近年、非常に注目されているESG投資の中にも実は色々な
投資手法があります。
その中でも、社会的課題の解決(社会的利益)と投資リターン
の2つの利益の獲得を目指すのがインパクト投資とよばれる
手法です。
今回は、三菱UFJ国際投信のベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド
『愛称:ロイヤル・マイル』について徹底分析していきます。
「ロイヤル・マイルって投資対象としてどうなの?」
「ロイヤル・マイルって持ってて大丈夫なの?」
「ロイヤル・マイルより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』の基本情報
投資対象は?
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの投資対象は、
日本を含む世界各国の株式です。
社会的インパクトをもたらす事業によって、長期の視点から
成長が期待される世界各国の企業の株式に投資をしていきます。
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの国別の投資比率
及び、業種別の投資比率を見ていきます。
国別では、アメリカが約5割、次いで、中国、オランダとなっています。
業種別では、一般消費財・サービス領域の銘柄の比率が高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
現在の組入銘柄数は39銘柄となっており、かなり銘柄を絞り込んで
います。
純資産総額は?
投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。
純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を
投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の
影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。
投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資
信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることも
ありますので注意が必要です。
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは現在、
676億円程の規模にまで成長しています。
パフォーマンスも好調であることから着実に純資産を
伸ばしています。
規模としては問題ありませんね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?
これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。
特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの実質コストは
1.65%と割高です。
近年のアクティブファンドの中ではまだマシな水準ですが、
購入時手数料もかかるので、投資する際には慎重にならざるを
得ませんね。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.6445%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.65%※概算値 |
※引用:最新運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』の評価分析
基準価額をどう見る?
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは設定した
タイミングが良かったこともあり、コロナショックの影響を
ものともせず、右肩上がりに上昇を続けています。
さすがに上昇しすぎ感は否めませんが、コロナ禍で、
ヘルスケア銘柄が好調であったことも大きく影響しています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの
運用実績を見てみましょう。
直近1年間の平均利回りは30%を超えています。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 31.14% |
3年 | – |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは
日本株を含む海外株式カテゴリーに属していますが、
せっかく投資をするのであれば、
同カテゴリー内でもパフォーマンスが高いファンドに
投資をしたいものです。
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは
同カテゴリー内で下位20%となっており、
高いパフォーマンスとは言えません。
上位●% | |
1年 | 79% |
3年 | – |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年10月時点
年別のパフォーマンスは?
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの年別の
パフォーマンスも見てみましょう。
2020年は83%と驚異的な結果となっています。
どの期間でも2桁プラスになっているのは心強いですね。
年間利回り | |
2021年 | 14.39%(1-9月) |
2020年 | 83.47% |
2019年 | 19.93%(4-12月) |
※2021年10月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。 ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。 >>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドに投資をする
のであれば、最低限、低コストのインデックスファンドより
パフォーマンスが優れていなければ、投資をする価値がありません。
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは日本株を含む
世界の株式に投資をしますので、同じように日本株を含む
世界の株式に分散投資ができるeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
と比較をしてみました。
※引用:モーニングスター
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドが2020年以降は
圧倒的な差をつけていることがわかります。
これだけインデックスファンドに差を付けれるのであれば、
投資をする価値があると言えそうです。
ロイヤル・マイル | slim 全世界 | |
1年 | 31.14% | 36.34% |
3年 | – | – |
5年 | – | – |
10年 | – | – |
※2021年10月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドへ投資をするのであれば、アクティブファンド
の中でも優秀なファンドに投資をしたいものです。
そこで、今回は世界の株式に投資ができるグローバル・ハイクオリティ
成長株式ファンドとパフォーマンスを比較してみました。
※引用:モーニングスター
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンドもかなり
パフォーマンスは優れているのですが、
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドはそのはるか上を
いっています。
ロイヤル・マイル | G・ハイクオリティ | |
1年 | 31.14% | 19.31% |
3年 | – | 20.53% |
5年 | – | 24.59% |
10年 | – | – |
※2021年10月時点
最大下落率は?
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドに投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは
非常に重要です。
どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。
それではここでベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの
最大下落率を見てみましょう。
最大下落率は運用期間がまだ短いので12%程度しかありません
が、リーマンショックのときは株式ファンドは40~50%程度
下落したこともありますので、今後、まだまだ大きな下落をする
ことはあると思っておいたほうがいいですね。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲12.43% |
3カ月 | ▲5.65% |
6カ月 | ▲6.04% |
12カ月 | – |
※2021年10月時点
評判はどう?
それでは、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの
評判はどうでしょうか?
ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を
見ることで、評判がわかります。
評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは2020年後半から
資金流入超過額がどんどん増えており、パフォーマンスが
かなり好調であることが大きく影響しています。
ただ、直近の直近ではパフォーマンスが落ち着いてきたこと
もあり、資金が流出超過となっています。
※引用:モーニングスター
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』の今後の見通しと評価まとめ
いかがでしょうか?
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドへの投資は
社会貢献も兼ねて投資ができ、かつパフォーマンスも高い
ということで、いわば理想の投資が実現できるファンドで
あると言えます。
ただ、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドは
まだ運用期間が1年ちょっとですので、まだ優れたファンド
であるかを判断するには早いでしょう。
少なくとも3年程度のパフォーマンスは見てから判断を
したいところです。
一方で、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドの
ように社会的貢献とリターンの両方を追求できるファンドが
増えれば、より投資資金も集まりやすくなり、社会が
より豊かになっていくのは間違いありません。
まだ、もう少し様子をする必要はありますが、
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドには
引き続き頑張ってほしいと思います。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点