農林中金アセットが運用するファンドの中で、唯一、
投信ブロガーが選ぶFund of the Yearを受賞したのが、
『農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね』です。
「農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねって投資対象としてどうなの?」
「農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねって持ってて大丈夫なの?」
「農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの基本情報
投資対象は?
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの投資対象は
米国の上場株式です。
農林中金の子会社である農中バリューインベストメント(NVIC)の
投資助言をもとにポートフォリオを構築しています。
NVICでは高い成長が期待できる米国上場企業の中から、
構造的に強靭な企業を20~30銘柄厳選し、運用していきます。
構造的に強靭な企業というのは、以下の3条件をすべて
満たしている企業を指します。
※引用:目論見書
また、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねでは、
外部の運用機関に頼るのではなくNVICが自ら企業を訪問し、
企業調査を行っています。
※引用:目論見書
では、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの
具体的な構成銘柄を見ていきましょう。
現在、27銘柄に投資をしており、上位10銘柄は以下の
ようになっています。
ディズニーやVISA、NIKEあたりは分かる人が多いのでは
ないでしょうか?
いずれにせよ、銘柄を絞り込んで運用するファンドは個人的に
好みですので、今後に期待したいところです。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。
純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を
投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の
影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。
投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資
信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることも
ありますので注意が必要です。
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの現在の
純資産総額は70億円程度です。
まだ規模としては少し物足りないですが、着実に
純資産を積み上げていますので、2021年には100億円を
突破しそうです。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?
これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。
特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの実質コストは
1.052%とアクティブファンドの中ではかなり割安な水準に
なっています。
購入時手数料がかかるのはマイナスポイントですが、
米国株のアクティブファンドで実質コストが1%というのは
魅力的ですね。
投資する際には、事前にしっかり調べておく必要がありますね。
購入時手数料 | 2.2%(税込)※上限 |
信託報酬 | 0.99%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.052%※概算 |
※引用:最新運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの評価分析
基準価額の推移は?
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねはコロナ
ショックで大きく下落しましたが、その後は急回復を
見せ、ここ3年はきれいな右肩上がりになっています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの
運用実績を見てみましょう。
1年、3年平均利回りともに10%を超えており、安定して
高いパフォーマンスとなっています。
農中アセットの中でも、トップクラスの運用ができている
はずです。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 15.36% |
3年 | 12.39% |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年1月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している米国株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねは北米株式
カテゴリ―に属していますが、せっかく投資をするので
あれば、同じカテゴリーの中でも高いパフォーマンスの
ファンドに投資をしたいものです。
そこで、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの
カテゴリ―順位を見てみると、1年、3年平均利回り共に
上位30%にランクインしており、優れた成績を残している
ことがわかります。
上位●% | |
1年 | 31% |
3年 | 21% |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年1月時点
年別のパフォーマンスは?
つづいて、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの
年別のパフォーマンスも見てみましょう。
2018年はわずかにマイナスとなりましたが、2019年、
2020年は大きくプラスとなっています。
米国株式はやはり強いですね。
年間利回り | |
2020年 | +15.36% |
2019年 | +26.12% |
2018年 | ▲2.42% |
※2021年1月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。 ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。 >>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねに投資をするのであれば、
最低限、低コストのインデックスファンドよりパフォーマンス
が優れていなければ、投資をする価値がありません。
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの投資対象は
米国株なので、S&P500に連動するインデックスファンドで
一番人気のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比較をしました。
※引用:モーニングスター
結果は終始、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねが
eMAXIS Slin 米国株式(S&P500)を上回っており、これであれば、
十分投資をする価値があると言えそうです。
おおぶね | slim 米国株式 | |
1年 | 15.36% | 10.30% |
3年 | 12.39% | – |
5年 | – | – |
10年 | – | – |
※2021年1月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
続いて、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねのような
アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブ
ファンドとパフォーマンスを比較してから投資をし始めても、
遅くありません。
そこで、今回は、米国株100%のアクティブファンドで非常に
人気の高いアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信
と比較をしてみました。
※引用:モーニングスター
コロナ前まではわずかな差でしたが、コロナショック以降は、
米国成長株投信のほうが大きくパフォーマンスで上回っています。
3年でこれだけ差がつくと、投資先を検討し直す余地がありそうですね。
おおぶね | 米国成長株投信B | |
1年 | 15.36% | 25.05% |
3年 | 12.39% | 17.56% |
5年 | – | 15.07% |
10年 | – | 18.78% |
※2021年1月時点
積立NISAとiDeCoの対応状況は?
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの積立NISAと
iDeCoの対応状況を確認しておきましょう。
つみたてNISAでの取り扱いはありますが、iDeCoでは
投資をできます。
つみたてNISA | iDeCo |
× | SBI証券、岡三証券、JAバンク |
※2021年1月時点
最大下落率は?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気に
なるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのか
という点かと思います。
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねはまだ運用期間が
短いので、そこまで大きく下落はしていませんが、3カ月間で
最大14.46%下落しました。
ただ、株式ファンドの場合、30%程度は一時的に下落する可能性は
十分ありますので、そのつもりで投資をするようにしてください。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲8.72% |
3カ月 | ▲14.46% |
6カ月 | ▲6.93% |
12カ月 | ▲3.67% |
※2021年1月時点
評判はどう?
それでは、農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの
評判はどうでしょうか?
ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を
見ることで、評判がわかります。
評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねは毎月資金が
流入超過となっているだけでなく、流入量も大きくなって
おり、評判は登り調子であることがわかりますね。
※引用:モーニングスター
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの今後の見通しと評価まとめ
いかがでしょうか?
農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねはインデックス
ファンドに負けないパフォーマンスとなっていますので、
最低ラインはクリアできています。
普段からJAバンクなどを使っている人であれば、おおぶねを
選択するのも悪くないと思います。
一方で、SBI証券や楽天証券などのネット証券をメインで
使っている場合、米国成長株投信をはじめ、他にも優れた
ファンドがいくつもありますので、落ち着いてファンドを
比較してほしいと思います。
少なくとも悪くないファンドではありますので、今後の
運用に期待したいですね。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点