2017年、高い運用実績を残したことで、一気に注目を集め始めた
SBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ『愛称:jrevive』。
非常に人気の高かったファンドですが、現在はパフォーマンスが
悪化しており、人気にも陰りが見え始めています。
「ジェイリバイブって投資対象としてどうなの?」
「ジェイリバイブって持ってて大丈夫なの?」
「ジェイリバイブより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
今日は、ジェイリバイブ『jrevive』を徹底分析していきます。
SBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ『jrevive』の基本情報
投資対象は?
投資対象は、株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も
安定しており、日本経済に更新すると考えられる国内の株式です。
業種別構成比は下図のようになっています。情報・通信業や
サービス業が高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
続いて組み入れ銘柄を見てみましょう。現在の組み入れ銘柄は56銘柄、
そのうち上位の10銘柄は下図のようになっています。
1位のプロトコーポレーションはグーネットに代表される
中古車情報の提供を行っている企業です。
2位の扶桑化学工業はクエン酸,リンゴ酸などの果実酸が主力の化学品
メーカーです。
3位のSHOEIは住宅・不動産を中心に業績を伸ばしています。
※引用:マンスリーレポート
つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?
ジェイリバイブのつみたてNISAとiDeCoの対応状況を
確認しておきましょう。
つみたてNISAおよiDeCoともに対応していませんが、
ジェイリバイブ<DC年金>という商品であれば、
iDeCo対応しています。
投資をするのであれば、ジェイリバイブ<DC年金>を
活用してください。
つみたてNISA | iDeCo |
× | × |
※2021年9月時点
運用体制は?
ジェイリバイブ『jrevive』に投資助言を行っているのがエンジェル
ジャパン・アセットマネジメントと言う会社です。
中小型株に特化した投資顧問会社で、小型株ファンドで高い
パフォーマンスを出しているファンドはエンジェルジャパンが
投資助言で入っている場合も多いです。
逆に言えば、運用会社のファンドマネージャーたちが運用を任せたい
と思うくらい国内中小型株に強みを持っているということです。
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。
純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金
を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が
相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。
また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。
ジェイリバイブ『jrevive』はリーマンショック以降純資産額が停
滞していました。
2014年以降、パフォーマンスが好調だっとこともあり、
純資産残高を大きく伸ばしましたがが、2018年にはいってからは
運用が優れず、純資産総額は約68億円まで減少しています。
ファンドの規模としては少し心許ないですが、問題ない水準ですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ジェイリバイブ『jrevive』の実質コストは2.00%となっており、
かなり割高な水準です。
高い運用実績がでていれば良いですが、普通であれば、コストが
高すぎてまずおすすめしませんね。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.87%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3% |
実質コスト | 2.00%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
ジェイリバイブ『jrevive』の評価分析
基準価額をどう見る?
ジェイリバイブ『jrevive』の基準価額は、コロナショックで
大きく下落して以降、2018年から続く下落トレンドの方向が
ようやく変わり、高値を更新しました。
とはいえ、他の国内株ファンドと比べると、直近3年間の
伸びは小さいです。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、ジェイリバイブ『jrevive』の運用実績を
見てみましょう。
直近1年間の利回りは+23.84%となっています。
3年平均利回りは約4%、5年10年平均利回りは10%を
大きく超えており、運用にムラがあることがわかります。
それでも高い利回りに見えますが、他のファンドと
パフォーマンスを比較してから投資をするように
してください。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +23.84% |
3年 | +4.69% |
5年 | +14.84% |
10年 | +21.86% |
※2021年9月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
ジェイリバイブ『jrevive』は、国内小型株のグロース
カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、小型株カテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。
ジェイリバイブ『jrevive』は、10年平均利回りだけは、
上位20%にランクインしていますが、1年、3年、5年平均
は平均以下の順位となっています。
上位●% | |
1年 | 46% |
3年 | 63% |
5年 | 53% |
10年 | 17% |
※2021年9月時点
年別の運用利回りは?
