さて、2019年、2020年は全自動型の資産運用サービスの
ウェルスナビが一躍注目を集めました。

すでに預かり資産が3000億円を突破しており、それだけ
注目を集めていることがわかります。

一方で、鋭い投資家の中には、
「ウェルスナビの手数料は高すぎる。自分で運用するほうがいい」
という意見も出てきています。

そこで、実際のところウェルスナビの手数料は自分で運用する
場合と比べて高いのか、高くないのかを今日は徹底比較して
いきたいと思います。

ウェルスナビ(WealthNavi)の手数料が高いと言う人は実際多い

まず、1つの事実として、ウェルスナビの手数料1.1%(税込)は
高いということで、ブログでもtwitter等でも騒がれています。

確かに直接、海外ETFやインデックスファンドを購入したほうが
手数料は安く抑えられるので、手数料負けする可能性は下がる
はずです。

ただ、どの程度差があるのかはあまり語られることがありません。

そこで、今回は、ウェルスナビの手数料は本当に高いのか、
高いのならどの程度高いのか、海外ETFを購入した場合と
インデックスファンドを購入した場合で徹底検証していきます。

ウェルスナビ(WealthNavi)の運用にかかる手数料の一覧はこちら

まずはウェルスナビで運用した場合の手数料を見てみましょう。

なお、キャンペーンや長期割などの割引制度は使っていない
前提で計算していきます。

入金
 
 
クリック入金 無料
自動積立 無料
金融機関振込 金融機関による
出金 出金手数料 無料
取引
 
 
 
 
 
売買手数料 無料
為替手数料 無料
為替スプレッド 無料
リバランス 無料
管理手数料 1%
ETF信託報酬 0.090.13%
口座開設   無料
口座維持手数料   無料

※引用:ウェルスナビHP

このように、実際にウェルスナビを使って運用する場合、
実際にかかるコストとしては、年1%の管理手数料と
購入したETFの信託報酬のみになります。

とてもシンプルでわかりやすい手数料体系になっているのは
ありがたいですね。

ETFの信託報酬が変動するのはリスク許容度に応じて、以下の
資産を保有している比率が異なるからです。

基本的に株式の比率が高いほうが安くなります。

資産クラス 海外ETF 経費率
米国株 VTI 0.03%
日欧株 VEA 0.05%
新興国株 VWO 0.12%
米国債券 AGG 0.05%
物価連動債 TIP 0.19%
GLD 0.40%
不動産 IYR 0.42%

※引用:ウェルスナビ ホワイトペーパー

ちなみに手数料はいつ発生するの?と疑問に思っている方も
いるかもしれませんが、手数料は毎月差し引かれます。

厳密には、1日ごとに手数料へ計算されており、1カ月分が
まとめて請求されるイメージです。

さて、ここからが本題ですが、この手数料体系のウェルスナビに
対して、果たして自分で銘柄を選定し運用した場合、どれくらい
コストを抑えられるか比較してみましょう。

つみたて投資を利用されている方も多数いると思いますが、
つみたて投資の場合、手数料計算が複雑になるので、今回は
100万円を一括投資した場合、どうなるのか検証していきます。

一括投資した場合の手数料比較

ウェルスナビで1年間100万円運用したときの手数料

手数料名 計算式 手数料
売買手数料 無料
為替手数料 無料
管理手数料 100万円×1.1% 1.1万円
ETF信託報酬 100万円×約0.1% 0.1万円
リバランス 無料
合計   1.2万円

※ETF信託報酬はリスク許容度5の場合の概算値

ウェルスナビで1年間100万円運用したときの手数料は
年間で1.2%程度です。

つまり年1.2%以上の利回りで運用されれば手数料負けする
心配はないということです。

またこの手数料水準であればアクティブファンドでよく
見かける水準ですので際立って高いというわけではありません。

海外ETFを自分で買って1年間100万円運用したときの手数料

では、ウェルスナビのロボアドバイザーが購入しているETFを
証券会社で自分で購入した場合はどの程度の手数料がかかるでしょうか。

今回は住信SBIネット銀行で円をドルに転換し、SBI証券で
海外ETFを買付した場合のシミュレーションをしてみます。

手数料名 計算式 手数料
売買手数料 100万円×0,.45% 0.45万円
為替手数料 片道4 0.08万円※1
管理手数料 無料
ETF信託報酬 100万円×約0.1% 0.1万円
リバランス 100万円×0.45%×0.1% 0.02万円※2
合計   0.65万円

