三井住友トラスト・アセットが運用しているコアラップ。

市場の下振れリスクを抑制するためにヘッジファンド等の
オルタナティブ運用を行っています。

確かに伝統的資産である株や債券だけより、リート、MLP、
ヘッジファンド、バンクローンなど幅広く投資を行ったほうが
リスクは下がるように見えるのですが、実際はどうなのでしょう?

今日は、コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』について、
独自の目線で分析していきます。

「コアラップ(成長型)って投資対象としてどうなの?」

「コアラップ(成長型)って持ってて大丈夫なの?」

「コアラップ(成長型)より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の基本情報

投資対象は?

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』は、株式や
債券といった伝統的資産以外に、ヘッジファンド、リート、
MLP、バンクローン、コモディティなどへも投資をして
いきます。

普段聞かない名前が並んでいると思いますので、下図で
内容を確認しておいてください。

引用:交付目論見書

このように普段聞きなれない資産に投資をしている理由は、
これらの資産は一般的に株式や債券と価格連動性の相関が低く、
分散投資の効果があるからです。

成長型の場合は、「株式」「リート」「コモディティ」
の投資割合が原則75%未満になるように運用されます。

組み入れ銘柄のほとんどがインデックスファンドとなっ
ており、現在の投資比率は下記のようになっています。

ざっとですが、株式が約35%、債券が約25%、リートが
約15%、コモディティやヘッジファンドが約25%といった形です。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集め
た資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が
大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまく
できず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、
事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』は一時期
2500億円程度まで増えていましたが、パフォーマンスの
悪化に伴い、純資産が減り、現在は700億円程度となって
います。

純資産の規模としては全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の実質コスト
は1.537%となっています。

コアラップは実質インデックスファンドで運用をしている
ので、もう少し実質コストを下げられると思いますし、
バランス型ファンドのため、そこまで高いリターンが期待
できない中での1.537%ですので、手数料はかなり高く設定
されています。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.518%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.537%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の評価分析

基準価格をどう見る?

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の基準価額は
コロナショックで大きく下落しましたが、その後、高値を
更新しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいてコア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の
利回りを見てみましょう。

直近1年間の利回りは20.27%となっています。

これはコロナショックで大きく落ち込んだ後からの計測
のため、パフォーマンスが良く見えています。

そのため、長期の利回りのほうが信用できますが、
3年平均、5年平均利回りで3%以上はありますので、
手堅く運用できている水準です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 20.27%
3年 4.24%
5年 3.36%
10年

※2021年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

同カテゴリー内での利回りランキングは?

コアラップ(成長型)は、バランス型ファンドの中でも
株式やREITの組入比率が25~50%に収まるカテゴリーに
属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

コアラップ(成長型)の利回りはどの期間でみても、
平均的な水準ですので、他にもっと優れたファンドが
あることを意味しています。

上位●%
1年 42%
3年 49%
5年 65%
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の年別の
運用パフォーマンスを見てみましょう。

二桁のマイナスがないだけ、下落してもまだ心穏やかに
見ていられる水準ですが、もう少しパフォーマンスは
頑張ってほしい水準です。

年間利回り
2021年 +4.60%(1-3月)
2020年 +1.50%
2019年 +11.89%
2018年 ▲8.37%
2017年 +5.42%
2016年 ▲0.73%
2015年 ▲3.94%
2014年 +7.89%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンスの差は?

高いコストを支払ってアクティブファンドに投資をする前に、
低コストのインデックスファンドとパフォーマンスを比較して
おいて損はありません。

今回は、超低コストで非常に人気の高いeMAXIS Slim
バランス(8資産均等型)
とパフォーマンスを比べてみました。


※引用:モーニングスター

結果はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)が終始、パフォー
マンスで上回っています。

コアラップ(成長型)の場合、組み入れ比率を相場状況によって
変更しているので、一概に比較はできませんが、これだけ差が
つくのであれば、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を
選択したほうがよいでしょう。

もしくは、もっと安定運用を目指すのであれば、コアラップ(成長型)は
リスクが大きいので、投資のソムリエのようなもっと基準価額の
変動幅が小さいファンドに投資をするべきですね。

コアラップ(成長型) slimバランス
1年 20.27% 30.17%
3年 4.24% 7.15%
5年 3.36%
10年

※2021年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンスの差は?

コアラップは安定型、成長型、積極成長型の3種類がありますので、
参考までにどの程度パフォーマンスに差があるのか比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

コアラップ(積極成長型)と比較をしても、eMAXIS Slim
バランス(8資産均等型)のほうがパフォーマンスは高いことが
わかります。

リスク許容度次第ではありますが、リターンを狙っていくので
あれば、低コストのeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)で十分でしょう。

最大下落率はどのくらい?

投資を検討する上で、最大どの程度下落する可能性がある
のかは知っておきたいところです。

標準偏差から導くこともできますが、やはり実際に下落した
幅を見たほうがイメージがわくでしょう。

コアラップは、2015年7月~2016年6月までの1年間で▲12.06%
下落しています。

コロナショックの影響は短期間のマイナスには影響を与えて
いますが、1年という括りでみると、まだそれ以外の期間の
ほうが大きな影響を与えているようです。

中長期で保有することで、こういった下落も相殺できるわけ
なので、くれぐれもすぐに売却しないようにしてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲8.50%
3カ月 ▲11.73%
6カ月 ▲8.77%
12カ月 ▲12.06%

※2021年4月時点

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを
解約している人が多いということなので、評判が悪いという
ことです。

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』は昨年2015年
末から毎月資金が流出しており、解約が続出しています。

様々なアセットに分散するのはよいですが、この程度の
パフォーマンスでは投資家も納得できませんね。


※引用:モーニングスター

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の今後の見通しと評価まとめ

伝統的資産である株や債券以外のリート、MLP、ヘッジ
ファンド、バンクローンにも分散していくという発想自体
は面白いと思いますが、結局手数料が高すぎます。

色々な資産を組み合わせる=自分が理解できないけれど、
何か良い効果があるに違いないと思ってしまいがちですが、
基本的に自分が理解できない場合に良い結果を生むことは
ありません。

そして、分散投資されていて、運用がうまくないと大きく
下落したあとに、元の水準まで戻すのに相当の時間を要
します。

私個人としては、よく調べもしないで、多くの種類の資産に
とりあえず分散しておくという投資はあまりお勧めしていません。

しかし、それでも分散させたいんだという人は、少なくとも
コストが安いeMAXIS slim バランス(8資産均等型)などのほう
がよほど高いパフォーマンスが期待できると思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点