2019年はレバレッジ型ファンド元年と呼べるほど、
多種多様なレバレッジ型ファンドが登場しました。

 

その中で、ダイワ投信が新規設定したのが、
マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド
『愛称:スマレバ』です。

 

レバレッジ型ファンドの肝となるのが、レバレッジを
かけているからこその急落相場での対応ですが、

 

今回はたまたまコロナショックが来たので、レバレッジ
型ファンドのパフォーマンスを検証するには、とても
よい機会だと思っています。

 

クオンツ運用のスペシャリストのマンAHLが運用する
スマレバはどのようなファンドなのか、早速、分析
していきたいと思います。

 

 

マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド『スマレバ』の基本情報

投資対象は?

スマレバの投資対象は株価指数先物、債券先物等に投資を
行い、独自の数量モデルを活用してポジションを構築します。

 

現在の投資比率は債券が90%、株式40%程度となっており、
高いときは300%を超えることもあるようなので、レバレッジは
かなり抑えた運用をしていることがわかります。

 

運用の特徴は?

スマレバには3つの運用上の特徴があります。

 

1つ目は効率的にリターンを積み上げるスマート・
レバレッジ戦略です。

 

リスクベースの資産配分とレバレッジ・コントロールを
することで効率的にリターンを狙います。

 

リスクベースの資産配分というのは、簡単に言えば、
リスクの高いアセットクラスは少額しか保有せず、

 

リスクの低いアセットクラスは多く保有することで、
各アセットクラスの価格変動による影響を平準化する
効果があります。


※引用:商品説明資料

 

そして、レバレッジ・コントロールとは今までの
レバレッジ型ファンドにはなかった戦略で、リスクに
応じて、レバレッジの比率を変更するというものです。

 

リスクが低くなれば、レバレッジを高め、リスクが
高くなれば、レバレッジを下げることで、リスク
管理をしていこうというわけです。

 

これが本当にうまくできるのであれば、レバレッジを
かけて運用する意味があるかもしれません。


※引用:商品説明資料

 

2つ目の特徴は運用資産を守るために働くブレーキ機能です。

 

株式と債券は基本的には異なる動きをしますが、時々同じ
方向に動くときがあります。

 

レバレッジをかけて運用するので、株式が下落しているときに、
債券まで下落するとかなり大きな下落となってしまいます。

 

そこで、10分刻みで米国株式先物と米国債券先物をモニタ
リングし、もし同時下落の兆候があったときは、組み入れ
比率を大きく減らす運用をします。

 

下落による影響を最小限に抑えるわけですね。


※引用:商品説明資料

 

そして、3つ目の特徴が組入資産の下落トレンドに備える
ブレーキ機能です。

 

さきほどは株式と先物が同時に下落した場合に備えるブレーキ
でしたが、今度は単体でみたときのトレンドに対するブレーキです。

 

もし、株式相場が下落トレンドに入ることがわかれば、その
兆候を察知して、株式の組入比率を大きく下げるというわけですね。


※引用:商品説明資料

 

今も昔も相場に合わせて組入資産の比率を調整するという
試みがなされていますが、結局思うような成果をあげられ
ているファンドはほぼありません。

 

今回はリスクに合わせてレバレッジもコントロールすると
いうことで、果たしてどこまでうまく運用できているの
でしょうか。

 

純資産総額は?

続いて、スマレバの純資産総額はどうなっているか見て
みましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができず、余計なコストが発生
することがあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

スマレバは非常に人気を集めており、パフォーマンスは
そこまでですが、すでに純資産総額は1300億円を
超える規模となっています。

 

1年経たずしてこの規模にまで成長するのはなかなか
お目にかかりません。

 

それだけ多くの投資家が注目していると言えます。


※マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額
より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストを
もとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

スマレバの信託報酬は1.6375~2.1875%となっています。

 

今回、スマレバは面白い信託報酬体系となっており、一部
成果報酬型の信託報酬となっています。

 

成果報酬型の信託報酬というのは投資家からすれば歓迎
ですが、そもそも基準値が高ければ何の意味もありません。

 

今の時代に購入時手数料を3.3%取り、信託報酬を2%も
とるファンドを用意してくるとはさすがの自信ですね。

3.3%(税込)
信託報酬 1.6375~2.1875%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト まだ不明

※引用:最新運用報告書

 

期待できる運用利回りは?