ジェイリバイブ『jrevive』の年別の利回りを見てみましょう。
大きなリターンを狙いにいっているため、仕方ない部分では
ありますが、30%を超える下落というのは、投資家としては、
かなり辛いですね。
それ以外の期間の運用は非常に優秀なので、今後の運用に
期待したいところです。
年間利回り | |
2021年 | +4.99%(1-6月) |
2020年 | +8.18% |
2019年 | +27.31% |
2018年 | ▲30.18% |
2017年 | +62.11% |
2016年 | +5.06% |
2015年 | +32.00% |
2014年 | +40.14% |
※2021年9月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。 ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。 >>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは
インデックスファンドとの利回り比較
ジェイリバイブ『jrevive』に投資するにあたって、
より低コストで運用できるインデックスファンドとの
パフォーマンスを比較しておいて損はありません。
今回は、日経225をベンチマークとするニッセイ 日経225
インデックスファンドとパフォーマンスを比較してみました。
※引用:モーニングスター
直近3年間ではどの期間においてもニッセイ 日経225インデックス
ファンドに軍配が上がりました。
これでは高いコストを支払ってまで、ジェイリバイブに投資を
しようとは思いません。
より長期のパフォーマンスで比較をすると5年平均と10年平均利回りだけ、
ジェイリバイブが勝っており、ジェイリバイブはパフォーマンスに
ムラがあることがわかります。
ジェイリバ | ニッセイ日経 225 | |
1年 | +23.84% | +22.93% |
3年 | +4.69% | +8.90% |
5年 | +14.84% | +12.55% |
10年 | +21.86% | +13.90% |
※2021年9月時点
アクティブファンドとの利回り比較
せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。
今回は、国内大型で中長期で高いパフォーマンスを
残しているスパークスの厳選投資と比較しました。
※引用:モーニングスター
一目でわかるほど、厳選投資のほうがパフォーマンスで
優れています。
ここまで差が開くと、高いコストを支払うのであれば、
厳選投資で良いと思ってしまいますね。
より長期のパフォーマンスで比較をしてみるとどうでしょう?
ジェイリバ | 厳選投資 | |
1年 | +23.84% | +22.93% |
3年 | +4.69% | +11.09% |
5年 | +14.84% | +15.92% |
10年 | +21.86% | +19.29% |
※2021年9月時点
10年平均利回りで見ると、ジェイリバイブ『jrevive』のほうが
パフォーマンスで上回っていることがわかります。
ただ、安定的にプラスのリターンを残しているのは厳選投資
です。
投資家目線だと値動きが大きいよりもできるだけ安定して
高いリターンを得たいので、ここは厳選投資のほうが
よいでしょう。
最大下落率はどれくらい?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、
最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。
そこで過去の最大下落率を見てみましょう。
ジェイリバイブ『jrevive』は2007年11月に一番タイミング悪く買って、
2008年10月に一番タイミング悪く売った場合に最大-43.63%あなたの
資産が目減りした可能性があります。
100年に一度のリーマンショックと言われていますので、今後同じような
ことが起きる可能性は低いですが、40%下落する可能性はあることは心に
とめておきましょう。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲18.43% |
3カ月 | ▲32.62% |
6カ月 | ▲34.60% |
12カ月 | ▲43.63% |
※2021年9月時点
評判はどう?
続いて、ジェイリバイブ『jrevive』の評判を見ていきたいと思います。
評判を測る指標としては、ファンドへの資金流出入額が参考になります。
資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入して
いるということなので、評判がいいということになります。
逆に資金が流出しているということは人気がなくなっている
ということですね。
2017年はパフォーマンスが非常に良かったので、人気も急上昇して
いましたが、2018年以降はパフォーマンスが思わしくないことから
資金の流出が続いています。
さすがにインデックスファンドに負けているとなると
投資家としては低コストのファンドに切り替えたくなりますね。
ただ、覚えておいてほしいのは、こういったパフォーマンスが
あまり芳しくない時期にしっかりと仕込んでおくことで、
ジェイリバイブが急騰したときに一気に大きなリターンを
得られる可能性もあります。
※引用:モーニングスター
SBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ『jrevive』の評価と今後の見通し
いかがでしょうか?
ジェイリバイブ『jrevive』は10年平均利回りで高い成果を
出しているので、ポテンシャルは高いと思います。
ただ、直近の運用がうまくいっておらず苦戦を強いられて
います。
2018年の30%のマイナスが大きく響いていますね。
このブログでは何度も話をしていますが、中小型株ファンドに
投資をする場合はかなり基準価額が大きく上下しますので、
それ相応の覚悟を持って投資をしていく必要があります。
そのため、まずは少額で投資をはじめ、値動きになれつつ、
徐々に投資金額を大きくしていくのがよいでしょう。
ジェイリバイブ『jrevive』は直近3年ほどのパフォーマンスは
優れていませんが、優秀な投資顧問会社が助言に入っています。
どんなファンドでもパフォーマンスが悪い時期は必ずあります。
そのパフォーマンスが悪い時期に継続的に購入を続けられれば、
最終的に一番大きなリターンを手にすることができます。
このあたりはあなたの投資戦略次第ですが、今悪いから切り捨てる
という発想だけでなく、今悪いから仕込んでおくという発想も
投資かとして持ってくと、投資の幅が広がると思います。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点