マメ知識

投資信託は何本持つのがいい?最適な本数は?

投資信託の購入について相談にのっていると、よく聞か
れるのが「投資信託は何本くらい買うのがおすすめです
か?」という質問です。

もちろん、正解はないのですが、私なりにいつもお伝え
している考え方がありますので、今日はそれを紹介して
いきます。

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投資初心者に最適な本数は?

まず、投資信託を購入したことがない人や、投資信託を
購入していても、ほとんど投資の知識がないような人は
何本ほど保有するのがよいでしょうか?

ファンド相談にのる中で見えてきたことですが、たいてい
の人は初めからファンドを保有しすぎています。

よくわからないからこそ、複数本に分散投資をしておいた
ほうが安心だと考える気持ちもわかるのですが、それなら
投資金額を減らして、まずは1本多くても2~3本までに
絞り込むべきです。

結局、ファンドの保有本数が増えると1本1本、分析するのに
時間が取れません。そのため、こだわりもないでしょう。

その結果、良く調べもせず「とりあえず分散投資をしておけば
安心だろう」程度に考えて投資をしてしまいます。

結果、今回のコロナショックのような相場が来ると、よく
調べもしていないので、自分に自信が持てず、さらなる急落が
恐くなってしまい、一番最悪のタイミングで売却してしまいます。

投資信託は長期投資が前提の商品ですので、コロナショック
のような相場が来たとしても毅然とした態度で保有を続けな
ければ、大きな成果は得られません。

そのためには、しっかりと自分が投資している投資信託に
ついて調べる必要があり、あまり調べもせず、とりあえず
分散しておけば何とかなるだろうと思って投資をしている
とほぼ間違いなく、途中で運用をやめるタイミングが来る
でしょう。

だからこそ、初めの1本をしっかり選ぶことが重要だと
考えています。具体的な選び方については、以下を参考に
してもらうとわかりやすいと思います。

【完全保存版】他では絶対教えてくれない投資信託の正しい選び方

最低限チェックしてほしいのは、投資対象、純資産、実質
コスト、利回り、類似ファンドとのパフォーマンス比較と
いった点でしょうか。

分配金の有無も確認しておいたほうがよいですね。

本気で投資信託1本を選ぼうとすると、実際はかなり大変
です。

アクティブファンドがいいのかインデックスファンドが
いいのかから始まり、特にインデックスファンドの場合は
信託報酬や利回りもほぼ似通っているので、どういう観点
で選定すればよいのか悩むことになると思います。

例えば、米国株に投資ができるファンドを選ぶとすると、
iFree NYダウ・インデックスeMAXIS Slim米国株式(
S&P500)
楽天・全米株式インデックス・ファンドなど
が挙げられます。

たいていの人はそこまで調べずにコストの安さだけで選ん
でしまいますが、しっかり調べれば投資対象が違うことが
わかります。

またeMAXIS Slim 先進国株式インデックスも先進国株式と
なっていますが、6割以上が米国株ですので、米国株への
投資という意味では選択肢に入ってきてもおかしくありません。

2~3本を選ぶとなると、結局上記のようなファンドの違い
について特に詳しく調べることなく、全部少しずつ投資を
してしまえばいいかという結論になってしまいますが、1本
を選ぶとなると、しっかり違いを確認しなければいけない
ので、大変です。

しかし、その分、投資信託の分析力は格段に高くなると思って
いいです。

ですので、まず1本を真剣に選ぶようにしてください。

初心者向けということであれば、まずはインデックスファンド
を1本選ぶのがよいですね。

くれぐれも毎月分配金が受け取れるようなファンドには投資を
しないようにしてください。

また株式、債券、REITに1ファンドで分散投資ができるような
ファンドも初心者向きではないので、投資をしないほうが無難です。

真剣に一本を選んで自分なりに結論を出すことができるように
なれば、2本目、3本目はそこまで苦労しなくなります。

確かにわからないことも多いため、もういいやとなって投資
してしまう人もいますが、そのような人は決して投資で成功
できません。

真剣に自分で考えるからこそ、仮に失敗してしまったときでも、
何が悪かったのかを知ることができるからです。適当に選んで
しまうと、失敗したときも結局何が悪かったのかわからず終わ
ってしまうので、何の役にも立ちません。

投資信託はあとからいくらでも追加購入ができますので、慣れ
てきたら購入金額を増やしたり、ファンドの本数を増やせば
十分です。

投資経験者に最適な本数は?

投資経験者の場合は最適な本数は3本程度です。

投資信託というのは数を増やせばよいというものでは
なく、自分がしっかりと内容を理解したうえで管理
できていることが重要です。

またコロコロ保有している投資信託を入れ替えるもの
でもありません。

特にインデックスファンドであれば、優秀なベンチ
マークは数が限られていますし、同じベンチマークの
インデックスファンドを複数もっても仕方ないので
数は限られてきます。

インデックスファンドを3本以上保有するメリットは
ほとんどないように感じますが、アクティブファンドの
本数を増やすということであれば、話は変わります。

アクティブファンドはファンドごとに運用戦略も異なり
ますので、もう少し保有数を増やしてもよいでしょう。

ただそれでも5本が限度です。運用報告書や月報に目を通す
のが苦にならない程度に絞り込むようにしてください。

まとめ

投資信託は数が多ければいいというものではありません。

分散投資をしたほうがリスクが下がると思っている人が
いますが、よくわかってもいない人が行う分散投資は
分散投資になっていない場合がほとんどです。

なぜ?分散投資をしているつもりなのに、多くの人が分散投資できていない理由.

逆に投資金額が増えることでリスクが高くなってしまって
いることも多々あります。

ですので、本数は絞り込み、金額も少額から始めるのが
一番おすすめです。

初心者の方は1本、経験者の方は3本までを目安に、自分に
あったファンドをまず探してみましょう。

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点

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ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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