコスト増を
生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』は一時期
4000億円の規模のファンドでしたが、だんだん純資産が減少
しており、現在は約1350億円ほどです。

 

規模としては、全く心配必要ありません。

 

コロナショックで維持的に資金が流出しましたが、すでに、
元の水準近くにまで純資産総額は戻ってきています。

 


※マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』の実質コストは
2.47%と異常に高くなっています。購入時手数料もかかることを考える
と、この時点で手を出してはいけないファンドですね。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 2.42%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.48%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』の評価分析

基準価額をどう見る?

健次の基準価額は2018年以降、大きく上下に変動しています。

 

コロナショックで一時的に20%以上、基準価額が下落しました
が、すでにコロナ前の水準にまで戻してきています。

 

やはり医薬品・医療といった分野の銘柄がコロナ禍で期待
されていることもあり、業種の恩恵を大きく受けていると
言えます。


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

続いて、グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』の
利回りを見ていきます。

 

直近1年間の利回りは15.63%となっています。

 

半年前と比べると、平均利回りは大きく落ちましたが、
コロナの影響下でもしっかりとプラスのリターンを
維持できているのは評価できます。

 

ただ、医療・医薬品の銘柄は開発がうまくいくかどうかで、
株価に大きな影響が出るため、積極的に投資をしていく
には少しギャンブル要素が強いように感じます。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 24.90% 15.63%
3年 8.94% 5.15%
5年 4.68% 2.42%
10年 13.72% 15.30%

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

健次は日本株を含むグローバル株式カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォ
ーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー
内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

 

健次は、どの期間においても上位30%にランクインしており、
半年前と比べると、パフォーマンスが大きく改善傾向にある
ことがわかります。

 

これもやはりコロナ禍での医療・医薬品分野というのが、
かなり大きく作用しています。

2020年1月 2020年7月
1年 61% 17%
3年 41% 22%
5年 34% 27%
10年 5% 3%

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』の年別のパフォ
ーマンスを見てみましょう。

 

一見すると、マイナスの年はあるものの、パフォーマンスとしては
悪くないようにも見えます。

 

しかし、後述しますが、類似する他のファンドと比べるとどうしても
パフォーマンスで見劣りするので、あえて健次を選択する理由という
のはないですね。

年間利回り
2020年 1.71%(1-6月)
2019年 24.90%
2018年 ▲5.80%
2017年 9.88%
2016年 ▲13.81%
2015年 12.82%
2014年 39.85%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』への投資を検討
するのであれば、少なくとも低コストのインデックスファンドよりは
パフォーマンスが優れていなければ投資する価値がありません。

 

健次は、米国株を中心に先進国株式に分散投資をしていることから、
先進国株式の人気ファンドであるニッセイ 外国株式インデックス
パフォーマンスを比較しました。

 

直近3年間のパフォーマンスはほぼニッセイ 外国株式インデックス
が勝っていますが、コロナショックで健次が一気に追いつきました。

 

急落相場では、下落要因に成りえる銘柄をはずし、上昇が期待できる
銘柄を機動的に組み入れることができるアクティブファンドの強みを
発揮していると言えます。

 


※引用:モーニングスター

 

ただし、やはり3年以上の長期のパフォーマンスで比較をしてみると、
ニッセイ 外国株式インデックスに軍配が上がります。

 

こうなると、あえて高いコストを支払ってまで健次に投資をする
理由がなくなります。

健次 ニッセイ 外国株式
1年 15.63% 2.36%
3年 5.15% 5.31%
5年 2.42% 4.22%
10年 15.30%

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブ
ファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

 

今回は、北米ファンドで何度も優秀ファンド賞を受賞をしたこと
があるアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコース
と比較をしてみました。

 

比較をしてみると、健次の完敗です。これだけ差がつくとなると、
健次をあえて選択する理由がなくなります。

 

あなたは6000本あるファンドの中から本当に優秀なファンドを
数本見つけばよいので、これだけパフォーマンスに差がある
のであれば、米国成長株投信を選択したほうがよいでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

5年、10年のパフォーマンスを見ても、健次はリターンが安定しない
時期がありますが、米国成長株投信は安定して2桁のリターンを
維持しています。

健次 米国成長株投信
1年 15.63% 22.09%
3年 5.15% 17.07%
5年 2.42% 12.49%
10年 15.30% 18.55%

※2020年7月時点

 

最大下落率はどれくらい?

投資をするにあたって、気にあるのがどの程度下落するかでしょう。

 

標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際に下落したかは
気になります。

 

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』はリーマンショック
のタイミングで1年間で▲40.66%下落しました。

 

ファンドの運用においては、大きく下落することもありますが、
長期保有をすることでしっかりプラスのリターンが出ていますので、
くれぐれもパニック売りはしないようにしてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲19.04%
3カ月 ▲36.69%
6カ月 ▲35.78%
12カ月 ▲40.66%

※2020年7月時点

 

分配金の推移は?

健次は年2回(2月、8月)の分配を行っています。

 

2018年に660円の分配がされましたが、2019年は再びゼロでした。

 

2020年も600円近い分配がされています。

 

分配金を受け取ると嬉しい気持ちになりますが、そもそも分配金を
期待して投資をするファンドではないので、分配金を目当てにする
のであれば投資をしてはいけません。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年 598円(1-6月)
2019年 0円
2018年 660円
2017年 0円
2016年 0円
2015年 3,212円

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを解約している人が
多いということなので、評判が悪いということです。

 

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』は2016年以降、
毎月資金が流出しており、あまり評判はよくないようです。

 

2020年のコロナ以降は、医療・医薬品ファンドということもあり、
一部資金が流入してきています。

 

ただ、パフォーマンスがそこまで優れているわけでもないので、
この流入は長くは続かないでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド『健次』の評価まとめと今後の見通し

今後、世界的に高齢化が進む中で、医療費の増加はますます問題と
なってきます。また新興国でも経済成長により、所得水準の上昇と
人口増加により、医療費は増大します。

 

また遺伝子治療などバイオテクノロジーの進化により、今まで治療が
できなかった病気の治療といった広がりも期待できます。マーケットと
しては間違いなく伸びしろがある分野です。

 

ただ、製薬企業は特にそうですが、莫大な資金と時間を投じた研究開発が
うまく行かず中止となってしまったりすると、株価が大きく下落する要因に
なります。

 

年数%のリターンは今後も期待できますが、1桁後半のリターンを安定的に
得たいと思うのであれば、かなり難しいと思います。

 

また中長期のパフォーマンスで比較をするとニッセイ 外国株式インデックス
ファンドに負けてしまっていますので、あえて高いコストを支払ってまで
投資をする価値があるとは言えません。

 

アクティブファンドとしてリターンを追求するとした場合も、健次である
べき理由がないので、医療・医薬品以外の銘柄も組み入れた優秀なファンド
に投資を検討したほうが賢明と言えます。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点