株式、リート、MLPを組み入れた毎月分配型のファンドと
いうことで、一部の投資家から注目を集めているニッセイ
アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月)』。

今日は、USドリーム(毎月分配)を徹底分析していきます。

「USドリーム(毎月分配)って持ってて大丈夫なの?」

「USドリーム(毎月分配)って投資対象としてどうなの?」

「USドリーム(毎月分配)より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


ニッセイ アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月分配)』 の基本情報

投資対象は?

USドリーム(毎月分配)の投資対象は、LM・アメリカ高配当株
ファンドを通じて、米国の株式、MLP(マスター・リミテッド
・パートナーシップ)リートに投資をしていきます。

MLPというのは、米国で行われる共同投資事業形態の1つで、
天然資源の採掘、精製、輸送等に関連する事業を行っています。

対円での為替ヘッジは行いません。証券種別の構成比率を
見ると、株式が約80%、MLPとリートが約10%ずつとなっ
ています。

配当収入の入り口を分散することで、より安定した運用を
目指しているのだと思いますが、MLPへの投資がうまく
いっている例を最近ほとんどみていません。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、USドリーム(毎月分配)の純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく
減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期
せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

USドリーム(毎月分配) は現在、約600億円程度の規模で、
2019年以降、大きく純資産を伸ばしています。

この規模あれば、全く問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

USドリーム(毎月分配)の実質コストは1.914%とかなり高く
なっています。これは、ファンドオブファンズ方式となっ
ているため、二重に信託報酬がかかってきていることが
原因です。

とにかく実質コストが高いので、慎重に選ばなければなり
ません。

考えなしの長期保有が自分の首を絞める理由とは?

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.914%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.914%(概算値)

※引用: 最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ニッセイ アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月分配)』 の評価分析

基準価額をどう見る?

USドリーム(毎月分配)の基準価額は、3年間で25%近く
下落しています。

もともとタコ足配当をしていて、基準価額の下落に歯止めが
かからない状況となっていましたが、コロナショックでさらに
厳しい状況となりました。

株式ファンドであるにもかかわらず、基準価額の回復の
してこなさは異常です。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、USドリーム(毎月分配)の運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲6.57と厳しい結果となっています。

3年平均、5年平均利回りもたいしたパフォーマンスではなく
これであれば、他にもっと良いファンドが多数あります。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲6.57%
3年 3.16%
5年 1.82%
10年

※2020年12月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している米国株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

USドリーム(毎月分配)は、ほぼ株式ファンドと同等なのですが、
RIETやMLPがわずかに入っていることでバランスファンドに
属しています。

そのため、USドリーム(毎月分配)の順位は平均以下ではありますが
そこまでひどい印象ではありません。

ただ、株式ファンドカテゴリー内に入ると状況は一変し、かなり
最下位に近い部類になります。

上位●%
1年 60%
3年 30%
5年 63%
10年

※2020年12月時点

年別運用パフォーマンス

USドリーム(毎月分配)の年別の運用パフォーマンスを見て
みましょう。

米国株が主力のファンドなので、パフォーマンス自体は、
そこまで悪くありません。

ただ、今年はほぼすべての米国株ファンドがプラスにも
かかわらず、10%近いマイナスとなっているのは痛い
ですね。

年間利回り
2020年 ▲9.82%(1-9月)
2019年 +26.32%
2018年 ▲7.03%
2017年 +1.65%
2016年 +5.08%
2015年 ▲13.94%
2014年 +23.16%

※2020年12月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

USドリーム(毎月分配)に投資をするのであれば、その前に、
より低コストで運用ができるインデックスファンドと
パフォーマンスを比較しておいて損はありません。

8割近くが米国株なので、今回は米国を代表する指数である
S&P500に連動するeMAXIS Slim米国株式とパフォーマンス
を比較しました.

