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アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの評価や評判は?利回りはどう?

企業との対話に重きを置き、ここ1年ほどで急激に投資家の人気を集めているのが、アムンディ・アセットマネジメントのアムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドです。

果たして、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドとはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。

「アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドって投資対象としてどうなの?」

「アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの基本情報

投資対象は?

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの投資対象は、日本国内の株式です。

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドは、機関投資家が投資先企業との持続的な成長と企業価値の向上を目指して行う対話(エンゲージメント)を重視しており、キャッシュリッチにもかかわらず、株価の評価の低い企業と向き合い、企業価値の向上に貢献しています。


※引用:販売資料

エンゲージメントと聞いても、具体的にどういった対話・提案を行っているのかイメージが湧かない人もいると思いますので、以下にサンプルを載せておきます。


※引用:販売資料

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの業種別の構成比率を見てみると、電気機器の比率が高くなっていますね。


※引用:交付目論見書

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの現在の組入銘柄数は65銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

つづいて、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの純資産総額は、現在約573億円です。2023年に入ってから、パフォーマンスが非常に好調であることを背景に、投資家の資金が一気に流入しています。規模としては全く問題ない水準です。


※引用:アムンディアセットマネジメントHP

実質コストは?

投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。

これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりも、かなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの実質コストは2.49%となっており、かなり割高です。購入時手数料も3.3%かかるので、初年度は優に5%以上のコストがかかることになります。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.87%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.49%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの基準価額を見てみましょう。

2021年、2022年はほぼ横ばいでしたが、2023年はかなり大きく上昇しています。


※引用:ウエルスアドバイザー

利回りはどれくらい?

それでは、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの運用実績を見ていきます。

直近1年間の利回りは36.20%となっています。どの期間で見ても、6%以上の利回りを確保できているので、悪くないですね。

ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。

平均利回り
1年 +36.20%
3年 +16.52%
5年 +6.59%
10年 +10.26%

※2023年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドは、国内小型バリューカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドは、どの期間においても平均以上となっており、優秀な部類に入ります。

上位●%
1年 23%
3年 34%
5年 34%
10年 50%

※2023年10月時点

年別のパフォーマンスは?

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの年別の利回りを見てみましょう。

年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。

2018年、2020年はマイナスとなっていますが、それ以外の年では2桁プラスの年も多く、これであれば安心して投資ができますね。

年間利回り
2023年 +32.12%(1-9月)
2022年 +3.20%
2021年 +8.94%
2020年 ▲7.26%
2019年 +19.25%
2018年 ▲20.97%
2017年 +28.44%
2016年 +5.91%
2015年 +9.95%
2014年 +22.78%

※2023年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。

パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。

そこで、今回は、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドと日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。


※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間では、2022年以降、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドがパフォーマンスで上回っています。

5年平均利回りでは、ニッセイ 日経225インデックスファンドのほうが上回っていますが、10年平均利回りでは、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドが上回っていますので、高いコストを支払ってでも投資をする価値があると言えます。

年平均利回り アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンド ニッセイ日経 225
1年 +36.20% +25.03%
3年 +16.52% +13.02%
5年 +6.59% +7.56%
10年 +10.26% +9.99%

※2023年10月時点

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。

投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。

今回は、国内小型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンとパフォーマンスを比較しました。


※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間では、2022年以降、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドが大きく差を広げています。

ただ、5年、10年平均利回りでは東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンのほうが優れた成果を残しています。どちらのファンドも長期ではインデックスファンドを上回っているので、どちらも選択肢になりますね。

年平均利回り アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンド 東京海上・ジャパン・オーナーズ株式
1年 +36.20% +6.88%
3年 +16.52% +1.77%
5年 +6.59% +6.18%
10年 +10.26% +15.63%

※2023年10月時点

最大下落率は?

投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。

特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。

そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。

それでは、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの最大下落率を調べてみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲12.42%
3カ月 ▲21.54%
6カ月 ▲23.32%
12カ月 ▲29.88%

※2023年10月時点

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの最大下落率は2007年11月~2008年10月で▲29.88%となっています。リーマンショック時は多くのファンドが50%近い下落をする中で、30%程度の下落ですんでいるのは高評価です。

ただ、最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。

資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。

それでは、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの評判を見てみましょう。

2023年までは資金の流出入が小さすぎてほぼ見えませんが、2023年以降は、資金の流入超過額が一気に大きくなっており、評判が一気によくなっています。


※引用:ウエルスアドバイザー

NISAとiDeCoの対応状況は?

投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドはNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。

NISA iDeCo
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※2023年11月時点

アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インテックスファンドよりもパフォーマンスが上回っている必要があります。

その点、アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドは、かなり高コスト体質のファンドではありますが、短期で見ても、長期でみても、インデックスファンドを上回るパフォーマンスとなっているので、選択肢の1つとして検討する価値は十分になると言えるでしょう。

またコロナショック時の下落幅も30%程度と、他の株式ファンドと比べれば、小さく抑えられており、その点も評価できます。

ただ、直近10年程度の利回りは明らかに好調ですので、中長期で、年5~6%のリターンが妥当だと思って、あまり期待しすぎず投資をするようにしてください。そうすれば、長く運用を続けられるはずです。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点

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ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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