国内の中長期債券に投資するファンドの中でも純資産総額が大きい
ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)。

 

一般的に純資産総額が多いファンドは投資価値のある良いファンドと
見られます。

 

しかしこのファンドは「AAAの日本国債に投資」・「毎月分配型」と
いう2大セールストークで資金が集まってしまい、実態とは少し
かけ離れた人気を集めているように感じます。

 

今回は日本国債ファンド(毎月分配型)について徹底分析したいと思います。

 

 

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の主な投資対象は日本国債です。

 

残存期間の異なる債券の利息収入を幅広く確保することをめざします。
ラダー型運用を行うので、基本的には購入した債券を満期まで保有し、
償還された資金で再度長期国債を買い入れるという運用を行います。

 

これにより、リスク分散が行えますので、急激な金利変動でも基準価額
のブレが小さくてすみます。

 

※引用:交付目論見書

 

直近の組入比率は以下の通りです。償還期間の異なる20年、30年国債に
分散投資をしていることがわかりますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

純資産総額は投資信託を見極める際に大切なポイントとなります。

 

純資産総額が多い方が、ファンドマネージャーが資金を投資する際に
有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、
優れた投資信託と判断されます。

 

また純資産総額が減少しているファンドは、解約が増えているという
ことです。

 

さらに投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

それでは、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)はどうでしょうか?

 

2010年頃から急増し2016年の初めには4500億円に達しました。しかし、
その後2016年1月の日銀のマイナス金利導入を受け、純資産総額も減少。
現在は2000億円程度と全盛期の半分以下の値になっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっている
ことをご存知ですか?これを実質コストと言います。

 

実質コストには、株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが
含まれています。信託報酬より実質コストがかなり高くなっている場合
もあるので、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の実質コストは、0.192%と
なっています。

 

このファンドは新発10年国債の利回りに合わせ信託報酬が変動するよう
になっており、新発債の利回りが1%未満だったため、信託報酬が一番
低く設定されています。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 1.08%(税込)※上限
信託報酬 0.756%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.192%(概算値)

※引用:運用報告書(決算日2019年3月11日)

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額の推移は?

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の基準価額は2016年以降
徐々に下落しています。

 

分配金を受け取らずに運用した場合の分配金再投資基準価額(青)
が3年間ほぼ横一直線なので、そもそも運用がうまく行っていない
ことがわかります。

 

そして基準価額との差が開いてきているので、少し無理をして
分配金を出していることがわかります。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ここでダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の利回りを見てみましょう。

 

国内債券に投資してますので利回りをあまり期待してはいけませんが、
1%前後の利回りは期待できそうです。ただ、同カテゴリー内では、
下位20%程度の利回りでしかありません。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 1.26% 87%
3年 ▲0.23% 50%
5年 1.07% 82%
10年 1.54% 92%

※2019年7月時点

 

標準偏差は?

標準偏差とは価格のブレです、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)は
国債に投資しているだけでなく、ラダー型の運用をしていますので、
他の資産に比べ上下ともにブレは少ないです。

 

さらに同カテゴリー何のランキングでも20%以内に収まっているので、
大きなリスクがあるファンドではないことがわかります。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 0.99 15%
3年 1.04 16%
5年 1.27 16%
10年 1.48 10%

※2019年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

次にダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の年別のパフォーマンス
を確認しましょう。

 

2014年は3.31%と国内債券に投資するファンドにしてはリターンが
出ましたが、その他は0.3%〜1.5%程度です。

年間利回り
2019年 1.05%(1-6月)
2018年 0.36%
2017年 ▲0.09%
2016年 1.47%
2015年 0.62%
2014年 3.31%

※2019年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ここで国内債券インデックス型のファンドとパフォーマンスの比較を
してみましょう。

 

黄色の線がダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)、赤の線がニッセイ
国内債券インデックスファンドです。

 

大きく下落する前のタイミングだったので、ラダー型の運用をしている
ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)のほうが下落を抑えた運用が
できていることがわかります。

 

ただ、パフォーマンスという点では、ニッセイ 国内債券インデックス
ファンドのほうが優れていますね。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2008年3月から5月の▲2.39%です。他資産に投資する
ファンドよりは下落率は小さく安心感があるように見受けられます。

 

しかし定期預金などに貯金をすればマイナスになることはないので、
格付けの良い国債に投資してもご自身の資産がマイナスになることが
あるということをご理解ください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲2.11%
3カ月 ▲2.39%
6カ月 ▲1.98%
12カ月 ▲2.30%

※2019年7月時点

 

分配金は?

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の分配金は、近年20円で
推移しています。

 

基準価額の減少具合からいって、タコ足分配だということがわかります。
故にこの分配金の一部はあなたが投資した元本ということになります。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
146期 20円 5円 1,047円
147期 20円 3円 1,044円
148期 20円 5円 1,038円
149期 20円 5円 1,034円
150期 20円 3円 1,030円
151期 20円 7円 1,023円

※引用:2019年7月時点

 

評判はどう?

それでは、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の評価はどう
でしょうか?

 

資金の流出入を見れば、投資信託の評判がわかります。解約が増えて
いるということは、この投資信託の魅力が減っているということです。

 

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)も2016年の2月以降資金流出
超過の月が続いています。

 

国内債券ファンドであれば、他にもう少しパフォーマンスの優れた
ファンドがあるのでやはりそちらに投資をしたほうが賢明ですね。

 


※引用:モーニングスター

 

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の今後の見通し

ラダー型の運用を行っているからというのもありますが、インデックス
ファンドよりパフォーマンスが優れず、分配金もタコ足分配になっている
状況で、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)に投資する理由が
見つかりません。

 

ただでさえ利回りが低いので、分配金を払う意味が私には未だによ
くわからないですね。

 

証券会社や銀行の販売員に「定期預金に置いておくくらいなら」と
言われてこのファンドに資産を移した方もいると思いますが、
毎月もらっている分配金はご自身の投資資金の一部であり、
基準価額がこのように下がっているのであれば、AAAの最高格付け
の意味もありません。

 

そのことを踏まえてもう一度このファンドに投資すべきかを考えて
みてはいかがでしょうか。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点