利回りの計算というのは、非常に重要なのですが、案外この部分
について、詳しく調べないまま放置している人が多いように
感じます。
ここで1つ質問をしてみたいと思います。
あなたは投資信託の「実質利回り」の計算できますか?
ここでいう実質利回りとは、あなたが投資した元本に対して、
最終的にあなたの手元に入ってきた収益の割合です。
なんとなくわかっているという方も多いと思いますが、
自信をもって答えられる人はかなり限られると思います。
自信をもって答えられた人はこの先を読まなくて結構です。
そこまで細かく計算方法を知らなくても良いという人も
いるとは思いますが、投資においてはこういった細かい部分を
しっかり突き詰めていく作業というのがのちのち役立ちます。
投資信託に限らず他のありとあらゆる投資の場面で使える
知識ですので、今日ここでマスターするようにしてください。
投資信託の一般的な利回りの計算方法
まずは、一般的な利回りの計算方法を整理しておきましょう。
一般的に皆さんが月報や運用報告書、その他のHPなどで
よく目にする投資信託の利回りと言うと、投資した元本に
対して、どれだけ収益を得ることができたのかを表します。
計算方法もこれといった決まりはないのですが、通常であれば
利回り=(ファンドの収益-信託報酬(実質))÷投資元本×100で、
表すことができます。
ちなみに複数年の利回りを計算する場合は、複利計算されます。
不動産投資もそうなのですが、このように何の問題もない
ように見える利回りの計算方法には、実は問題があります。
気づかなかった人は次へ進んでくださいね。
投資信託の実質利回りの計算方法
さて、では何が問題なのでしょうか。
それは、販売手数料や税金のコストが計算に含まれていない
ということです。
あなたが実際に受け取れる金額というのは、上記のコスト分も
差し引いた金額になるわけですから、一番正確に計算をするので
あれば、こういったコストも加味する必要があります。
では具体例で見てみましょう。
例:投資元本100万円、運用期間1年、信託報酬(実質)1%/年
購入時手数料3%、所得税率20%
ここで、1年間で5%の運用益の出るファンドに投資をしたとすると、
あなたの手元に入ってくる最終的なリターンは以下になります。
100万円×(100-3%)×(5%-1%)×80%=3.104万円
一般的な利回りで計算したときは100万円投資すれば、4万円が
手元に入ってくるリターンのように思ってしまいますが、
実際はかなり少なくなってしまいます。
購入時手数料が仮にゼロの投資信託の場合はどうなるかというと、
100万円×(5%-1%)×80%=3.2万円
となってしまいます。
通常、証券会社の営業マンや銀行の窓口販売員があなたに
話をするときの利回りというのは、(5%-1%)=4%で計算
されます。
ただ、実際にあなたの手元に残る利益は3.2%しかありま
せん。
この差は、老後のライフシミュレーションをする際に
大きく影響するので、よく注意しておいてほしいと
思います。
少なくとも、営業担当者は数字を良く見せることで
買ってもらうことが仕事ですので、気づかなかった人は
それまでです。
決して落とし穴にはまらないよう注意してくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今日、具体的に出した利回りは
かなり実態に近い数値でシュミレーションをしています。
一般的な利回りだけで計算するのがいかに危ないかわかって
いただけたのではないでしょうか。
投資の世界において、数値をしっかり計算できることは
かなりのアドバンテージになりますし、騙されないためにも
把握できなければいけないスキルです。
ぜひこれを機会に利回りの計算方法をマスターしましょう。
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点