未だに多くの投資家から人気のあるバランス型ファンド。

 

特に、ファンドマネジャーが機動的にアセットアロケー
ションを変更すると謳っているバランス型ファンドという
のが人気です。

 

その中でも人気の高いファンドがグローバル・アロケー
ション・オープンです。

 

機動的なアセットアロケーションの変更は言うほど簡単
ではありませんが、コロナショックをうまく切り抜け
られたのでしょうか?

 

グローバル・アロケーション・オープンは、年1回決算と
年4回決算、為替ヘッジなしと限定為替ヘッの組み合わせで
AコースからDコースまで4コースが設定されています。

 

今回は、その中でも一番純資産総額の大きいBコースを
独自目線で、徹底分析していきます。他のコースを検討
している方も参考になるように書いていますので、ぜひ
参考にしてください。

 

 

グローバル・アロケーション・オープン Bコース(年4回決算・為替ヘッジなし)の基本情報

投資対象は?

グローバル・アロケーション・オープン Bコースの投資対象
は世界の株式及び債券です。

 

相場の環境に合わせて、株式の比率と債券の比率を調整して
いきます。また場合によってはコモディティやキャッシュの
保有比率を高めることもあります。

 

現在の組入比率は以下のようになっており、株式が約60%、
債券が約30%、キャッシュ・その他が約10%となっています。

 

キャッシュの比率が10%程度あるのはリスクを下げているのと、
待機資金として次の投資機会を逃さないための戦略だと考えられます。

 


※引用:交付目論見書

 

グローバル・アロケーション・オープン Bコースの株式の
構成比率を見てみると、北米が約60%、次いで日本、欧州
と続きます。

 


※引用:マンスリーレポート

 

債券の構成比率は約9割が北米となっています。そのうちの
ほとんどが国債・政府機関債で、一部社債が組み入れられ
ています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。

 

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を
運用する際に効率よく運用できますし、ファンドの運用で
必ず発生する保管費用や監査費用が相対的に低くなります
ので、コストが相対的に低く抑えられます。

 

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

グローバル・アロケーション・オープン Bコースは、2015年
ごろまでは1500億円を越える規模でしたが、毎年資金が流出
しており、現在では800億円程度となっています。規模として
はまったく問題ありません。

 


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?

 

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

 

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コスト
がかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

グローバル・アロケーション・オープン Bコースの実質コスト
は2.06%とかなり割高になっています。

 

ただでさえ、バランス型ファンドなので利回りが低くなりがち
な中で、2%超のコストが毎年かかるのはあり得ません。

 

購入時手数料もしっかり3%かかりますので、購入した初年度は
ほぼマイナスが確定するようなものです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 2.068%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 2.06%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

グローバル・アロケーション・オープン Bコース(年4回決算・為替ヘッジなし)の評価分析

基準価額の推移は?

グローバル・アロケーション・オープン Bコースの基準価額は
10,000円前後を推移しながら、2020年には11000近辺まで
上昇していました。

 

しかしコロナショックの影響で一時期20%近い下落を経験し、
直近では10%下落程度にまで戻してきています。

 

チャートの形からして、機動的なアセットアロケーションの
変更ができたとは思えない結果です。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

グローバル・アロケーション・オープン Bコースの直近1年間
の利回りは▲6.76%となっています。

 

3年、5年平均利回りで見ても、▲1%程度のマイナスとなって
おり、今回のコロナショックの影響はかなり大きかったこと
がわかります。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲6.76% 42%
3年 ▲1.13% 65%
5年 ▲1.58% 78%
10年

※2020年4月時点

 

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、グローバル・
アロケーション・オープン Bコースの基準価額のブレの大き
さを知るには役立ちます。

 

平常時の標準偏差は11~13程度なので、コロナショックが
起きる前後でそこまで変化はありません。

 

これは一時的に大きく下落しましたが、すぐに反発して
基準価額が戻ってきているからということですね。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 13.78 63%
3年 11.25 74%
5年 12.14 81%
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

グローバル・アロケーション・オープン Bコースの年別の
パフォーマンスを見てみましょう。

 

直近7年間で見ると、マイナスリターンで終わってしまって
いる年のほうが多いです。トータルで見るとプラスには
なっていはいますが、直近5~6年のトータルリターンは
ほぼゼロです。

 

機動的にアセットアロケーションを入れ替えることを推して
いましたが、10%以上のマイナスが頻度高く発生するよう
では、機動的に変更できているとは思えませんね。

年間利回り
2020年 ▲13.21%(1-3月)
2019年 +16.16%
2018年 ▲11.61%
2017年 +8.84%
2016年 ▲1.10%
2015年 ▲2.36%
2014年 +17.04%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

グローバル・アロケーション・オープン Bコースへの投資
を検討するのであれば、低コストのインデックスファンド
よりもパフォーマンスが優れているかは確認しておきましょう。

 

今回は、超低コストのバランス型ファンドとして人気のある
eMAXISSlimバランス(8資産均等型)と比較をしてみました。

 

結果は、グローバル・アロケーション・オープン Bコースの
惨敗です。終始、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の
ほうがパフォーマンスで上回っています。

 

これでは、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値
がありません。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

グローバル・アロケーション・オープン Bコースに投資を
する前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを
知っておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、
大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられる
からです。

 

それではグローバル・アロケーション・オープン Bコース
の最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2015年7月~2016年6月の1年間で20.56%と
なっています。バランス型ファンドでこの2015年後半から
20%下落したファンドというのは珍しいと思います。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまう
かもしれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れ
の可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲10.63%
3カ月 ▲13.21%
6カ月 ▲16.00%
12カ月 ▲20.56%

※2020年4月時点

 

分配金の内訳と余力は?

つづいて、グローバル・アロケーション・オープン Bコース
の分配金の状況を確認しておきましょう。

 

年4回の分配が行われることになっていますが、実際に
分配金が出たのは、2015、2017、2019年と1年おきに
なっています。

 

これは単純に基準価額が10000円を割り込んでいるため、
タコ足配当を出すよりかはファンドの収益を追求すること
を優先したのだと思われます。

 

分配金を期待して投資するファンドではないということ
ですね。

 

このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
分配金は受け取らないほうが投資の投資の効率はよくなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年 0円
2019年 200円
2018年 0円
2017年 250円
2016年 0円
2015年 1000円

評判はどう?

それでは、グローバル・アロケーション・オープン Bコース
の評判はどうでしょうか?

 

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。

 

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。

 

グローバル・アロケーション・オープン Bコースは2017年以降、
毎月資金の流出が続いています。

 

バランス型ファンドの中でもパフォーマンスが優れない点や
毎月分配型である点が投資家から敬遠され始めている理由だ
と考えられますね。

 


※引用:モーニングスター

グローバル・アロケーション・オープン Bコース(年4回決算・為替ヘッジなし)の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

そもそもバランスファンドを、私は投資対象としておすすめは
していません。

バランス型ファンドの本当のデメリット。なぜ私はおすすめしないのか

 

また今回の場合、超低コストのインデックスファンドに
パフォーマンスで負けてしまっており、高いコストを支払
ってアセットアロケーションを機動的に変更してもらう
メリットが見出せません。

 

分配金目当てで投資をしている人は多くないと思いますが、
基準価額の上昇もそこまで見込めないことから、分配金を
あてにして投資をしていても、なかなかでない可能性が
あります。

 

以上のことから、あえて投資をするようなファンドではない
と思います。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点