高齢化社会にとって、必ずニーズのある医薬品。

 

その医薬品の開発に比重を置いて投資を行っているのが
メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』です。

 

設定当初は、非常に期待されており、大きな資金が流入
していましたが、2015年にパフォーマンスが大きく悪化
して以来、注目を集めなくなっていました。

 

今日はメディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』
について徹底分析していきます。

 

現在、保有している人や購入を検討している人は参考に
してください。

 

 

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の基本情報

投資対象は?

投資対象は、成長性の高い世界のメディカル・サイエンス
企業の株式です。

 

メディカルサイエンス企業というのは、バイオテクノロジー、
医薬品、医療機器、ヘルスケアサービス等に関連する企業
を指します。

 

国別の構成比でみると、アメリカが70%超となっている特徴
のひとつです。

 


※引用:マンスリーレポート

 

現在は、約90銘柄で構成されており、業種ごとの組入比率は
以下のようになっています。医薬品関連企業が一番比率が高く
なっており、次いでバイオテクノロジー、医療機器と続きます。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべきポ
イントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』は、
現在370億円弱となっています。規模としては問題ありませんね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

毎年必ず、発生するコストですので、低いに越したことはありません。
メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の実質コストは
2.03%とかなり高くなっています。

 

初年度は、購入時手数料と併せて5%を超えてきますので、
相当良いファンド出ない限りはおすすめできません。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.98%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 2.03%(概算値)

※引用: 最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の評価分析

基準価額をどう見る?

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の基準
価額は現在、9500円程度となっています。

 

分配金を受け取らずに運用をした場合の基準価額(青線)は
3年間で10%ほどの伸びとなっています。

 

株式ファンドなので、コロナショックの影響で、直近の
高値から30%ほど下落してしまっていますね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の直近
1年間の利回りは▲8%となっています。

 

3年平均利回りはプラスですが、5年平均利回りもマイナス
ということで、なんともいまいちなパフォーマンスです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲7.92% 32%
3年 +3.63% 24%
5年 ▲1.53% 57%
10年

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

 

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、メディカル・
サイエンス・ファンド『医療の未来』の基準価額の変動幅
の大きさを知るには役立ちます。

 

標準偏差は17~20程度なので、国内小型株式と同じくらい
基準価額の変動ということがわかります。コロナショック
で変動幅が大きくなるかと思いましたが、ほとんど影響は
ありませんでした。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じで
しょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 18.36 13%
3年 17.04 32%
5年 20.17 59%
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の年別の
パフォーマンスを見てみましょう。

 

2017年、2019年は2桁のプラスを出していますが、その前後
の年で2桁のマイナスを出してしまっており、総じて、そこ
までプラスになっていません。

年間利回り
2020年 ▲15.71%(1-3月)
2019年 +25.09%
2018年 ▲3.61%
2017年 +17.40%
2016年 ▲17.09%
2015年 +5.45%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』への
投資を検討するのであれば、低コストのインデックスファ
ンドよりもパフォーマンスが優れているかは確認しておき
ましょう。

 

医療系のファンドではありませんが、アメリカ株式の比率が
近い超低コストのeMAXIS Slim 先進国株式インデックス
比較をしてみました。

 

直近の3年間はかなり互角のパフォーマンスとなっており、
コロナショックで形成が逆転しました。

 

医療系の銘柄はコロナウイルスの開発等で期待されている
こともあり、下落幅が相対的に低かったということです。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』に投資を
する前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っ
ておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではメディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』
の最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2015年7月~2016年6月の1年間で30.53%となっ
ています。コロナショックよりも2015年のほうが下落の
インパクトは大きかったようです。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲15.50%
3カ月 ▲21.05%
6カ月 ▲27.95%
12カ月 ▲30.53%

※2020年4月時点

 

評判はどう?

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の評判は
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを
解約している人が多いということなので、評判が悪いということです。

 

直近数カ月は資金流入していますが、2016年以降はほぼ毎月資金
流出しているような状況ですので、評判が良いとは言えませんね。

 


※引用:モーニングスター

 

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の今後の見通し

このブログでは何度か話をしていますが、投資対象として
バイオ系のファンドはおすすめしていません。

 

メディカル・サイエンス・ファンド『医療の未来』の構成銘柄の
大部分は医薬品の開発メーカーが占めていますが、医薬品の開発は
一発当たれば大きく株価が上昇するものの、最後の最後まで成功
するかは誰にも予想ができません。

 

臨床試験で、万が一予測不可能な副作用が見つかってしまったら、
何年もかけてきた研究が水の泡となります。

 

人の努力でどうにかなる問題であればよいのですが、努力でどうに
かなる問題でもありません。

 

社会貢献という意味では非常に価値あるテーマですが、投資テーマ
としては、コントロールできない要因に左右されすぎるテーマだと
感じています。

 

このようなバイオ系のファンドに投資をするくらいであれば、
無難にインデックスファンドに投資をしたほうが着実にあなたの
資産は増えるでしょう。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点