今や投資信託をある程度勉強したことがある人であれば、まず名前を知っているセゾン投信。

特に何かすごいことをやっているかというと決してそういうわけではないのですが、投資の王道である良いファンドを長期保有して着実にリターンを出しています。

セゾン投信といえば、セゾン 資産形成の達人ファンドとセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドが有名ですが、今回は、セゾン資産形成の達人ファンドについて独自目線で分析していきます。

「セゾン 資産形成の達人ファンドって投資対象としてどうなの?」

「セゾン 資産形成の達人ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「セゾン 資産形成の達人ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


セゾン 資産形成の達人ファンドの基本情報

投資対象は?

セゾン 資産形成の達人ファンドはファンズ・オブ・ファンズ方式を採用しており、投資信託証券を通じて、海外および日本の株式に幅広く投資をします。

投資先ファンドの選定条件は、各ファンドが企業分析をしっかり行っていること、長期的な視点で運用されていること、手数料が適正なこと、などがあります。

セゾン 資産形成の達人ファンドに組入られている運用会社は、運用のプロから見ても、しっかり企業調査をしている運用会社と言えますので、スパークスやアライアンス・バーンスタイン、バンガードのファンドやETFを直接買うのも面白いと思います。


※引用:マンスリーレポート

ちなみに組入ファンドの国別の構成比率を見ると以下のようになります。

MSCIコクサイの国別比率と比べてみると、北米比率が少なく、欧州、日本、新興国の比率が高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

セゾン投信って?

セゾン投信といえば、やはり代表の中野社長が有名ですね。数多くのセミナーで講演されており、直接お会いしたことがある方も多いのではないでしょうか。

つみたて王子と呼ばれたり、独立系のコモンズ、レオスと並んで、草食投資隊として全国で講演されています。

日本の多くの運用会社では、ファンドマネージャーが表に出てくることはなく、結局誰が運用しているのかわからないファンドが大半です。

サラリーマン体制の運用会社では、損失を出した時に、ファンドマネージャーが攻められないように守っているわけですね。

そんな覚悟のない人たちが多いのが運用会社の実態なわけですが、中野さんは積極的セミナーで講演されており、どのような考え方で運用を行っているのかも非常によくわかるので、多くの投資家が投資をするわけですね。

コロナショックのような下落相場で一番重要になってくるのは、資産が毎日減少していく中で、このまま保有していれば、きっと元の水準まで回復すると自信を持てるかです。

そういった精神的にも疲弊する状況で中野さんのような方が表に立ってセミナーをしたり、自分の考えを発信してくれるだけで投資家としては心の支えになります。あまり意識することはないと思いますが、実はとても重要なポイントです。

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができなかったり、ファンドの運用で必ず発生する運営コストが相対的に高くなるので、ファンドのパフォーマンスを悪化させる原因になります。

そのため、純資産総額も事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

セゾン 資産形成の達人ファンドは2007年以降、右肩上がりに成長を続けています。

基準価額も右肩上がりなので、その影響ももちろんあるわけですが、やはり積極的に社長自らが表に出て、話をしているというのも投資家の心をつかんでいると言えるでしょう。

純資産総額は1980億円程度ありますので、規模としては、全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

セゾン 資産形成の達人ファンドの実質コストは、1.35%とアクティブファンドの中では平均的な水準です。ただし超低コストのインデックスファンドが多数出てきているので、それらと比較するとかなり高いですね。

とはいえ、優れたパフォーマンスなので、これなら投資するに値します。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 なし
信託報酬 1.34±0.2%(税込)
信託財産留保額 0.1%
実質コスト 1.35%(概算値)

※引用:運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

セゾン 資産形成の達人ファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

セゾン 資産形成の達人ファンドの基準価額を見てみましょう。

2020年以降も順調に基準価額を伸ばしていましたが、2022年に入ってからは利上げやウクライナ問題で軟調な展開となっています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

続いて、セゾン 資産形成の達人ファンドの利回りを見ていきます。

直近1年間の利回りは▲4.07%となっています。3年、5年、10年平均利回りは8%を超える利回りで運用できているので、悪くないですね。

ただし、この時点ではまだ判断するのは時期尚早です。他のファンドとパフォーマンスを比較したうえで、投資判断するようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 4.07%
3年 +12.02%
5年 +8.65%
10年 +14.88%

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している先進国株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

セゾン 資産形成の達人ファンドは日本株を含むグローバル株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

セゾン 資産形成の達人ファンドは、5年平均までは平均的な順位になっていますが、10年平均利回りでは、かなり上位に常にランクインしています。

上位●%
1年 51%
3年 47%
5年 43%
10年 11%

※2022年10月時点

年別の運用利回りは?

