インデックスファンドの低コスト競争において、最前線で戦っている
三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズ。

 

2018年中にeMAXISシリーズより低コストのファンドが出てこないかと
期待してはいましたが、そろそろ低コスト競争も限界を迎えたようです。

 

まあETFと同水準のコストで購入できるようになったというところで、
十分満足できる内容ですね。

 

さて、今日は、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim先進国株式インデックス
について徹底的に分析したいと思います。

 

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックスの基本情報

投資対象は?

投資対象は、日本を除く先進国の株式で、MSCIコクサイ・
インデックス(円換算ベース)と連動する投資成果を目指して
運用を行います。

 

MSCIコクサイ・インデックスは先進国22か国の約1300銘柄に
分散投資ができます。

 

もう少し具体的に、組入銘柄の国別構成比を見てみましょう。

 

アメリカが1位であるのは当然として、次がイギリス、その次が
フランスという構成比率になっています。

 

注目すべきは米国株が約7割で大半を占めているということです。

 

ほとんど主要な指数は半分以上が米国株であることがほとんどです。

 

それくらい米国株は外すに外せない銘柄が多いということですね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

続いて、組入銘柄の上位10銘柄を見てみます。

 

あなたが知らない名前はあるでしょうか?

 

それくらい日本でも有名な銘柄が上位にランクイン
しています。

2020年7月
1 アップル
2 マイクロソフト
3 アマゾン
4 アルファベット
5 フェイスブック
6 ジョンソン&ジョンソン
7 ネスレ
8 ビザ
9 P&G
10 JPモルガン
銘柄数 1286銘柄

※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、eMAXIS Slim先進国株式インデックスの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見る
べきポイントです。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。

 

また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックスは下図のように2017年の
新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は
約1050億円となっています。

 

idecoや積立NISAで非常に人気となっており、順調に純資産を
増やしています。

 


※マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

特にMSCIコクサイ・インデックス連動型のファンドは運用会社各社が
作っていますが、運用リターンはベンチマークに連動するため、どこも
差がつきません。

 

そうすると、実質コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックスの実質コストは0.171%と
なっており、実質コストベースでも超低コストを実現できています。

 

ただ、信託報酬と実質コストの間にはまだ大きな乖離があり、今後、
純資産が増えるにつれて実質コストが下がるとさらに投資をしやすく
なりそうです。

購入時手数料 0
信託報酬 0.1023%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.171%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

類似ファンドの実質コスト比較

つづいて、類似ファンドの実質コストを比較をしてみましょう。

 

MSCIコクサイ・インデックスをベンチマークとして採用している
ファンドは、信託報酬と比較するとかなり割高になっていることが
わかります。

 

これは、純資産総額が小さいことにより、効率的な運用ができていない
側面もあるため、純資産総額が大きくなれば、もっと下がってきます。

 

直近の実質コストで比較をすると、たわらノーロード先進国株式の
ほうが実質コストベースでは割安となっています。

 

ただ、直近で信託報酬を下げると、実質コストが安く見えるため、
後述していますが、ファンドのパフォーマンスを比較してみると、
実質コストが安いファンドがどれなのか一番判断しやすいでしょう。

ファンド 実質コスト(概算値)
eMAXIS Slim先進国株式インデックス 0.171%
ニッセイ 外国株式インデックスファンド 0.157%
たわらノーロード先進国株式 0.134%
iFree外国株式インデックス 0.254%

※2020年7月時点

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックスの評価分析

基準価額の推移は?

eMAXIS Slim先進国株式インデックスの基準価額は、コロナショック前
までかなり大きく上昇していましたが、コロナショックで10000円を
切る水準にまで下落しました。

 

しかし、その後は順調に基準価額を戻しています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどう?

つづいて、eMAXIS Slim先進国株式インデックスの運用実績を
見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは2.36%という結果になっています。

 

半年前の利回りと比較すると、大きく下がってしまいましたが、
もともとが好調過ぎたというのが実際のところです。

 

3年平均で5%近くを維持できているので、十分でしょう。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 28.89% 2.36%
3年 5.36%
5年
10年

※2020年7月時点

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、日本を除く国際株式
カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォ
ーマンスのファンドに投資すべきですので、同カテゴリー
内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、どの期間に
おいても上位20%以内にランクインしており、かなり
優秀なパフォーマンスとなっています。

 

購入時手数料も信託報酬も格安で、このパフォーマンス
であれば、先進国株式への投資はeMAXIS Slim先進国株式
インデックスで十分です。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 14% 19%
3年 13%
5年
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

つづいて、eMAXIS Slim先進国株式インデックスの年別の
パフォーマンスを見てみましょう。

 

2018年、2020年はマイナスとなっていますが、トータル
で見ると、まだプラスです。

 

直近3年ほどは株式市場においてもかなり苦戦を強いられて
いるので、それを考慮すれば、今後に十分期待が持てます。

年間利回り
2020年 ▲4.91%(1-6月)
2019年 28.89%
2018年 ▲11.00%
2017年 14.94%
2016年

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

インデックスファンドに投資をするのであれば、同じベンチマークを
採用している類似ファンドとのパフォーマンス比較は不可欠です。

 