結果は、USドリーム(毎月分配)の惨敗です。

コロナショック以降の差のつけられ方がかなりひどい
です。

どんな投資においても、大きく下落したあとのパフォーマンス
というのが非常に重要なので、その点、USドリーム(毎月分配)
はあえて高いコストを支払ってまで投資する価値があるとは
言えません。

平均利回り USドリーム slim 米国株式
1年 ▲6.57% 11.01%
3年 3.16%
5年 1.82%
10年

※2020年12月時点

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

インデックスファンドへの投資もよいですが、優れたアクティブ
ファンドへの投資も選択肢として悪くありません。

米国株に投資をするのであれば、他にも優れたファンドは
いくつもあります。

今回は、USドリーム(毎月分配)と同じく毎月分配型のファンドも
あるアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信と比較を
しました。


※引用:モーニングスター

3年間、どの期間においても米国成長株投信のほうが
パフォーマンスで上回っています。

これだけ高い利回りで運用ができていれば、多くの分配金を
受け取ったとしてもタコ足配当になりますので、おすすめ
です。

平均利回り USドリーム AB米国成長
1年 ▲6.57% 24.65%
3年 3.16% 17.23%
5年 1.82% 13.94%
10年 18.66%

※2020年12月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲2,266円 740円 ▲206%

※2019/12/13~2020/12/12

USドリーム(毎月分配)の直近1年間の分配健全度は
▲206%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

ですので、今年のUSドリーム(毎月分配)から受け取った
分配金はほぼすべて、あなたの元本が戻ってきただけと
いうことです。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

USドリーム(毎月分配)の分配金利回りは、かなり高めの設定に
なっています。

何より、USドリーム(毎月分配)の運用利回り自体が10%も
ありませんので、受け取っている分配金の大半があなたの
投資元本が戻ってきているだけということです。

運用利回り 分配利回り
1年 ▲6.57% 14.0%
3年 3.16%
5年 1.82%
10年

※2020年12月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

USドリーム(毎月分配)の分配金余力は、20カ月を切って
いますので、来年には減配の可能性がかなり高まって
います。

分配金 繰越対象額 分配金余力
73期 70円 1,299円 19.5カ月
74期 70円 1,266円 19.0カ月
75期 70円 1,239円 18.7カ月
76期 70円 1,209円 18.2カ月
77期 70円 1,180円 17.8カ月
78期 70円 1,293円 19.4カ月
79期 70円 1,259円 18.9カ月
80期 70円 1,225円 18.5カ月
81期 70円 1,192円 18.0カ月
82期 70円 1,164円 17.6カ月
83期 70円 1,135円 17.2カ月
84期 70円 1,101円 16.7カ月

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の
範囲をある程度は予想できますが、やはり実際に下落した
度合いをみたほうがイメージがわきます。

USドリーム(毎月分配) は2020年1月~2020年3月の間に最大
▲27.28%下落しています。コロナショックの影響はやはり
大きかったようですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲19.39%
3カ月 ▲27.28%
6カ月 ▲22.21%
12カ月 ▲24.50%

※2019年4月時点

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2020年12月時点

評判はどう?

USドリーム(毎月分配)の評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つ
のが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけUSドリーム
(毎月分配)を解約している人が多いということなので、
評判が悪くなっているということです。

USドリーム(毎月分配)は配当利回りが以前として高いため、
多くの投資家から注目をされているようです。

ただ前述のとおり、米国株ファンドにもかかわらず、パフォーマンス
が優れませんので、資金が流出超過に転じました。

小手先のテクニックで資金を集めて、すぐに評判は落ちるという
ことです。


※引用:モーニングスター

ニッセイ アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月分配)』 の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

REITやMLPを組み合わせることで、リスクを分散させて
分配金を安定させようという戦略でしたが、結局たいした
成果を残せていません。

米国株だけのほうがまだマシと言えます。

また毎月の分配金もタコ足配当が続いており、今後も
タコ足配当と基準価額の急落は止められないでしょう。

運用面でも、低コストのインデックスファンドにも
パフォーマンスで負けているようではあえて投資を
するメリットがありません。

もし、それでも毎月分配型の米国株ファンドに投資を
したいのであれば、USドリーム(毎月分配)ではなく、
アライアンスバーンスタインの米国成長株投信Dコース
のほうがおすすめです。

ファンドの収益から分配が支払われる数少ない優良銘柄
だと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点