アクティブファンド分析 投資信託

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの評価や評判は?利回りはどう?

日本株の指数といえば、TOPIXや日経平均が有名です。しかし、実はそれ以外にも多くの指数が存在しており、JPX日経インデックス400もその1つです。

今日は、このJPX日経インデックス400をベンチマークとして、アクティブ運用されているニッセイアセットマネジメントのニッセイ JPX日経400アクティブファンドを徹底分析していきます。

「ニッセイ JPX日経400アクティブファンドって投資対象としてどうなの?」

「ニッセイ JPX日経400アクティブファンドって持ってて大丈夫なの?」

「ニッセイ JPX日経400アクティブファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの基本情報

JPX日経インデックス400とは?

まず、JPX日経インデックス400とは、株式会社JPX総研及び日本経済新聞社が算出している指数です。

東京証券取引所のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場の中から、時価総額、売買代金、ROEをもとに、銘柄が選定されています。

対象の銘柄数は原則400銘柄で、年に1回、8月に定期入れ替えが行われています。

投資対象は?

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの投資対象は、日本企業の株式です。ニッセイ JPX日経インデックス400をベンチマークとし、中長期的にベンチマークを上回る運用を目指します。

徹底した調査・分析を通じて、優れた経営効率と利益成長力を融資、株価の上昇が期待される銘柄に厳選投資していきます。

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの業種別の構成比率をいると、電気機器の比率が高くなっていますね。


※引用:マンスリーレポート

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの現在の組入銘柄数は37銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。

400銘柄ある中から、10分の1に絞り込んでいるのは興味深いです。ただ、銘柄自体はほとんど名前を聞いたことのある有名企業のみがランクインしています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

つづいて、ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの純資産総額は、現在約417億円です。

2018年までは毎年着実に純資産総額を増やしていましたが、パフォーマンスの悪化に伴い、資金が流出し続けています。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。

これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの実質コストは1.636%となっており、インデックスファンドと比べるとかなり割高です。何より購入時手数料が3.3%かかるのもいまいちです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.584%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.636%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの基準価額を見てみましょう。

分配金を受け取らずに運用したときの基準価額(青線)を見ると、2021年、2022年は伸び悩んでいましたが、2023年に日経平均が30,000円を突破したのと合わせて、大きく上昇しています。


※引用:ウエルスアドバイザー

利回りはどれくらい?

それでは、ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの運用実績を見ていきます。

直近1年間の利回りは30.52%となっています。3ん

ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。

平均利回り
1年 +30.52%
3年 +13.54%
5年 +7.71%
10年 -

※2023年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドは、国内大型グロースカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドは、どの期間においても、上位30%以内にランクインしており、かなり優秀です。

上位●%
1年 8%
3年 15%
5年 21%
10年 -

※2023年10月時点

年別のパフォーマンスは?

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの年別の利回りを見てみましょう。

年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。

プラスの年は2桁プラスが当たり前になっているため、マイナス分も十分吸収できています。

年間利回り
2023年 +22.45%(1-9月)
2022年 ▲9.31%
2021年 +12.99%
2020年 +23.39%
2019年 +16.05%
2018年 ▲17.78%
2017年 +30.68%
2016年 ▲5.40%

※2023年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。

パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。

そこで、今回は、ニッセイ JPX日経400アクティブファンドと日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。


※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間では、ほぼ互角のパフォーマンスとなっています。

5年平均利回りで見ても、ほぼ変わっていないことから、このパフォーマンス差であれば、どちらを選んでも同じと言えますね。ただ、コスト面から考えれば、低コストのインデックスファンドのほうが安心して投資ができます。

年平均利回り ニッセイ JPX日経400アクティブファンド ニッセイ日経 225
1年 +30.52% +25.03%
3年 +13.54% +13.02%
5年 +7.71% +7.56%
10年 - +9.99%

※2023年10月時点

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。

投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。

今回は、国内大型株カテゴリーで非常に人気の高いスパークス・新・国際優良株ファンド(厳選投資)とパフォーマンスを比較しました。


※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間では、ほぼ全期間において、ニッセイ JPX日経400アクティブファンドのほうがパフォーマンスで上回っています。

より長期のパフォーマンスでも同じ傾向です。ただ、インデックスファンドとほぼ互角の戦いをしている程度ですので、無理に高いコストを支払って投資をする必要はないですね。

年平均利回り ニッセイ JPX日経400アクティブファンド 厳選投資
1年 +30.52% +27.48%
3年 +13.54% +8.05%
5年 +7.71% +5.79%
10年 - +13.60%

※2023年10月時点

最大下落率は?

投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。

特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。

そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。

それでは、ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの最大下落率を調べてみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲13.12%
3カ月 ▲19.86%
6カ月 ▲15.67%
12カ月 ▲17.78%

※2023年10月時点

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの最大下落率は2018年10月~2018年12月で▲19.86%となっています。まだ運用期間がそこまで長くないため、大きな下落を経験してはいません。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。

資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。

それでは、ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの評判を見てみましょう。

2019年~2023年の前半までは毎月資金が流出しており、評判は悪くなる一方でしたが、直近で大きく資金が流入するようになっており、パフォーマンスの改善とともに人気が出てきています。


※引用:ウエルスアドバイザー

NISAとiDeCoの対応状況は?

投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドはNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。

NISA iDeCo
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※2023年10月時点

ニッセイ JPX日経400アクティブファンドの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インテックスファンドよりもパフォーマンスが上回っている必要があります。

その点、ニッセイ JPX日経400アクティブファンドはギリギリですが、ニッセイ日経225インデックスファンドに負けていませんので、及第点と言えるでしょう。

ただ、大きくアウトパフォームしているわけではないので、低コストのインデックスファンドを選択しておけば十分と言えます。

中長期でみれば、年5~6%のリターンは期待できますが、長期の運用ではコストの差が大きくパフォーマンスに影響を与えますので、そこまでこだわりがないのであれば、日経平均に連動するインデックスファンドに投資をしておけば十分です。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点

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  • この記事を書いた人

ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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