特に最終的には実質コストが安いインデックスファンドを選択する
べきですが、目論見書などからはその情報がわかりません。

 

ですので、パフォーマンスの差が実質コストの差になるのです。

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックス(黄線)と同じMSCIコクサイを
採用している主要なファンドとパフォーマンスを比較してみると、
実質コストを加味しても、eMAXIS Slim先進国株式インデックスが
わずかではあるものの一番優れていると言うことがわかります。

 

さきほど実質コストベースでたわらノーロードが1番割安になって
いたのは、それまで割高だった信託報酬を直近で下げたことが
影響しているということですね。

 


※引用:モーニングスター

 

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

eMAXIS Slim先進国株式インデックスへの投資を検討するのであれば、
同じように先進国株式に投資ができるアクティブファンドと比較をして
おいても損はありません。

 

今回は、世界の株式に分散投資ができるアクティブファンドとして、
非常に人気の高いセゾン 資産形成の達人ファンドと比較をしました。

 

終始、パフォーマンスは拮抗していますが、直近ではeMAXIS Slim
先進国株式インデックスがわずかに勝っています。

 


※引用:モーニングスター

 

他の指数に連動するインデックスファンドとのパフォーマンス比較

eMAXIS Slim先進国株式インデックスへの投資を検討する上で、
他の指数に連動するファンドと比べてパフォーマンスはどうなのか
と気になる人もいると思います。

 

そこで、日経225に連動するeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、新興国の
代表的な指数に連動するeMAXIS Sim 新興国株式インデックス
全世界の代表的な指数に連動するeMAXIS Slim 全世界株式
(オールカントリー)

 

最後に米国の代表的な指数であるS&P500に連動するeMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
を比較しました。

 

明らかにeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)が劣っていますが、
それ以外の4ファンドはそこまで差がありません。

 

特にeMAXIS Slim先進国株式インデックスとeMAXIS Slim 全世界株式
(オールカントリー)
で悩む人が多いと思いますが、そこまで大きな
差がないことがわかります。

 


※引用:モーニングスター

 

個人的な意見としては、米国株式一択でも良いと思いますが、あとは
自分が長期で平常心で運用するには、どのファンドを保有していれば、
安心して投資ができるかと言う軸でファンドを選択すると良いと
思います。

 

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、
最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。

 

まだ設定来の期間が短く、大きな下落は見せていませんが、eMAXIS
Slim 先進国株式インデックスの最大下落率は2020年1~3月で▲21.62%
となっています。

 

このファンドには投資をし始めたばかりの人が多いと思いますので、
いきなり大きな下落を経験して同様している方もいるかもしれませんが、
積立などをしている場合は、一度下落したほうが大きなリターンが
期待できますので、気にせず保有を続けましょう。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲15.03%
3カ月 ▲21.62%
6カ月 ▲12.95%
12カ月 ▲11.08%

※2020年7月時点

 

評判はどう?

続いて、eMAXIS Slim先進国株式インデックスを見てみましょう。

 

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入している
ということなので、評判がいいということになります。

 

2017年の新規設定以来、毎月資金流入しており、2018年の積立NISA開始
と同時に純資産総額を大きく伸ばしています。

 

他社を圧倒するレベルの超低コスト戦略が見事に人気に火をつけた形ですね。
これ以上の低コストファンドは当分出てこないと思いますので、流入額は
まだまだ増えると思います。

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの積立NISAとiDeCoの対応状況を
確認しておきましょう。

iDeCoでは、SBI証券でも投資ができるようになりました。
セレクトプランは、既存のオリジナルプランから変更の手続きが
必要なので、早めに申請をしておきましょう。

先進国株式は多くの投資家がポートフォリオに組入れたいと考えて
いますので、ますます資金流入が増えそうです。

積立NISA iDeCo
SBI証券(セレクトプラン)、松井証券、マネックス証券、その他

※2020年7月時点

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックスの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

 

現状、先進国株式に投資をしたいのであれば、このファンド以外には
考えられないと思います。

 

ベンチマークもMSCIコクサイ・インデックスなので、問題ありませんし、
何より超低コストであることは魅力的です。

 

アクティブファンドと比較をしてもパフォーマンスで遜色ありません。

 

とにかく苛烈な信託報酬の値下げ合戦を運用会社同士で繰り広げている
こともあり、今後も信託報酬がさらに下がる可能性があります。

 

あとは全世界株式なのか先進国株式なのか悩む人が一番多いと思いますが、
一番重要なのは、自分が安心して保有を続けられるかです。

 

今回のコロナショックのように大きく相場が下落したときに、
相場を信じて保有を続けられるかということもあります。

 

個人的には、新興国株式は入れなくてもよいと考えていますので、
eMAXIS Slim先進国株式インデックスで十分だと思っていますが、
パフォーマンスにも大差はないので、そこまでこだわる必要は
ないと思います。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点