2017年に60%以上のパフォーマンスをたたき出したことで注目を
集めるようになったアセマネOneのMHAM 日本成長株オープン。
国内株式全般を投資対象にしているものの、近年は小型銘柄を
中心にポートフォリオを組んでいます。
国内小型株ファンドは優秀な成績を残しているファンドが多い
のですが、MHAM日本成長株オープンはどのような位置にいる
のでしょうか?
今日は、MHAM日本成長株オープンを徹底分析していきます。
MHAM 日本成長株オープンの基本情報
投資対象は?
MHAM 日本成長株オープンの投資対象は、日本国内の株式
です。
「競争力の優位性」と「利益の成長性」を重視し、銘柄を
選定していきます。
銘柄の規模や業種について、特に投資比率に制限を設けていない
ようですが、組入銘柄を見てみると、中小型銘柄が多いようです。
組入比率を業種別に見てみると、サービス業が一番多く、
次いで情報・通信業の比率が高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
組入上位銘柄を見てみると、1位はジャパンマテリアルで
半導体・液晶製造工場向けのインフラ事業を展開しています。
2位のバリューコマースは成果型報酬広告サービスを提供
しています。アフィリエイト広告とも言いますね。
3位のSHIFTはソフトフェアのテスト検証事業を手掛けて
います。
2020年7月 | ||
1 | ジャパンマテリアル | |
2 | バリューコマース | |
3 | SHIFT | |
4 | イビデン | |
5 | エラン | |
6 | メディカル・データ・ビジョン | |
7 | アニコム・ホールディングス | |
8 | 太陽誘電 | |
9 | ミスミ | |
10 | そーせい | |
銘柄数 | 88銘柄 |
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
続いて、MHAM 日本成長株オープンの純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。
MHAM 日本成長株オープンの純資産総額は、約250億円となっています。
2017年ごろからパフォーマンスが改善したのにあわせて、純資産総額も
大きく上昇しています。規模の面は問題ありませんね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
MHAM 日本成長株オープンの実質コストは1.77%となっており、
かなり割高となっています。
購入手数料も高く実質コストもかなり高い水準ですので、ファンドの
選定は慎重に行う必要があるでしょう。
購入時手数料 | 2.75%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.705%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 1.77%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。
無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
MHAM 日本成長株オープンの評価分析
基準価額の推移は?
MHAM 日本成長株オープンの基準価額は、2016年から大きく
成長しました。
しかし、2018年に入ってからは運用がうまく行っておらず、
ゆるやかながら下落しています。
コロナショックは大きく下落した後、しっかり戻して
きましたが、それでも他の同カテゴリーのファンドと
比べると利回りは劣ります。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
MHAM 日本成長株オープンの利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは2.35%とわずかにプラスとなっています。
コロナショックの影響で1年、3年、5年の平均利回りは、
半年前と比べると大きく下落しています。
しかし、10年平均利回りで見ると、あまり影響が出ていない
ようです。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | 2020年1月 | 2020年7月 |
1年 | 22.75% | 2.35% |
3年 | 18.84% | 9.17% |
5年 | 17.41% | 11.51% |
10年 | 15.47% | 15.30% |
※2020年7月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング
同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化
MHAM 日本成長株オープンは、国内小型グロースカテゴリーに
属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。
MHAM 日本成長株オープンは、直近のパフォーマンス
は優れませんが、平均よりは高い位置にランクインして
います。
ですので、悪くはありませんが、ランキングの上位ファンド
と比較するとどうしてもパフォーマンスが劣ります。
平均利回り(上位●%) | 2020年1月 | 2020年7月 |
1年 | 50% | 73% |
3年 | 27% | 27% |
5年 | 22% | 28% |
10年 | 58% | 59% |
※2020年7月時点
年別運用パフォーマンスは?
