8つの資産のインデックスファンドに分散投資をしていく
スマート・クオリティ・オープン(安定型)『スマラップ』。

 

近年では、8つの資産に分散投資できるインデックスファンド
が複数出てきているので、シェアを奪われつつあるかと思いきや、
未だ一定の人気があるようです。

 

スマラップは資産の構成比別に安定型、安定成長型、成長型の
3種類があります。

 

今日は、その中でも一番人気のが高いスマラップ(安定型)について
徹底分析していきます。

 

安定成長型、成長型を検討している方も参考になると思いますので、
ぜひ読んでみてください。

 

 

スマート・クオリティ・オープン(安定型)『スマラップ』の基本情報

投資対象は?

スマラップ(安定型)の投資対象は、「国内株式」「国内債券」
「国内リート」「先進国株式」「先進国債券」「先進国リート」
「新興国株式」「新興国債券」の8資産で、インデックスファンドに
投資していきます。

 

安定型の場合は年間目標リスクが5.0%以内に収まるように投資を
していきます。

 

スマラップ(安定型)の各資産の組入比率は以下のように
なっており、国内債券比率が90%とかなり高くなっています。

 

この時点で気づく人は気づきますが、アクティブファンドで
国内債券を組み込んでいる場合、ほぼ間違いなく手数料負け
しますので、あなたが投資した資産のうち90%については、
ほぼ負けが確定してしまいます。

 

私からみると、この時点で投資対象外ですね。

 

そして、コロナショックで慌てたのか国内債券比率を
大幅に引き上げたようですが、それが逆に仇となり、
株式相場が反発する場面で利益を取り損ねています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、スマラップ(安定型)の純資産総額はどうなっている
か見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

スマラップ(安定型)は、現在800億円程度となっており、依然
人気の高いファンドとなっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

スマラップ(安定型)の実質コストは1.69%となっており、
カテゴリー内でも割高です。

 

大半を国内債券ファンドに投資をしておきながら、この
コストの高さでは運用会社だけが利益を受け取り、投資家
は損をするしかないような構造です。

 

かなりひどい状況と言えますね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.68%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.69%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

スマート・クオリティ・オープン(安定型)『スマラップ』の評価分析

基準価額の推移は?

スマラップ(安定型)の基準価額は、ここ3年間10000円近辺を
キープしていましたが、コロナショックの影響で10%ほど
下落をしました。

 

バランスファンドですので、下落幅は比較的抑えられて
いますが、それでも10%の下落はこのファンドに投資を
している投資家からすると大きかったのではないでしょうか。

 

何より、暴落したタイミングで株式の比率を下げて、国内
債券比率を高めてしまったため、せっかく反発してきた
戻し分を取り逃しています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

スマラップ(安定型)の利回りを見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは▲4.54%です。3年平均、5年平均
利回りもわずかにマイナスとなっています。

 

あなたは高いコストを支払って、資産がさらにマイナス
になっているわけですので、何も得になりません。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲4.54% 52%
3年 ▲0.35% 55%
5年 ▲0.20% 46%
10年

※2020年4月時点

 

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するときに、
役立ちます。

 

スマラップ(安定型)の標準偏差は7程度なので、かなり
低いです。ただ、通常が5程度なので、今回のコロナ
ショックである程度、変動が大きくなったと言えます。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 6.98 30%
3年 5.16 22%
5年 4.73 13%
10年

※2020年4月時点

 

年別運用パフォーマンスは?

スマラップ(安定型)の年別の運用パフォーマンスを見て
みましょう。

 

2018年、2020年はマイナスとなっていますが、それ以外の
年では何とかプラスのリターンを残しています。

 

ただ、よく数値を見ると、マイナス分が大きいので前年分
のリターンを相殺してしまっており、ほぼほぼ手残りしない
ようなパフォーマンスです。

 

何より高いコストを支払っているにも関わらず、この程度
の成果では納得できませんね。

年間利回り
2020年 ▲7.26%(1-3月)
2019年 +6.90%
2018年 ▲4.35%
2017年 +3.96%
2016年 +0.88%
2015年 +0.21%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

今回のように投資対象がインデックスファンドであるアクティブ
ファンドの場合、バランス型のインデックスファンドとパフォー
マンスを比較することは必須です。

 

そこで、バランス型のインデックスファンドで非常に人気の高い
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と比較を行いました。

 

その結果を以下に示しますが、直近3年間のパフォーマンスは
スマラップ(安定型)が明らかにパフォーマンスで負けています。

 

結局、安定運用ができているように見えますが、その実、損失が
確定している国内債券の比率が高いため、本来もっとリターンを
得るチャンスがあるべきところを機会損失しているというわけです。

 

もともと私はバランスファンドはおすすめしませんが、
まだ投資するなら、スマラップ(成長型)のほうがましでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

分配金の推移は?

スマラップ(安定型)は年4回の分配を行います。

 

直近では、2017年、2019年に分配金が出ていますが、2020年
はパフォーマンスも優れませんので、配当金はあまり期待
できないでしょう。

 

このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2019年 173円
2018年 0円
2017年 293円
2016年 0円

評判はどう?

スマラップ(安定型)の評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つ
のが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流出しているということは、それだけスマラップ(安定型)を
解約している人が多いということなので、評判が悪くなっていると
いうことです。

 

スマラップ(安定型)は、2017年~2018年にかけて資金流入が
超過しましたが、それ以降は流出が続いています。

 

評判は決して良くないということがわかりますね。

 


※引用:モーニングスター

 

スマート・クオリティ・オープン(安定型)『スマラップ』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

冒頭でも述べましたが、国内債券というのは期待利回りは1%
程度です。

 

そうすると実質コストが1.7%程度ありますので、毎年0.7%
程度はマイナスになることが確定しています。

 

今までは1~2%で運用できていたので、気にしなかった人も
多いかもしれませんが、この国内債券の分だけリターンが
減少していることに気づかなくてはなりません。
(販売会社と運用会社だけが儲かっている)

 

直近ではコロナショックの影響で、国内債券の比率が90%
を超えていますので、もうほぼ負けが確定している運用
にお金を支払い続けているわけです。

 

8資産に分散できるインデックスファンドであれば、コストが
0.2~0.3%程度ですむので、国内債券を持っていても悪くは
ないですが、アクティブファンドで国内債券を保有するのは
悪手です。

 

今後、1~2%のリターンであれば、継続的に増やせるかも
しれませんが、8資産に分散投資をしたいというのであれば、
スマラップ(安定型)にこだわらず、コストが現在一番安い
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に投資するべきです。

 

ただ、何度も繰り返しますが、私個人としては、バランス型
ファンドへの投資はあまりおすすめしていません。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点