2017年、高い運用実績を残したことで、一気に注目を集め始めたSBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ『愛称:jrevive』。
非常に人気の高かったファンドですが、現在はパフォーマンスが悪化しており、人気にも陰りが見え始めています。
今日は、ジェイリバイブ『jrevive』を徹底分析していきます。
「ジェイリバイブって投資対象としてどうなの?」
「ジェイリバイブって持ってて大丈夫なの?」
「ジェイリバイブより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
SBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ『jrevive』の基本情報
投資対象は?
投資対象は、株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、日本経済に更新すると考えられる国内の株式です。業種別構成比は下図のようになっています。サービス業や電気機器が高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
続いて組み入れ銘柄を見てみましょう。現在の組み入れ銘柄は51銘柄、そのうち上位の10銘柄は下図のようになっています。
1位のサイゼリヤは低価格イタリアン「サイゼリヤ」を直営展開している企業です。2位のMCJはパソコン製造・販売から始まり、「マウス」ブランドが主力です。3位の東京精密は計測機器製造の技術を生かして半導体製造装置に展開し、業績を伸ばしています。
※引用:マンスリーレポート
運用体制は?
ジェイリバイブ『jrevive』に投資助言を行っているのがエンジェルジャパン・アセットマネジメントと言う会社です。
中小型株に特化した投資顧問会社で、小型株ファンドで高いパフォーマンスを出しているファンドはエンジェルジャパンが投資助言で入っている場合も多いです。
逆に言えば、運用会社のファンドマネージャーたちが運用を任せたいと思うくらい国内中小型株に強みを持っているということです。
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。
また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。
ジェイリバイブ『jrevive』は2014年以降、パフォーマンスが好調だっとこともあり、純資産残高を大きく伸ばしましたがが、2018年にはいってからは運用が優れず、純資産総額は約52億円まで減少しています。この規模だど心許ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ジェイリバイブ『jrevive』の実質コストは2.01%となっており、かなり割高な水準です。高い運用実績がでていれば良いですが、普通であれば、コストが高すぎてまずおすすめしませんね。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.87%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3% |
実質コスト | 2.01%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
ジェイリバイブ『jrevive』の評価分析
基準価額をどう見る?
ジェイリバイブ『jrevive』の基準価額は、2021年末から大きく下落し、2023年にはある程度、戻してきましたが、まだ直近の最高値を更新するまでには至っていません。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
つづいて、ジェイリバイブ『jrevive』の運用実績を見てみましょう。
直近1年間の利回りは14.06%となっています。3年平均利回りは約9%、5年平均利回りが4%、10年平均利回りは16%と運用にかなりムラがあることがわかります。
投資家目線で言えば、できる限り安定した運用をしてくれるファンドのほうが安心して投資ができますので、このパフォーマンスのムラは好ましくないですね。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +14.06% |
3年 | +8.77% |
5年 | +3.58% |
10年 | +15.99% |
※2023年9月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
ジェイリバイブ『jrevive』は、国内小型株のグロースカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、小型株カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
ジェイリバイブ『jrevive』は、5年平均利回りだけは、平均的なランクですが、それ以外は上位30%に入っており、優秀な結果となっています。
上位●% | |
1年 | 24% |
3年 | 26% |
5年 | 50% |
10年 | 11% |
※2023年9月時点
年別の運用利回りは?