MHAM 日本成長株オープン年別の運用パフォーマンスを
見ていきましょう。
2018年は10%以上のマイナスとなっていますが、それ以外の
年ではしっかりとプラスのリターンを残しており、悪く
内容に見えます。
しかし、これ以上に優れたアクティブファンドもいますので、
のちほど比較していきます。
年間利回り | |
2020年 | ▲0.68%(1-6月) |
2019年 | 22.75% |
2018年 | ▲14.79% |
2017年 | 60.48% |
2016年 | 2.30% |
2015年 | 29.93% |
2014年 | 2.71% |
※2020年7月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。 ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。 >>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックス
ファンドよりも優れたパフォーマンスでなければ投資をする
価値がありません。
今回は、MHAM 日本成長株オープンと日経225に連動する
ニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンス
を比較しました。
ほぼ全期間でMHAM 日本成長株オープンのパフォーマンスが
上回っています。
これだけパフォーマンスに差があるのであれば、高い手数料を
支払って投資をする価値があると言えます。
※引用:モーニングスター
5年、10年の期間でも、MHAM 日本成長株オープンと
ニッセイ 日経225インデックスファンドのパフォーマンスを
比較しました。
長期でみても、MHAM 日本成長株オープンのほうが優れて
いることがわかります。
MHAM日本成長 | ニッセイ日経 225 | |
1年 | 2.35% | 6.78% |
3年 | 9.17% | 5.52% |
5年 | 11.51% | 3.70% |
10年 | 15.30% | 10.82% |
※2020年7月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
アクティブファンドの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。
今回は、国内小型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンス
を残している東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンと
パフォーマンスを比較しました。
見るまでもなく、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
の圧勝です。
アクティブファンドに投資をするのであれば、こういったファンド
に投資をしたいものです。
※引用:モーニングスター
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの長期
パフォーマンスとMHAM 日本成長株オープンを比較
してみると、差は歴然です。
MHAM 日本成長株オープンも中長期では決して悪くない
パフォーマンスですが上には上がいるということです。
MHAM日本成長 | ジャパン・オーナーズ | |
1年 | 2.35% | 22.76% |
3年 | 9.17% | 21.06% |
5年 | 11.51% | 20.52% |
10年 | 15.30% | – |
※2020年7月時点
最大下落率は?
標準偏差などから、基準価額の変動幅を算出することはできますが、
やはり実際にどの程度下落したことがあるのかは気になるところです。
MHAM 日本成長株オープンは、2007年11月~2008年10月の間に
最大57.79%下落しています。
リーマンショック級の金融危機はそう簡単には来ないと思いますが、
小型株ファンドというのは、大きく増えもしますが、大きく減る
可能性もあるという点だけはおさえた上で投資をしていきましょう。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲24.00% |
3カ月 | ▲36.51% |
6カ月 | ▲44.71% |
12カ月 | ▲57.79% |
※2020年7月時点
分配金の推移は?
続いて、分配金の推移を見てみましょう。
もともと分配金を期待して投資をするようなファンドでは
ないのですが、安定して配当金がもらえるようです。
このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。
計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?
分配金 | |
2020年 | 200円(1-6月) |
2019年 | 500円 |
2018年 | 1500円 |
2017年 | 2000円 |
2016年 | 0円 |
※2020年7月時点
積立NISAとiDeCoの対応状況は?
積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。
そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。
現在は楽天証券等でiDeCo対応をしています。
ただあえて、MHAM 日本成長株オープンを選択するかは
悩ましいところですね。
積立NISA | iDeCo |
× | 楽天証券
伊予銀行 |
※2020年7月時点
評判はどう?
MHAM 日本成長株オープンの評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。
資金が流入しているということは、それだけMHAM 日本成長株
オープンを購入している人が多いということなので、評判がよく
なっているということです。
MHAM 日本成長株オープンは、2017年中ごろから毎月資金が流入
するようになり、2018年には毎月多くの資金が流入するようになり
ました。
しかし、2018年末からまたパフォーマンスが悪化し、それ以降は、
資金が流出超過になっており、評判が悪くなっています。
※引用:モーニングスター
MHAM 日本成長株オープンの評価まとめと今後の見通し
MHAM 日本成長株オープンは、パフォーマンスの実績を見ても、
十分高い結果を出すことができています。
インデックスファンドと比べてもパフォーマンスが優れている
ので、高いコストを支払う価値があると言えます。
今後も長期保有すれば、10%前後のリターンも狙っていける
でしょう。
ただ、国内小型株ファンドというのは、優秀な成績を残している
ファンドが多く、MHAM 日本成長株オープンが一番良いとは
言えません。
他にも非常に優れたパフォーマンスのファンドが数多く存在します
ので、比較したうえで投資するかを検討してください。
また小型株ファンドは確かに後から見るとパフォーマンスは高い
のですが、その分値動きが大きくなります。
大きく下落したところで焦って売却しなければ、高いリターンが
期待できますので、平常心で投資ができる金額で投資をしてください。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点