リーマンショック以前には3000億円規模の巨大ファンド
だった三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(毎月決算
型)『愛称:花こよみ』。

 

債券=リスクが低いというイメージがありますので、世界
の債券に分散投資をするならリスクがさらに低いだろうと
いうことで多くの投資家が投資をしています。

 

ただ、債券を保有するのと、債券ファンドを保有するのでは
大きく意味が異なり、コスト的な観点で見ても、債券ファンド
はあまりメリットがありません。

 

今日は、三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)
について独自の目線で分析していきます。

 

 

三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)『花こよみ』の基本情報

投資対象は?

花こよみの投資対象は世界主要国の債券で、信用力が高く、
相対的に利回りが高い国の債券です。

 

信用力の高さというのは、元本返済や利払いが確実に行わ
れるかを測る指標ですが、これは格付会社の信用格付けが
参考になります。

 

以下は、ムーディーズの信用格付けです。一般的にBaa3以上
は投資適格債券と呼ばれており、元本返済や利払いの返済が
滞る可能性が低いとみなされます。

 

ですので、債券ファンドの場合は、まず格付が投資適格の
債券なのかを確認してください。

 


※引用:交付目論見書

 

花こよみの組入状況を見てみると、アメリカ国債とシンガ
ポール国債でほぼ90%を占めています。

 

格付はAAAとなっているのでデフォルトの心配はしなくて
もよいでしょう。

 

グローバル債券と言っていますが、実態はアメリカとシンガ
ポールの国債を組入れたファンドということですね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。

 

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を
運用する際に効率よく運用できますし、ファンドの運用で
必ず発生する保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、
コストが相対的に低く抑えられます。

 

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資
信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることも
ありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

花こよみはリーマンショック以前には3000億円程度の規模が
ありましたが、現在では、1100億円程度となっています。

 

減少したとはいえ、いまだ1000億円以上の規模があります
ので、規模のデメリットはないですね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかって
いることをご存知ですか?

 

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

 

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コスト
がかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

花こよみの実質コストは1.24%となっており、債券ファンド
の場合はただでさえリターンが小さいので、このコストが
かかると運用益に大きな影響を与えます。

 

また、購入時の手数料がかかってしまうのも評価減ですね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.21%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.24%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)『花こよみ』の評価分析

基準価額の推移は?

花こよみの基準価額は3年間で6000円近辺を推移しています。

 

分配金を受け取らずに運用を続けた場合の基準価額(青線)は
10%以上上昇していることからも、分配金の一部が元本から
支払われているということですね。

 

ただ、コロナショックの影響をほぼ受けないどこから、逆に
プラスのリターンを出している点はとても評価できます。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

花こよみの直近1年間の利回りは+6.92%となっています。
同カテゴリーの中でも上位1%にランクインしています。

 

中長期のパフォーマンスでも常に上位2%に入っており
とても優れたパフォーマンスを残せています。

 

コロナショックでは債券価格も下落したにもかからず、
ここまで大きくプラスを出しているのは、ポートフォリオ
の組み替えが功を奏した証拠です。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解
していますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +6.92% 1%
3年 +3.83% 2%
5年 +1.02% 2%
10年 +5.10% 2%

※2020年4月時点

 

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、花こよみ
の基準価額のブレの大きさを知るには役立ちます。

 

直近の標準偏差はかなり小さくなっていますが、中長期
で見ると、7~8程度になっています。

 

注目すべきはコロナショックがあったにもかかわらず、
標準偏差は平常時と全く変わらない水準を維持しています。

 

つまりコロナショック級の大暴落が来たとしても、十分に
耐えられる運用ができているということです。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 2.83 44%
3年 5.13 56%
5年 7.01 62%
10年 10.16 84%

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

花こよみの年別のパフォーマンスを見てみましょう。

 

直近5年間で見ると、マイナスリターンで終わってしまって
いる年も多く、2014年以外はパッとした成果を残せていない
ことがわかります。

 

ただ、2020年の運用に関しては、素晴らしい成果を残して
いますね。

年間利回り
2020年 +4.33%(1-3月)
2019年 +5.05%
2018年 ▲2.40%
2017年 +6.27%
2016年 ▲2.23%
2015年 ▲7.61%
2014年 +16.10%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

花こよみへの投資を検討する上で、類似ファンドとの
パフォーマンス比較をしてみましょう。

 

今回は、グローバル債券の代表的な指数であるFTSE世界
国債インデックスをベンチマークとするSMT グローバル
債券インデックスと比較をしています。

 

結果はSMTグローバル債券インデックスが大半の期間では
優れていたのですが、直近のコロナショックで逆転して
います。

 

ポートフォリオを適切に組み替えることで、ピンチをチャンス
にした運用は素晴らしいですね。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

花こよみに投資をする前に、最大でどの程度下落する
可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それでは花こよみの最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2008年8月~2009年1月の半年間で33.53%でした。
債券ファンドでも30%超の下落を記録することがあると言う点は
忘れてはいけません。

 

コロナショックもリーマンショック級と言われていますが、
今の時点ではリーマンショックのほうがはるかに影響が
遭ったと言えます。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲17.14%
3カ月 ▲28.91%
6カ月 ▲33.53%
12カ月 ▲30.31%

※2020年4月時点

 

分配金の内訳と余力は?

毎月分配型のファンドに投資をするのであれば、分配金が
ちゃんとファンドの収益で賄われているのか確認して
おいて損はありません。

 

花こよみは2015年には毎75円の分配金がありましたが、
毎年10~15円の分配金の切り下げが行われており、直近
では毎月15円にまで減額されています。

 

分配金の6割以上が当期の収益以外から出ていますので、
実質6割部分はあなたの投資元本から支払われていると
いうことです。完全なタコ足配当ですね。

 

分配金余力も12カ月程度しかありませんので、再度減配
がおきてもおかしくないですね。

 

このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
190期 15円 9円 209円
191期 15円 8円 201円
192期 15円 7円 194円
193期 15円 5円 190円
194期 15円 4円 185円
195期 15円 3円 182円

評判はどう?

それでは、花こよみの評判はどうでしょうか?

 

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。

 

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。

 

花こよみは2017年以降、毎月資金の流出が続いています。毎年減配が
続いていますので当然の結果と言えば、当然の結果ですね。

 


※引用:モーニングスター

 

三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)『花こよみ』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

米国債やシンガポール国債は他の先進国の債券と比べても
非常に魅力的であるため、世界中の債券に分散投資をする
よりもパフォーマンスが高くなっています。

 

直近のコロナショック前後の運用は明らかにインデックスを
アウトパフォームしており、高評価できます。

 

ただし、分配金の多くはタコ足配当になっており、決して
おすすめできるようなファンドにはなっていません。

 

もし債券に投資をするのであれば、直接債券を購入したほう
がよほど安定的にリターンを得ることができるでしょう。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点