ジェイリバイブ『jrevive』の年別の利回りを見てみましょう。
大きなリターンを狙いにいっているため、仕方ない部分ではありますが、30%を超える下落というのは、投資家としては、かなり辛いですね。
2022年も2桁マイナスになってはいますが、大きな下落に耐えるだけの覚悟があれば、長期保有をすることで大きなリターンが期待できるファンドです。
年間利回り | |
2023年 | +11.99%(1-6月) |
2022年 | ▲10.31% |
2021年 | +7.50% |
2020年 | +8.18% |
2019年 | +27.31% |
2018年 | ▲30.18% |
2017年 | +62.11% |
2016年 | +5.06% |
2015年 | +32.00% |
2014年 | +40.14% |
※2023年9月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとの利回り比較
ジェイリバイブ『jrevive』に投資するにあたって、より低コストで運用できるインデックスファンドとのパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
今回は、日経225をベンチマークとするニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較してみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間ではどの期間においてもニッセイ 日経225インデックスファンドに軍配が上がりました。これでは高いコストを支払ってまで、ジェイリバイブに投資をしようとは思いません。
10年平均利回りだけはジェイリバイブが勝っていますが、運用のムラは投資するには少し怖いですね。
年平均利回り | ジェイリバ | ニッセイ日経 225 |
1年 | +14.06% | +18.36% |
3年 | +8.77% | +13.94% |
5年 | +3.58% | +9.22% |
10年 | +15.99% | +11.08% |
※2023年9月時点
アクティブファンドとの利回り比較
せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたいと思うもの。
今回は、国内大型で中長期で高いパフォーマンスを残しているスパークスの厳選投資と比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間ではかなり競っており、状況がわかります。
より長期のパフォーマンスで比較をしてみるとどうでしょう?
年平均利回り | ジェイリバ | 厳選投資 |
1年 | +14.06% | +19.03% |
3年 | +8.77% | +8.78% |
5年 | +3.58% | +7.50% |
10年 | +15.99% | +14.63% |
※2023年10月時点
5年平均は厳選投資、10年平均利回りでは、ジェイリバイブということで、甲乙つけがたい状況です。
ただ、安定的にプラスのリターンを残しているのは厳選投資と言えますね。
最大下落率はどれくらい?
ジェイリバイブへの投資を検討するのであれば、どの程度下落する可能性があるのかは事前に知っておくのは重要です。
どの程度下落するのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられるからです。
標準偏差から変動幅を予測することはできますが、やはり過去に実際にどの程度下落したことがあるのかを調べたほうがイメージしやすいので、おすすめです。
それでは、ジェイリバイブの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲18.43% |
3カ月 | ▲32.62% |
6カ月 | ▲34.60% |
12カ月 | ▲43.63% |
※2023年9月時点
ジェイリバイブ『jrevive』は2007年11月に一番タイミング悪く買って、2008年10月に一番タイミング悪く売った場合に最大▲43.63%あなたの資産が目減りした可能性があります。
100年に一度のリーマンショックと言われていますので、今後同じようなことが起きる可能性は低いですが、40%下落する可能性はあることは心にとめておきましょう。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
続いて、ジェイリバイブ『jrevive』の評判を見ていきたいと思います。評判を測る指標としては、ファンドへの資金流出入額が参考になります。
資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判がいいということになります。逆に資金が流出しているということは人気がなくなっているということですね。
2017年はパフォーマンスが非常に良かったので、人気も急上昇していましたが、2018年以降はパフォーマンスが思わしくないことから資金の流出が続いています。
さすがにインデックスファンドに負けているとなると投資家としては低コストのファンドに切り替えたくなりますね。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
残念ながら、ジェイリバイブはどちらも対応していません。
NISA | iDeCo |
× | × |
※2023年9月時点
SBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ『jrevive』の評価と今後の見通し
いかがでしょうか?
ジェイリバイブ『jrevive』は10年平均利回りは優れていますが、短期でのパフォーマンスがいまいちです。
そのため、資金流出を続けており、長い目線で、大きな変動があったとしても、保有を続けられるメンタルのない人にとっては、インデックスファンドへの投資のほうが無難な選択になります。
ただ、アクティブファンドはインデックスファンドよりもパフォーマンスが大きく劣る年もあれば、大きく上回る年もあります。そして、長期で見ると、インデックスファンドを上回る成果を出せるわけです。
目先のパフォーマンスの悪さは気にはなりますが、長期で高いパフォーマンスとなっているからこそ、今が仕込み時と考えてもよいと思います。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点