三井住友トラスト・アセットが設定しているコアラップ。

 

市場の下振れリスクを抑制するためにヘッジファンド等の
オルタナティブ運用を行っています。

 

確かに伝統的資産である株や債券だけより、リート、MLP、
ヘッジファンド、バンクローンなど幅広く投資を行ったほうが
リスクは下がるように見えるのですが、実際はどうなのでしょう?

 

今日は、コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』について、
独自の目線で分析していきます。

 

 

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の基本情報

投資対象は?

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』は、株式や
債券といった伝統的資産以外に、ヘッジファンド、リート、
MLP、バンクローン、コモディティなどへも投資をして
いきます。

 

普段聞かない名前が並んでいると思いますので、下図で
内容を確認しておいてください。

 

引用:交付目論見書

このように普段聞きなれない資産に投資をしている理由は、
これらの資産は一般的に株式や債券と価格連動性の相関が低く、
分散投資の効果があるからです。

 

成長型の場合は、「株式」「リート」「コモディティ」
の投資割合が原則75%未満になるように運用されます。

 

組み入れ銘柄のほとんどがインデックスファンドとなっ
ており、現在の投資比率は下記のようになっています。

 

今回、コロナショックで相場が大きく下落しましたが、
伝統的資産以外への分散投資が果たしてどのような効果
をもたらしたのか気になるところです。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集め
た資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が
大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまく
できず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、
事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』は一時期
2500億円程度まで増えていましたが、パフォーマンスの
悪化に伴い、純資産が減り、現在は829億円程度となって
います。

 

純資産の規模としては全く問題ありません。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の実質コスト
は1.535%となっています。

 

コアラップは実質インデックスファンドで運用をしている
ので、もう少し実質コストを下げられると思いますし、
バランス型ファンドのため、そこまで高いリターンが期待
できない中での1.535%ですので、手数料はかなり高く設定
されています。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.518%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.535%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の評価分析

基準価格をどう見る?

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の現在の
基準価額は11,00円程度です。

 

2019年以降は右肩上がりに成長していましたが、コロナ
ショックの影響で15%ほど下落しています。

 

様々なアセットクラスに分散しているため、果たして、
15%が大きいのか小さいのか判断がしづらいところでは
ありますが、

 

少なくとも2016年以降の利益がすべて、吹き飛んだと
考えるとインパクトはかなり大きかったはずです。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

つづいてコア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の
利回りを見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは▲6.23%となっています。3年平均、
5年平均利回りもマイナスになっており、コアラップに
投資している人の大半が含み損を抱えているという
状況です。

 

パフォーマンスはひどいにもかかわらず、しっかりと
コストは取られますので、投資家としては、やってられ
ないというのが本音でしょう。

 

少なくともプラスのリターンは出してほしいところです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲6.23% 34%
3年 ▲1.37% 70%
5年 ▲2.08% 90%
10年

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

 

標準偏差は?

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の標準偏差を
見てみると、10程度なので、通常の株式ファンド等と比べると
半分程度にリスクは抑えられています。

 

しかし、パフォーマンスがひどいので、いくらリスクを抑えた
運用ができているとなってもあまり意味がありませんね。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 10.66 28%
3年 7.90 17%
5年 7.73 5%
10年

※2020年4月時点

 

年別の運用パフォーマンスは?

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の年別の
運用パフォーマンスを見てみましょう。

 

2019年に出した2桁の利益は2020年のコロナショックで
あっさりと消えてしまいました。

 

マイナスのリターンは10%程度なので、大きなダメージ
ではありませんが、トータルでプラスになっていなけれ
ば投資家としてコアラップに投資をするメリットがあり
ません。

年間利回り
2020年 ▲11.73%(1-3月)
2019年 +11.89%
2018年 ▲8.37%
2017年 +5.42%
2016年 ▲0.73%
2015年 ▲3.94%
2014年 +7.89%

※20120年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンスの差は?

高いコストを支払ってアクティブファンドに投資をする
前に、低コストのインデックスファンドとパフォーマンス
を比較しておいて損はありません。

 

今回は、超低コストで非常に人気の高いeMAXIS Slim
バランス(8資産均等型)
とパフォーマンスを比べてみました。

 

結果はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)が終始、パフォー
マンスで上回っています。コロナショックの影響は、明らかに
eMAIXS Slim バランスのほうが大きく下落していますが、

 

ここからの伸びを考えるとコアラップ(成長型)が勝てる要素が
見当たりません。


※引用:モーニングスター

 

最大下落率はどのくらい?

投資を検討する上で、最大どの程度下落する可能性がある
のかは知っておきたいところです。

 

標準偏差から導くこともできますが、やはり実際に下落した
幅を見たほうがイメージがわくでしょう。

 

コアラップは、2015年7月~2016年6月までの1年間で-12.06%
下落しています。コロナショックの影響は短期間のマイナス
には影響を与えていますが、1年という括りでみると、まだ
それ以外の期間のほうが大きな影響を与えているようです。

 

中長期で保有することで、こういった下落も相殺できるわけ
なので、くれぐれもすぐに売却しないようにしてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲8.50%
3カ月 ▲11.73%
6カ月 ▲8.77%
12カ月 ▲12.06%

※2020年4月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを
解約している人が多いということなので、評判が悪いという
ことです。

 

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』は昨年2015年
末から毎月資金が流出しており、解約が続出しています。

 

様々なアセットに分散するのはよいですが、この程度の
パフォーマンスでは投資家も納得できませんね。

 


※引用:モーニングスター

 

コア投資戦略ファンド『コアラップ(成長型)』の今後の見通しと評価まとめ

伝統的資産である株や債券以外のリート、MLP、ヘッジ
ファンド、バンクローンにも分散していくという発想自体
は面白いと思いますが、結局手数料が高すぎます。

 

色々な資産を組み合わせる=自分が理解できないけれど、
何か良い効果があるに違いないと思ってしまいがちですが、
基本的に自分が理解できない場合に良い結果を生むことは
ありません。

 

そして、分散投資されていて、運用がうまくないと大きく
下落したあとに、元の水準まで戻すのに相当の時間を要
します。

 

私個人としては、よく調べもしないで、多くの種類の資産に
とりあえず分散しておくという投資はあまりお勧めしていません。

 

しかし、それでも分散させたいんだという人は、少なくとも
コストが安いeMAXIS slim バランス(8資産均等型)などのほう
がよほど高いパフォーマンスが期待できると思います。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点