毎月分配型のファンドの大半が大きく資金流出するなかで、大きく
資金流入しているのがニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)です。

2018年以降、純資産を3倍近くにまで伸ばしており、注目を集め
始めています。

実際はカラクリがあるわけですが、今日はニッセイ 世界リート
オープン(毎月決算型)を徹底分析していきます。

「ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)って投資対象としてどうなの?」

「ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)って持ってて大丈夫なの?」

「ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の投資対象は、世界各国
(日本を除く)のREITです。

アライアンス・バーンスタイン・コクサイ・リート・ファンドを
通じて、ファンド・オブ・ファンズ形式で運用を行います。

ですので、実質的に運用を行うのはアライアンス・バーンススタイン
ということになります。

あまり名前を聞いたことがない運用会社だと思うかもしれませんが、
世界25か国51都市に拠点を有し、60兆円以上の資産を運用する資産
運用会社です。

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の組入比率を見てみると、
現在は125銘柄に投資をしており、そのうち7割が米国のREITとなって
います。

世界的の市場規模から考えても、米国のRIETは6割強ありますので、
偏った投資をしているというわけではありません。


※引用:マンスリーレポート

セクター別の組入比率を見てみると、多角施設や小売セクターが高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年4月時点

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に
効率よく運用できたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、
コストが相対的に低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので
注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は2018年まで
100億円程度の規模でしたが、直近数年で純資産を急激に
伸ばしており、現在は1000億円を超える規模になっています。

これは、分配金が非常に高くなっており、分配金利回りの高さに
釣られて投資をしている人が急増したという見方が正しいです。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかって
いることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や
有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり
割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の実質コストは1.65%と
割高です。

それに加えて高い購入時手数料もかかりますので、購入した初年度
から5%近く資産が目減りしてしまいます。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.65%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.65%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の基準価額は
直近3年間で約50%ほど下落しています。

コロナショック後はファンドの運用も好調なところが多く、
基準価額が下落するようなファンドはほとんどないのですが、
ここからもいかに過剰な分配を続けているかがよくわかります。

この下落の仕方は相当異常事態だと思ってください。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の直近1年間の
利回りは48.26%です。

コロナショック後で大きく下落した後からの1年なので、
ある程度高くなって当然です。あまり参考にしないで
ください。

3年平均、5年平均利回りは3~5%なので、リートであれば、
これくらいの水準が妥当と言えるでしょう、

少なくともファンドの運用利回りは数%しかないので、
分配金利回りが20%以上になっているということは、
ほとんどタコ足配当になっているという証拠です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +48.26%
3年 +5.23%
5年 +3.32%
10年

※2021年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外REIT ランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は、国際RIETの
特定地域カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は、直近1年以外は、
平均以下の順位となっていますので、他にもっと優れたファンドが
多数あることがわかります。

全期間上位10%に入るようなファンドはほとんどありませんが、
少なくとも30%以内には入っているようなファンドに投資を
したいものです。

上位●%
1年 31%
3年 68%
5年 58%
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の年別のパフォー
マンスも見てみましょう。

2桁プラスの年も何年かありますが、2桁マイナスの年も
何年かあり、総じて、運用は安定していません。

このような状況の中で、過剰な分配を続けるわけですから、
基準価額が下落しつづけても当然といえば、当然ですね。

年間利回り
2021年 +13.87%(1-3月)
2020年 ▲14.50%
2019年 +19.91%
2018年 ▲11.30%
2017年 +9.26%
2016年 +2.48%
2015年 ▲3.69%
2014年 +32.80%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)に投資をする
のであれば、より低コストで投資ができるインデックス
ファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、S&P グローバルRIET指数に連動するニッセイ
Gリートインデックスファンドとパフォーマンスを比較
しました。


※引用:モーニングスター

結果は終始、ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)が
パフォーマンスで劣る結果となっています。

これではわざわざ高いコストを支払ってまでアクティブ
ファンドに投資をする理由がありません。

少し長期の期間の運用利回りを見ても、ニッセイ Gリート
インデックスに分があります。

ニッセイ 世界リート ニッセイ Gリート
1年 +48.26% +39.60%
3年 +5.23% +7.50%
5年 +3.32% +3.42%
10年

※2021年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)に投資をするのであれば、
類似のアクティブファンドをパフォーマンスを比較しておいて、
損はありません。

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は米国REITに
7割ほど投資していますので、今回は米国RIET100%の
ダイワ・USリート・オープン・Bコースと比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

結果は、3年間で30%近い差をつけて、ニッセイ 世界リート
オープン(毎月決算型)が負けています。

グローバルリートよりも米国リートのほうがはるかに
パフォーマンスが良いです。

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の中長期のパフォーマンスを
見ても、この結果は変わりません。

ニッセイ 世界リート ダイワUS-REIT
1年 +48.26% +38.15%
3年 +5.23% +12.30%
5年 +3.32% +5.50%
10年 +10.73%

※2021年4月時点

最大下落率は?

