近年、非常に注目されているESG投資の中にも実は色々な投資手法があります。

その中でも、社会的課題の解決(社会的利益)と投資リターンの2つの利益の獲得を目指すのがインパクト投資とよばれる手法です。

今回は、三菱UFJ国際投信のベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』について徹底分析していきます。

「ロイヤル・マイルって投資対象としてどうなの?」

「ロイヤル・マイルって持ってて大丈夫なの?」

「ロイヤル・マイルより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』の基本情報

投資対象は?

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの投資対象は、日本を含む世界各国の株式です。社会的インパクトをもたらす事業によって、長期の視点から成長が期待される世界各国の企業の株式に投資をしていきます。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの国別の投資比率及び、業種別の投資比率を見てみましょう。国別では、アメリカが約5割、次いで、中国、オランダとなっています。業種別では、一般消費財・サービス領域の銘柄の比率が高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

現在の組入銘柄数は38銘柄となっており、かなり銘柄を絞り込んでいますね。

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。

投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは現在、584億円程の規模にまで成長しています。

2021年後半まではパフォーマンスも好調で純資産が増えていましたが、2022年に入るとパフォーマンスが悪化しており、それに伴い、純資産も減少しています。とはいえ、規模としては問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの実質コストは1.59%と割高です。

近年のアクティブファンドの中ではまだマシな水準ですが、購入時手数料もかかるので、投資する際には慎重にならざるを得ませんね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.5895%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.59%※概算値

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』の評価分析

基準価額をどう見る?

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは設定したタイミングが良かったこともあり、コロナショックの影響をものともせず、2021年末まで右肩上がりに上昇を続けていました。

しかし、2022年に入って30%以上下落しています。銘柄を絞り込んでいるため、上昇するときも下落する時も変動幅が大きくなっていますね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの運用実績を見てみましょう。

直近1年間の平均利回りは30%超のマイナスです。ただ、3年平均利回りでは19%となっており悪くありません。

投資信託は中長期で投資をするものですので、短期のパフォーマンスより長期のパフォーマンスを参考にするようにしてください。

ただ、この時点で投資判断するのは時期尚早です。同カテゴリーの他のファンドをパフォーマンスを比較したうえで投資をしていきましょう。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲32.33%
3年 19.23%
5年
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは日本株を含む海外株式カテゴリーに属していますが、せっかく投資をするのであれば、同カテゴリー内でもパフォーマンスが高いファンドに投資をしたいものです。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは直近1年のパフォーマンスほぼ最下位ですが、3年平均利回りは上位3%に入っています。

相当ボラティリティが大きいファンドであることがわかりますね。

上位●%
1年 98%
3年 3%
5年
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

2020年は83%と驚異的な結果となっています。2022年は30%を超えるマイナスとなっており、普通の投資家にはこの下落は耐えられないですね。

年間利回り
2022年 ▲34.87%(1-9月)
2021年 13.40%
2020年 83.47%
2019年 15.49%(4-12月)

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドに投資をするのであれば、最低限、低コストのインデックスファンドよりパフォーマンスが優れていなければ、投資をする価値がありません。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは日本株を含む世界の株式に投資をしますので、同じように日本株を含む世界の株式に分散投資ができるeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と比較をしてみました。

※引用:モーニングスター

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドが終始パフォーマンスでは上回っていますが、直近ではかなり僅差となっています。

ロイヤル・マイルの基準価額の値動きに耐えられる人ならいいですが、耐えられる自信がない人は無難にインデックスファンドに投資をしましょう。

ロイヤル・マイル slim 全世界
1年 ▲32.33% 3.04%
3年 19.23% 14.91%
5年
10年

※2021年10月時点

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドへ投資をするのであれば、アクティブファンドの中でも優秀なファンドに投資をしたいものです。

そこで、今回は世界の株式に投資ができるグローバル・ハイクオリティ成長株式ファンドとパフォーマンスを比較してみました。

※引用:モーニングスター

グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンドもかなりパフォーマンスは優れているのですが、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドはそのはるか上をいっています。

ロイヤル・マイル G・ハイクオリティ
1年 ▲32.33% ▲28.14%
3年 19.23% 8.74%
5年 8.46%
10年

※2022年10月時点

最大下落率は?

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドに投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの最大下落率を見てみましょう。

期間 下落率
1カ月 22.72%
3カ月 29.50%
6カ月 ▲39.10%
12カ月 ▲35.95%

※2022年10月時点

最大下落率は運用期間がまだ短いので12%程度しかありませんが、リーマンショックのときは株式ファンドは40~50%程度下落したこともありますので、今後、まだまだ大きな下落をすることはあると思っておいたほうがいいですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

それでは、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、評判がわかります。評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、資金が流出超過になります。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは2021年の後半を除いて、基本資金が流入超過となっています。ですので、評判は悪くないことがわかりますが、2022年のパフォーマンスを考えると、疑問が残りはします。


※引用:モーニングスター

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドへの投資は社会貢献も兼ねて投資ができ、かつパフォーマンスも高いということで、いわば理想の投資が実現できるファンドであると言えます。

かなり値動きが大きいという点で、投資を始めたばかりの人にはあまり向かないファンドではありますが、インデックスファンドよりもパフォーマンスは良いですので、投資をしてみる価値はあります。

私は社会貢献とリターンの両方を実現するという考え方には深く共感するものの、実現可能性については昔から疑問に思っていましたが、最近は少しずつその考え方を変えてきています。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドのように社会的貢献とリターンの両方を追求できるファンドが増えれば、より投資資金も集まりやすくなり、社会がより豊かになっていくのは間違いありません。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドには引き続き頑張ってほしいと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点