投資を始めたばかりの人が必ずといっていいほど気にするのが、自分が投資をした投資信託は元本割れしないだろうかという点です。
たしかに苦労して貯めた大切なお金ですし、資産を増やすために投資をしたはずなのに元本割れしてしまっては、元も子もありません。
しかし、ご安心ください。
株やFXはリスクが高く、元本割れする可能性は高いですが、投資信託は今日お話しする考え方をしっかりマスターして取り組めば、元本割れの確率を格段に下げることができます。
私も自分で分析するまでは、ここまで差が出るとは思いませんでしたが、過去データの分析結果から明確な結論が出ました。
この事実を知って、投資信託に投資をするのと、この事実を知らずに投資をするのとでは、リターンの大きさがまず間違いなく変わってきます。
ですので、必ず自分の中で腹落ちするまでしっかりと読み返してください。
元本割れの確率は?元本割れする確率を徹底検証
まず初めに、過去の投資信託の利回りを参考数値として、実際に元本割れする確率がどの程度なのか、詳しく検証しました。
検証の方法として、運用利回りがマイナスだった=元本割れしたとしてカウントします。
まず、国内株式に投資をする投資信託で元本割れしている投資信託がどの程度あるのが調べてみましょう。
平均利回り | 元本割れする確率 |
1年 | 13.57% (90本/663本) |
3年 | 0.81% (5本/616本) |
5年 | 1.81% (10本/552本) |
10年 | 0%(0本/322本) |
※2022年1月時点
表の見方は、1年前から運用されていたファンドが663本あり、その中で利回りがマイナスだった投資信託の本数が90本だったという見方をします。
3年だったら、3年前から運用されていた投資信託が616本あり、3年間運用して利回りがマイナスなファドは5本という意味です。
10年前から運用されている投資信託に至ってはなんと元本割れしているファンドは0本です。
ここから言えるのは、一時的に相場が下落することはありますが、そこで我慢して保有を続けることで、中長期で見れば元本割れする確率を限りなくゼロに近づけることができることを示しています。
同じ方法で、海外株式ファンドについても、元本割れする投資信託を分析してみましょう。
海外株式ファンドも直近1年間で見ると、20%以上の投資信託が元本割れとなっています。
しかし、10年超運用されている投資信託では、元本割れの確率は6%程度しかありません。
長期保有をすることで元本割れする確率を抑えられていることがわかります。
平均利回り | 元本割れする確率 |
1年 | 25.3% (307本/1211本) |
3年 | 4.09% (38本/928本) |
5年 | 6.88% (48本/697本) |
10年 | 5.71% (20本/350本) |
※2022年1月時点
せっかくなので、リスクが一般的に低いと言われているバランス型ファンドでは元本割れの確率はどうなのか見てみましょう。
平均利回り | 元本割れする確率 |
1年 | 2.67% (22本/822本) |
3年 | 1.16% (8本/686本) |
5年 | 1.75% (9本/514本) |
10年 | 0.84% (2本/236本) |
※2022年1月時点
リスクが低いバランス型ファンドでも元本割れする確率は株式型ファンドと大差はありません。
海外株式は少しだけブレがありますが、投資信託の元本割れの確率を下げるには長期保有がとにかく重要であることがわかります。
元本割れの確率を下げるには長期運用。分散投資ではない。
上述した検証結果からわかるように、株式型の投資信託であっても、バランス型の投資信託であっても5年、10年と長期保有をすることで元本割れする確率を極力ゼロに近づけられることがわかります。
一方で、株式、債券、REIT、その他資産に分散して投資ができるバランス型ファンドと株式ファンドの元本割れする確率を比較しても、ほとんど大差がありません。
これはリスクが低い=基準価額の変動は小さいけれども、元本割れする確率は株式ファンドと変わらないということです。
元本割れする確率が同程度なのであれば、株式型の投資信託に投資をしていったほうが得られるリターンも大きくなる可能性が高いわけです。
では、なぜ投資信託で損をしたと言う人が後を絶たないのか。
それは、相場が下落したタイミングで多くの投資家が我慢をできずに損切りしてしまっているからです。
私のように中長期で保有を続ければ、トータルでマイナスになること確率が下がるということがわかっていない投資初心者は相場が下がると動揺してしまい、これ以上損するのは嫌だから売ってしまおうとなるわけです。
ですので、適切な方法で投資信託に投資をすることができれば、元本割れする確率は極力抑えることができますし、大きなリターンも追及していくことができるわけですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
多くの投資家が長期保有の重要性は何となく理解はしつつもいざ、大きな下落相場が来ると、「本当に大丈夫か?」「今が売り時なのでは?」と疑心暗鬼に陥ってしまいます。
このような心境になってしまうと、投資では絶対勝てません。
しかし、ほとんどの投資家はこのような心境になってしまいます。
では、どうすればよいのでしょうか。それには、投資する前のタイミングから自分の投資に確たる自信をもつことです。
過去のデータではありますが、今回のデータをみれば、10年間保有を続ければ、ほぼ負けないことがわかります。
このデータを信じることができれば、大きな相場が来たとしても動揺せずに保有を続けることができます。
元本割れが怖いと思うかもしれませんが、中長期で保有をすれば、極力その確率をゼロに近い数値におさえられますので、ぜひ自分が納得いくまで、この記事を読み返して、納得できたら、投資をしてみてください。
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点