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型) に投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは
非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型) の
最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は2020年1月~2020年3月の3カ月で34.33%でした。
コロナショックの下落はニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)
にとって相当痛手だったようですね。

ただ、ほかのファンドの最大下落率を考慮すると、 下落するときは
株式ファンドと同程度に下落することがわかっています。REITだから
大丈夫だと思わないようにしてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲29.97%
3カ月 ▲34.33%
6カ月 ▲31.43%
12カ月 ▲30.39%

※2021年4月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
287円 960円 119%

※2020/4/23~2021/4/22

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の直近1年間の
分配健全度は119%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

コロナショック後の1年は非常に好調だったこともあり、
分配金をすべてファンドの収益で賄うことができています。

ただし、過剰な分配を続けていますので、すぐに分配健全度は
100%を切ること間違いありません。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

分配金利回りは1年間に受け取った分配金総額を基準価額
で割ることで計算できます。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の分配金利回りは
29.8%と異常に高いので、大きな分配金を受け取ることができます。

ただ、ファンドの運用利回りが数%しかありませんので、
差し引き20%近い分配金はあなたが投資した元本から支払われて
いるだけです。

ここまであくどい分配をしているファンドは他になかなか
お目にかかりません。

運用利回り 分配利回り
1年 +48.26% 29.8%
3年 +5.23%
5年 +3.32%
10年

※2021年4月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)との分配金余力は、
20カ月を切っていますので、近々減配されてもおかしくない
ですね。

分配金 繰越対象額 分配金余力
73期 120円 2,094円 18.4カ月
74期 120円 2,016円 17.8カ月
75期 120円 1,937円 17.1カ月
76期 120円 1,857円 16.4カ月
77期 120円 1,777円 15.8カ月
78期 80円 1,738円 22.7カ月
79期 80円 1,699円 22.2カ月
80期 80円 1,658円 21.7カ月
81期 80円 1,615円 21.1カ月
82期 80円 1,574円 20.6カ月
83期 80円 1,530円 20.1カ月
84期 80円 1,488円 19.6カ月

※引用:最新運用報告書

評判はどう?

それでは、ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型) の
評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見る
ことで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなって
いれば、資金が流出超過になります。

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)は2017年以降、毎月
かなり大きな資金流入が続いています。これは分配利回りが高く
なったことで、分配金利回り目当ての投資家がファンドを購入して
いるからです。

残念ながら、分配金の大きさの割りに運用パフォーマンスが追いついて
きていないので、結局自分が投資した元金が戻ってきているだけの
状態になるのがおちですね。


※引用:モーニングスター

ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

多くの人が未だ理解していないようですが、分配金利回りと
ファンドの運用利回りはまったく別物です。

仮にあなたが100万円を投資したとして、分配金利回りが30%、
ファンドの運用利回りが10%だった場合、

1年間でファンドの運用益は10万円しか増えないにもかかわらず、
あなたは30万円もの分配金を受け取っているということです。

この差額の20万円はどこから出てきたのかといえば、あなたが
投資した元本の100万円から取り崩されています。

なので、分配金がいくら多くもらえても、ファンドの収益が
伴わないファンドであれば、ただ投資した元本が戻ってきて
いるに過ぎないのです。

このことをわかっていない投資家が多く、このファンドにも
目先の分配金につられて投資をしてしまっている投資家が
目立ちます。

過去に過剰な分配をしてきたファンドをみれば、わかりますが、
ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型)のような分配を
続けているファンドは、もうそろそろ限界がきます。

そうすると、毎年減配されることになり、今は80円/月ありますが、
数年後には10円/月になっていても何もおかしくありません。

それくらい無謀な分配をしているファンドですし、もともとファンド
自体のパフォーマンスも他のファンドと比べて劣ります。

このように投資家を騙してお金を集めているようなファンドには
くれぐれも投資をしないようにしてください。

保有している人はすぐに解約するべきでしょう。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点