毎月分配型のファンドの大半が大きく資金流出するなかで、大きく
資金流入しているのがニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)です。

 

2018年以降、純資産を3倍近くにまで伸ばしており、注目を集め
始めています。

 

実際はカラクリがあるわけですが、今日はニッセイ 世界リート
オープン(毎月決算型)を徹底分析していきます。

 

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の投資対象は、世界各国
(日本を除く)のREITです。

 

アライアンス・バーンスタイン・コクサイ・リート・ファンドを
通じて、ファンド・オブ・ファンズ形式で運用を行います。

 

ですので、実質的に運用を行うのはアライアンス・バーンススタイン
ということになります。

 

あまり名前を聞いたことがない運用会社だと思うかもしれませんが、
世界25か国51都市に拠点を有し、60兆円以上の資産を運用する資産
運用会社です。

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の組入比率を見てみると、
現在は128銘柄に投資をしており、そのうち7割が米国のREITとなって
います。

 

世界的の市場規模から考えても、米国のRIETは6割強ありますので、
偏った投資をしているというわけではありません。

 


※引用:マンスリーレポート

 

セクター別の組入比率を見てみると、多角施設や小売セクターが高くなっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

 

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に
効率よく運用できたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、
コストが相対的に低く抑えられます。

 

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので
注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は2018年まで
100億円程度の規模でしたが、直近で純資産をのばして、
一時は1000億円を超えていました。

 

現在はコロナショックの影響で800億円程度の規模にまで
減少していますが、それでも未だ大きなファンドです。

 

これは、分配金が非常に高くなっており、分配金利回りの高さに
釣られて投資をしている人が急増したという見方が正しいです。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかって
いることをご存知ですか?

 

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や
有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

 

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり
割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の実質コストは1.65%と
割高です。

 

それに加えて高い購入時手数料もかかりますので、購入した初年度
から5%近く資産が目減りしてしまいます。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.65%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.65%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の評価分析

基準価額の推移は?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の基準価額は
直近3年間で約60%ほど下落しています。

 

コロナショック以前からじわじわと右肩下がりに推移を
していましたがコロナショックがダメ押しとなりました。

 

後述しますが、ここまで酷いタコ足配当をしていれば、
基準価額が急速に下落して当然です。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の直近1年間の
利回りは▲16.52%となっています。

 

3年平均、5年平均ともに、マイナスとなっており、
世界的にリート市場はかなり苦しい状況です。

 

このようにファンド自体の運用利回りがマイナス
であるにもかかわらず、異常に高い分配金を支払って
いますので、このような酷い運用が長くつづくはずが
ありません。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 +19.91% ▲16.52%
3年 +5.13% ▲5.12%
5年 +2.78% ▲2.25%
10年

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外REIT ランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は、国際RIETの
特定地域カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は、もともと平均よりも
少し上位にランクインしていましたが、コロナショックをへて、
同カテゴリー内でも平均以下に落ちています。

 

どちらにしても平均的な水準でしかないファンドなので、
ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)以外のファンドを
探してみるのもよいと思います。

2020年1月 2020年7月
1年 40% 56%
3年 62% 65%
5年 51% 70%
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の年別のパフォー
マンスも見てみましょう。

 

2019年は5年ぶりに20%近い利回りとなり、いよいよREITも
復調かと思いましたが、そううまくは行きませんでした。

 

ファンドの運用が芳しくないのも当然問題ですが、何より
あまりに過剰な分配を出して投資家を騙しているのが
大きな問題です。

年間利回り
2020年 ▲19.95%
2019年 +19.91%
2018年 ▲11.30%
2017年 +9.26%
2016年 +2.48%
2015年 ▲3.69%
2014年 +32.80%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)に投資をする
のであれば、より低コストで投資ができるインデックス
ファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

 

今回は、S&P グローバルRIET指数に連動するニッセイ
Gリートインデックスファンドとパフォーマンスを比較
しました。

 

結果は終始、ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)が
パフォーマンスで劣る結果となっています。

 

これではわざわざ高いコストを支払ってまでアクティブ
ファンドに投資をする理由がありません。

 


※引用:モーニングスター

 

少し長期の期間の運用利回りを見ても、どちらもマイナスではありますが、
ニッセイ Gリートインデックスのほうがまだましですね。

ニッセイ 世界リート ニッセイ Gリート
1年 ▲16.52% ▲16.01%
3年 ▲5.12% ▲3.56%
5年 ▲2.25% ▲1.29%
10年

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)に投資をするのであれば、
類似のアクティブファンドをパフォーマンスを比較しておいて、
損はありません。

