国内の中長期債券に投資するファンドの中でも純資産総額が大きい
ダイワアセットマネジメントのダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)。

一般的に純資産総額が多いファンドは投資価値のある良いファンドと
見られます。

しかしこのファンドは「AAAの日本国債に投資」・「毎月分配型」と
いう2大セールストークで資金が集まってしまい、実態とは少し
かけ離れた人気を集めているように感じます。

「ダイワ 日本国債ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「ダイワ 日本国債ファンドって投資対象としてどうなの?」

「ダイワ 日本国債ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。

今回は日本国債ファンド(毎月分配型)について独自の目線で
徹底分析したいと思います。


ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の主な投資対象は日本国債です。

残存期間の異なる債券の利息収入を幅広く確保することをめざします。

ラダー型運用を行うので、基本的には購入した債券を満期まで保有し、
償還された資金で再度長期国債を買い入れるという運用を行います。

これにより、リスク分散が行えますので、急激な金利変動でも基準価額
のブレが小さくてすみます。

※引用:交付目論見書

実際の組入状況を見てみると、以下のように、償還期間の
異なる債券がほぼ均等に分散投資をしていることがわかりますね。

最終利回りが0%となっているので、普通に持っている限りは
プラスが出ない債券を購入していることになります。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年9月時点

純資産総額は?

純資産総額は投資信託を見極める際に大切なポイントとなります。

純資産総額が多い方が、ファンドマネージャーが資金を投資する際に
有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、
優れた投資信託と判断されます。

また純資産総額が減少しているファンドは、解約が増えているという
ことです。

さらに投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

それでは、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)はどうでしょうか?

2010年頃から急増し2016年の初めには4500億円に達しました。

しかし、その後2016年1月の日銀のマイナス金利導入を受け、
純資産総額も減少。

現在は1450億円程度と全盛期の半分以下の値になっています。

ファンドの規模としては全く問題ない水準です。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっている
ことをご存知ですか?これを実質コストと言います。

実質コストには、株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが
含まれています。信託報酬より実質コストがかなり高くなっている場合
もあるので、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の信託報酬は0.77%以内に
設定されており、実質コストは、0.198%となっています。

なぜ実質コストがこんなに下がっているのか。

それはダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)は新発10年国債の利回りに
合わせ信託報酬が変動するようになっています。

今回は、新発債の利回りが1%未満だったため、信託報酬が一番低くなった
というわけです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 1.1%(税込)※上限
信託報酬 0.77%(税込)以内
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.198%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)は3年間で約8%ほど
下落しています。

分配金を受け取らずに運用した場合の分配金再投資基準価額(青)
が3年間ほぼ横一直線なので、運用益はほぼ出ていないことが
わかります。

そして基準価額との差が開いてきているので、少し無理をして
分配金を出していますね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ここでダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の利回りを見てみましょう。

国内債券に投資してますので利回りをあまり期待してはいけませんが、
1%いかない程度にはプラスのリターンが期待できそうです。

ただ、何度も繰り返しになりますが、もともと利回りが0%に近い債券
をわざわざ高い手数料を支払って買うメリットがどの程度あるのか私には
はなはだ疑問です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +0.34%
3年 +0.19%
5年 ▲0.12%
10年 +0.95%

※2021年9月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリー内でも、
優れたファンドに投資をするべきです。

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)は国内債券カテゴリー
の中でも中長期債に属しています。

このカテゴリー内でのランキングを確認すると、平均以下の
水準となっています。

投資をするにしても、もっと利回りの高い債券ファンドが
あるということなので、入れ替えを検討するべきでしょう。

上位●%
1年 63%
3年 89%
5年 57%
10年 90%

※2021年9月時点

年別のパフォーマンスは?

次にダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の年別のパフォーマンス
を確認しましょう。

2014年は3.31%と国内債券に投資するファンドにしてはリターンが
出ましたが、それ以外は0.3%〜1.5%程度です。

ただでさえ、利率の低下が見込めない中で、今からさらに安定した
利回りが得られるかはかなり厳しい結果になると思います。

年間利回り
2021年 ▲0.11%(1-6月)
2020年 ▲0.36%
2019年 +0.13%
2018年 +0.36%
2017年 ▲0.09%
2016年 +1.47%
2015年 +0.62%
2014年 +3.31%

※2021年9月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドへの投資を検討するのであれば、より低コストの
インデックスファンドとのパフォーマス比較は事前にしておくべきです。

今回は、国内の代表的な指数であるNOMURA-BPI総合に連動する
ニッセイ 国内債券インデックスファンドと比較をしました。


※引用:モーニングスター

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)が終始、ニッセイ国内債券
インデックスファンドに劣っていることがわかります。

これではあえて高いコストを支払ってまで投資をするメリットは
ありません。

そもそもとして、この程度の利回りを求めることにどの程度の意味が
あるのか疑問ですね。

ダイワ日本国債 ニッセイ国内債券
1年 +0.34% +0.38%
3年 +0.19% +0.55%
5年 ▲0.12% ▲0.04%
10年 +0.95%

※2021年9月時点

最大下落率は?

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は2008年3月から5月の▲2.39%です。他資産に投資する
ファンドよりは下落率は小さく安心感があるように見受けられます。

しかし定期預金などに貯金をすればマイナスになることはないので、
格付けの良い国債に投資してもご自身の資産がマイナスになることが
あるということをご理解ください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲2.11%
3カ月 ▲2.39%
6カ月 ▲1.98%
12カ月 ▲2.30%

※2021年9月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲249円 240円 ▲3.75%

※2019/10/17~2020/10/16

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の直近1年間の
分配健全度は▲3.75%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

つまり、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の場合、
ファンドの収益からの支払いが一切ないということです。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の分配金利回りは
健全な水準ですが、ファンドの運用利回りは1%を下回って
いるため、あなたの受け取っている分配金の大半は元本が
戻ってきているだけに過ぎないということです。

運用利回り 分配利回り
1年 +0.34% 2.7%
3年 +0.19%
5年 ▲0.12%
10年 +0.95%

※2021年9月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の分配金余力は、
まだ40カ月以上ありますので、減配の心配はないと言えます。

分配金 繰越対象額 分配金余力
165期 20円 950円 48.5カ月
166期 20円 944円 48.2カ月
167期 20円 938円 47.9カ月
168期 20円 931円 47.5カ月
169期 20円 925円 47.3カ月
170期 20円 918円 46.9カ月
171期 20円 912円 46.6カ月
172期 20円 905円 46.3カ月
173期 20円 898円 45.9カ月
174期 20円 892円 45.6カ月
175期 20円 884円 45.2カ月
176期 20円 875円 44.7カ月

※引用:最新運用報告書

評判はどう?

それでは、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の評価はどう
でしょうか?

資金の流出入を見れば、投資信託の評判がわかります。解約が増えて
いるということは、この投資信託の魅力が減っているということです。

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)も2016年の2月以降資金流出
超過の月が続いています。

国内債券ファンドであれば、他にもう少しパフォーマンスの優れた
ファンドがあるのでやはりそちらに投資をしたほうが賢明ですね。


※引用:モーニングスター

ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)の評価まとめと今後の見通し

ラダー型の運用を行っているからというのもありますが、インデックス
ファンドよりパフォーマンスが優れず、分配金もタコ足分配になっている
状況で、ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型)に投資する理由が
見つかりません。

ただでさえ利回りが低いのに、分配金を払う意味が私には未だに
よくわからないですね。

証券会社や銀行の販売員に「定期預金に置いておくくらいなら」と
言われてこのファンドに資産を移した方もいると思いますが、
毎月もらっている分配金はご自身の投資資金の一部であり、
基準価額がこのように下がっているのであれば、AAAの最高格付け
の意味もありません。

少なくともニッセイ 国内債券インデックスファンドのような
商品に乗り換えるべきです。

もう少し上級者向けの投資も検討したい人は、大手企業の劣後債
など、直接購入できる債券も色々ありますので、あえて手数料が
取られる債券ファンドを選択する必要はありません。

ネット証券からであれば、気軽に債券を調べることもできますので、
新しい投資に挑戦してみてください。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点