続いて、スマレバの期待利回りを見てみましょう。

 

あくまでバックテストの結果なので、そのまま
信じるわけにはいきませんが、2001年3月から
2019年8月までの約18年間の利回りは平均10%と
なっています。

 

最近はバックテストの結果を載せている販売資料が
多くなっていますが、あくまでも過去のデータを
用いての運用ですので、参考程度にしてください。


※引用:商品説明資料

 

マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド『スマレバ』の評価分析

基準価額の推移は?

シグナルの基準価額は、とても特徴的な値動きをしています。

 

2月ごろまではかなり急上昇していきましたが、コロナ
ショックで急落し、その後はかなり堅実な推移となって
います。

 

マンAHLのクオンツ運用はコロナショックではうまく
立ち回れなかった印象が強く、多くのファンドがコロナ
前の高値水準まで戻し始めている中で、スマレバは
苦戦していますね。


※引用:モーニングスター

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較①

スマレバに投資をするのであれば、より低コストで運用が
できるインデックスファンドとパフォーマンスを比較して
からでも遅くはありません。

 

スマレバと同じポートフォリオのファンドはありません
ので、なかなか比較対象を選ぶのが難しいところでは
ありますが、債券比率がかなり高いので、eMAXIS Slim
先進国債券インデックスと比較をしました。


※引用:モーニングスター

 

先進国債券ファンドと比較をすると、スマレバは上下に
大きく変動していますが、パフォーマンスでははるかに
劣っています。

 

これだけを見ると、高い購入時手数料と信託報酬を
支払わなくても先進国債券ファンドに投資をすれば、
十分に思えてきます。

 

一方で、スマレバは株式も組み入れられていますので、
バランスファンドとのパフォーマンス比較もしてみま
した。

②インデックスファンドとのパフォーマンス比較

今回は、超低コストのインデックスファンドとして、
人気の高いeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
比較をしました。


※引用:モーニングスター

 

バランスファドと比較をするとかなり手堅い運用が
できていることがわかります。

 

機動的にアセットアロケーションを変更しているので、
どのファンドを比較をするのか悩ましいところでは
ありますが、通常の株式を組み込んだバランスファンド
よりは下落を抑えられているように思えます。

 

運用期間がまだ短いので、もう少し長い期間で検証して
みないとなかなか判断しづらいですね。

 

評判はどう?

続いて、スマレバの評判を見てみましょう。

 

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを
購入しているということなので、評判がいいということに
なります。

 

スマレバは新規設定してから毎月多額の資金が流入しており、
なぜここまで人気なのか、販売会社の力の入れようがよく
わかります。

 

ただ、コロナショックの前後の運用を見る限り、そこまで
評価の高いファンドだとは思えません。

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

スマレバの積立NISAとiDeCoの対応状況を確認して
おきましょう。

 

レバレッジ型ファンドはリスクが高いと思われて
いますので、残念ながらどちらも対応していません。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド『スマレバ』の評価分析

スマレバの実質的な運用はマンAHLといって約30年間
システム運用の先駆者として業界をリードしている
企業です。

 

業界の人間であれば、クオンツ運用といえばまず
マンAHLが出てきます。

 

マンAHLを一躍有名にしたのがマンAHLダイバーシファイド
というファンドです。

 

あのリーマンショックの期間になんと10%以上のプラスを
出したことで注目が集まりました。

 

そういう意味でマンAHLのクオンツ運用であれば、
もしかしたら下落相場を事前に察知し、リスクコン
トロールできるのでは?という期待を抱いていました。

 

ただ、今回のコロナショックでの運用を見る限り、
たいしてうまく運用ができておらず、他のファンド
のほうがはるかにうまくコロナショックを切り抜けて
います。

 

まだ運用が始まってから1年も経っていないので、
評価をするには少し早計ではありますが、コロナ
ショックのような暴落時にこそ、

 

力を発揮することを期待していたにもかからわず、
このパフォーマンスというのは少し残念です。

 

少なくとも販売手数料、信託報酬ともにかなり割高
なので、投資をするにしてももう少し様子をみてから
で十分ですね。

 

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点