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は米国REITに
7割ほど投資していますので、今回は米国RIET100%の
ダイワ・USリート・オープン・Bコースと比較をしてみました。

 

結果は、10%以上の差をつけて、ニッセイ 世界リートオープン
(毎月決算型)が負けています。

 

グローバルリートよりも米国リートのほうがまだ良いという
ことがわかりますね。

 


※引用:モーニングスター

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の中長期のパフォーマンスを
見ても、結果は変わりませんでした。

ニッセイ 世界リート ダイワUS-REIT
1年 ▲16.52% ▲9.97%
3年 ▲5.12% ▲0.22%
5年 ▲2.25% 1.57%
10年 9.65%

※2020年7月時点

 

最大下落率は?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型) に投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは
非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではここでニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型) の
最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2020年1月~2020年3月の3カ月で34.33%でした。
コロナショックの下落はニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)
にとって相当痛手だったようですね。

 

ただ、ほかのファンドの最大下落率を考慮すると、 下落するときは
株式ファンドと同程度に下落することがわかっています。REITだから
大丈夫だと思わないようにしてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲29.97%
3カ月 ▲34.33%
6カ月 ▲31.43%
12カ月 ▲30.39%

※2020年7月時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲2110円 1,280円 ▲64%

※2019/7/22~2020/7/21



ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の直近1年間の
分配健全度は▲64%となっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

分配健全度がマイナスの時点で、過剰な分配を続けている
ファンドだとすぐわかりますので、この時点で、投資の対象
から本来ははずしてしまってよいと思っています。

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

分配金利回りは1年間に受け取った分配金総額を基準価額
で割ることで計算できます。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の分配金利回りは
43.2%と異常に高いので、大きな分配金を受け取ることができます。

 

ただ、ファンドの運用利回りがマイナスなので、あなたが
受け取っている分配金のすべてがあなたが投資した資金
が戻ってきているに過ぎないということです。

 

さらに運用利回りがマイナスなので、あなたの投資元本も
そもそも目減りしています。

運用利回り 分配利回り
1年 ▲16.52% 43.2%
3年 ▲5.12%
5年 ▲2.25%
10年

※2020年7月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

案の定、ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)との分配金余力は、
16カ月を切ったタイミングで、減配されました。

 

ただ、分配金余力が増えたとはいえ、たかだかしれています
ので、1年もすれば、再度減配せざるをえないでしょう。

分配金 繰越対象額 分配金余力
67期 120円 2,094円 18.4カ月
68期 120円 2,107円 18.5カ月
69期 120円 2,122円 18.6カ月
70期 120円 2,137円 18.8カ月
71期 120円 2,154円 18.9カ月
72期 120円 2,173円 19.1カ月
73期 120円 2,094円 18.4カ月
74期 120円 2,016円 17.8カ月
75期 120円 1,937円 17.1カ月
76期 120円 1,857円 16.4カ月
77期 120円 1,777円 15.8カ月
78期 80円 1,738円 22.7カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

それでは、ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型) の
評判はどうでしょうか?

 

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見る
ことで、評判がわかります。

 

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなって
いれば、資金が流出超過になります。

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は2017年以降、毎月
かなり大きな資金流入が続いています。これは分配利回りが高く
なったことで、分配金利回り目当ての投資家がファンドを購入して
いるからです。

 

残念ながら、分配金の大きさの割りに運用パフォーマンスが追いついて
きていないので、結局自分が投資した元金が戻ってきているだけの
状態になるのがおちですね。


※引用:モーニングスター

 

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

 

米国リート市場は、経済活動が徐々に再開されたことや景気の
持ち直しが想定よりも早まったことを支援材料に上昇したものの、
コロナの感染増加ペースが再加速したことから、不安定な
動きを続けています。

 

ここからもう一段大きく下落するというのは考えづらいですが、
ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)にとっては、コロナ
ショックの下落は相当大きな影響を与えました。

 

過剰な分配をしているところにコロナショックが来たこともあり、
分配金利回りは急上昇し、基準価額の下落に歯止めがかかりません。

 

分配金余力はまだ余裕がありますが、基準価額の下落が止まらない
ので、減配のリスクがまったくないとも言い切れません。

 

何より、明らかにファンドの収益よりも高い分配金を出して、
投資家を騙すような運用をしているニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)
にあえて投資をする理由がないと言えます。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点