セゾン 資産形成の達人ファンドの年別のパフォーマンスを見てみると、2018年、2022年はマイナスとなっていますが、トータルでみると十分プラスになっています。

大前提は長期積立投資ですので、この利回りで運用ができれば、まずまずの結果です。

年間利回り
2022年 ▲10.42%
2021年 +24.08%
2020年 +13.56%
2019年 +25.86%
2018年 ▲11.75%
2017年 +25.51%
2016年 +0.18%
2015年 +4.56%
2014年 +22.47%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとの利回り比較

セゾン 資産形成の達人ファンドへの投資を検討するのであれば、少なくとも低コストのインデックスファンドよりはパフォーマンスが優れていなければ投資する価値がありません。

今回は同じカテゴリーに属する、先進国株式ファンドの代表格のニッセイ 外国株式インデックスとパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

2021年までは、パフォーマンスでかなり拮抗していましたが、2022年に入ってからは
ニッセイ 外国株式インデックスファンドが大きくリードしています。

さらにもう少し長期でのパフォーマンスを比較してみましょう。

資産形成の達人 ニッセイ 外国株式
1年 ▲4.07% +5.27%
3年 +12.02% +16.59%
5年 +8.65% +11.65%
10年 +14.88%

※2022年10月時点

5年平均も、ニッセイ 外国株式インデックスファンドのほうがパフォーマンスで上回っています。

インデックスファンドに負けてしまうようであれば、あえて、高いコストを支払ってまで投資をするメリットは何もありません。

類似ファンドとの利回り比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、セゾン 資産形成の達人ファンドと同じように米国を中心に先進国株に分散投資をしている大和住銀 DC海外株式アクティブファンドと比較を行いました。


※引用:モーニングスター

こう比較をすると、大和住銀 DC海外株式アクティブファンドが圧倒的に優れていることがわかります。

セゾン 資産形成の達人ファンドも決して悪いファンドではないのですが、大和住銀 DC海外株式アクティブファンドが優秀過ぎます。

資産形成の達人 DC海外株式
1年 4.07% ▲14.29%
3年 +12.02% +17.00%
5年 +8.65% +12.98%
10年 +14.88% +17.63%

※2022年10月時点

より長期のパフォーマンスを比較してみましたが、どの期間においても、大和住銀 DC海外株式アクティブファンドが上回っています。

最大下落率は?

セゾン 資産形成の達人ファンドへの投資を検討するのであれば、どの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。

標準偏差からある程度の変動範囲は予測できますが、過去に実際にどの程度下落したのかを確認しておいたほうがよいでしょう。

期間 下落率
1カ月 ▲25.30%
3カ月 ▲35.46%
6カ月 ▲40.20%
12カ月 ▲45.22%

※2022年10月時点

セゾン 資産形成の達人ファンドの最大下落率は、2008年1月〜2008年12月で▲45.22%となっています。株式ファンドですので、最悪これくらい下落することもあり得るというのは、心にとどめておいてください。

リーマンショックと比べると、コロナショックはまだまだかわいいレベルだというのがよくわかりますね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

資金の流出入を見るのはそのファンドの評判を確認するために有効な手段です。資金が多く入っていれば人気があるファンドですし、流出が続いているようであれば、評判が悪いファンドと言えます。

それではセゾン 資産形成の達人ファンドはどうでしょうか。

見事に毎月資金が流入しています。正直パフォーマンスという観点だけで見れば、ここまで人気が出る理由はないのですが、地道な草の根活動が功を奏しているということですね。


※引用:モーニングスター

セゾン 資産形成の達人ファンドの今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

何度か下落する局面もある中で、資金流出することなく純資産を増やし続けているのは、さすがセゾン投信と言えます。

投信運用で運用パフォーマンスも当然大事にななりますが、どこまで運用会社ひいてはファンドマネジャーを信じられるかというのも重要です。

コロナショックで慌ててファンドを売却してしまった人がたくさんいましたが、結局のところそれは長期投資の重要性を理解していなかったり、運用会社を最後まで信じられなかったことが原因です。

そういう意味では中野さんはセミナーにもよく登壇しますし、彼の考え方もよく発信してくれるので、投資家としても、この人を信じていこうと思える安心感は実はとても大きなポイントです。

資産形成の達人ファンドは、インデックスファンドと比較をしても、正直そこまで優れているとは言えません。上回るときも下回るときもあり、ほぼトントンのパフォーマンスといって差し支えないと思っています。

それでもこれだけの資金が集まるというのは、パフォーマンス以外に評価するべきポイントがあるということですね。

これからの高いパフォーマンスを出し続けてほしいファンドの1本ですね。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点