※ETFは1口当たりの金額が決まっているので、厳密には同じポートフォリオにはなりません。
※1 ETFを購入するとき円→ドルに転換し、ETFを現金に戻すときにドル→円で為替手数料が発生するとして計算
※2 全体の資産の10%ほどに対してリバランスが行われると仮定

海外ETFを自分で買い付けた場合は、ウェルスナビと比較を
して初年度は約半分のコストで運用ができます。

またウェルスナビの管理手数料とETF信託報酬は毎年発生
しますが、海外ETFを自分で購入する場合、売買手数料と
為替手数料は初年度しかかかりません。

ですので、2年目以降は、大幅に手数料を抑えることができます。

自分で運用する場合、0.2%以上の利回りで運用ができれば、
手数料負けする心配はありませんので、保有している安心感が
違います。

海外ETFを自分で購入するとかなり割安になることがわかりましたが、
円を米ドルに交換したりと慣れていない人にとっては一手間二手間
かかります。

また売買手数料がかかるため、初年度は割高です。

そこで売買手数料がかからず、信託報酬も低くなってきている
インデックスファンドを購入してウェルスナビと同じような
ポートフォリオを組んだとしたらどの程度の手数料になるのかを
調べました。

インデックスファンドを自分で買って1年間100万円運用したときの手数料

残念ながら、完全に一致するポートフォリオを作ることは
できませんが、大方同じ動きをするポートフォリオにはなりました。

注意点としては、ウェルスナビの場合は信託報酬の兼ね合いで、
VTI、VEA、VWOを3つに分けて、購入していますが、

それら3つがまとまったVTというETFに連動する
楽天・全世界株式インデックスを採用しました。

その他のインデックスファンドについても備考をご覧ください。

資産クラス 海外ETF インデックスファンド名
米国株 VTI 楽天・全世界株式インデックス
日欧株 VEA 楽天・全世界株式インデックス
新興国株 VWO 楽天・全世界株式インデックス
米国債券 AGG eMAXIS slim 先進国債券インデックス※2
物価連動債 TIP
GLD SMTゴールドインデックス・オープン(ヘッジ無)
不動産 IYR eMAXIS 米国リートインデックス※1

※1 IYRと同じダウ・ジョーンズ米国不動産インデックス(配当込)に連動するインデックスファンドがないため、S&P米国REITインデックス(配当込)に連動するインデックスファンドを採用。
※2 AGGと同じブルームバーグ・バークレイズ 米国総合指数に連動するインデックスファンドがないため、FTSE世界国債インデックス(除く日本)に連動するインデックスファンドを採用。

そして、各インデックスファンドの信託報酬は以下のように
なっています。

資産クラス インデックスファンド名 信託報酬
米国株 楽天・全世界株式インデックス 0.162%
日欧株 楽天・全世界株式インデックス 0.162%
新興国株 楽天・全世界株式インデックス 0.162%
米国債券 eMAXIS slim 先進国債券インデックス※1 0.154%
物価連動債  
SMTゴールドインデックス・オープン(ヘッジ無) 0.275%
不動産 eMAXIS 米国リートインデックス※2 0.66%

では、この数値をもとに、インデックスファンドでウェルスナビと
類似のポートフォリオを組成した場合の手数料を概算で計算してみましょう。

手数料名 計算式 手数料
売買手数料 無料
為替手数料 無料
管理手数料 無料
ETF信託報酬 100万円×約0.2% 0.2万円
リバランス 無料
合計   0.2万円

初年度だけで見ると、インデックスファンドを自分で
購入するのが一番手数料を押さえられることがわかりました。

2年目以降は、自分で海外ETFを購入した場合の手数料の
ほうが低くなりますが、もう誤差の範囲と言っても良い水準です。

ウェルスナビ(WealthNavi)の手数料が高いのか問題の結論

このように実際にウェルスナビの手数料と自分で海外ETFや
インデックスファンドを購入する場合の手数料を比較すると
明確に差があることがわかります。

運用資金が小さいうちは大した差を感じないかもしれませんが、
運用金額が大きくなればなるほど、1%の手数料は重く
のしかかってきます。

ですので、できるだけ自分でETFを買うなり、インデックス
ファンドに投資をすることをおすすめします。