おかげさまで、このブログにも多くの方から問い合わせを
受けるようになっているのですが、その中でも毎月分配型の
投資信託のうちファンドの利回りと分配金利回りの違いが
わかっていない方が非常に多いことに気づきました。

 

毎月分配型のファンドを購入・保有する上で、この違いが
わかっていないのは致命的ですので、今日この場でしっかり
違いを理解してもらいたいと思います。

 

 

ファンドの利回りと分配金利回りの違い

まず、ファンドの利回りと分配金利回りの定義をしっかりと
理解しておきましょう。

 

ファンドの利回りというのは、ファンドが1年間の運用で得た
収益(売買益や配当益等)÷基準価額で計算できます。

 

これは、1年前にファンドを購入した場合、あなたの資産が
1年間でどの程度増加するのかを測る指標です。

 

運用報告書や月報などでは分配金再投資基準価額と言う言葉が
使われることが多いですが、分配金を受け取らずに運用に
まわした場合の基準価額の推移を見ることでファンドの利回りは
計算できます。

 

例えば、2018年1月1日の基準価額が10000円で、2018年12月31日時点
でファンドの収益が1000円だった場合、ファンドの利回りは
1000円÷10000円=10%となります。

 

一方で分配金利回りと言うのは、あなたが1年間に受け取った
分配金÷基準価額で計算できます。

 

つまり、基準価額に対して、分配金の割合がどの程度かを示す指標です。

 

例えば、2018年1月1日~2018年12月31日の1年間に受け取った配当金が
1200円だったとして、2018年12月31日時点の基準価額が12000円だった
場合、1200円÷12000円=10%と計算します。

 

では、この違いを理解しておかないと何が問題となってくるのかを
考えてみます。

 

分配金利回りの落とし穴

ファンドの利回りというのは、そのファンドが実際に運用であげた
パフォーマンスですので、1年間のファンドの収益が1000円だった
として、それを2000円儲かったと実際より儲かっているように
見せかけることはできません。

 

一方で、分配金利回りの場合はファンドの実態以上に儲かっている
ように見せかけることができます。

 

分配金の金額はファンドの利回りが高い低いに関係なく、ファンドを
運用している会社が決定しますので、もし基準価額が10,000円のときに、
毎月の分配金を200円にしようと会社が決めてしまえば、年間2400円の
分配金を受け取ることができます。

 

そうすれば、分配金利回りは24%ということになるわけです。
毎月300円にしていたら、分配金利回りは36%ということですね。

 

そうすると、結局何が問題になるのか改めて考えてみます。

 

例えば、毎月分配型のファンドAが2018年1月1日時点で基準価額
10,000円だったとします。ファンドの利回りが10%であれば、1年間で
ファンドAは1000円分の運用益を出せたことを意味します。

 

一方で、分配金利回りが20%となっていると、年間で2000円分の
分配金を投資家に配当することになります。

 

当然、1年間のファンドの収益は1000円しかありませんから、普通で
あれば2000円を出すことができません。

 

でもあなたは2000円分の分配金を受け取っています。

 

これはなぜなのか。これは結局のところ、あなたが投資した元本から
1000円が支払われて帳尻を合わせているのです。

 

もし分配金利回りが30%だった場合は、1年間で30%の分配金を受け取る
ことができますが、ファンドの収益は1000円ですので、2000円分が
足りません。

 

この2000円分はあなたが投資した元本から支払われることになります。

 

分配金利回りが高い=毎月受け取る分配金が多いと儲かった気に
なってしまいますが、ファンドの収益で賄えなかった分の分配金は
あなたが投資した元本から支払われているだけなので、まったく
儲かっているとは言えません。(投資したお金が戻ってきているだけ)

 

少し複雑な仕組みになっているので、なかなか理解できていない人が
いますが、分配金利回りというのは、ファンドが実際に稼ぎだした
収益とは全く関係ないものだということをこの際しっかり頭に叩き
込んでおいてください。

 

まとめ

結局のところ、毎月受け取る分配金の金額がいくらであろうが、
あなたが投資をしているファンドがちゃんと運用でプラスの収益を
出せなければ、あなたは投資で儲かりません。

 

いくら毎月高い分配金を受け取っていたとしても、それはファンドの
運用がうまくいって儲かっているわけではなく、自分が投資した元本が
毎月、分配金という形で戻ってきているだけなのです。

 

分配金利回りの高いファンドに投資資金が流入する傾向がありますが、
分配金利回りだけを見てファンドを選定しているような人は確実に
今後も騙され続けるでしょう。

 

何度も言いますが、分配金利回りがいくら高くても、ファンドの利回りが
しっかりプラスでないとあなたは実際に儲かりません。

 

くれぐれも安易に分配金利回りが高いファンドに投資をしないようにしてください。

 

 

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