キャピタル・インターナショナルが運用しているキャピタル
世界株式ファンド。
名前を聞いたことがある人のほうが少ないと思いますが、
全世界に分散投資ができるアクティブファンドとして、
一時期、非常に人気がありました。
今日は、キャピタル 世界株式ファンドについて独自目線で
分析していきます。
「キャピタル 世界株式ファンドって持ってて大丈夫なの?」
「キャピタル 世界株式ファンドって投資対象としてどうなの?」
「キャピタル 世界株式ファンドより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
キャピタル 世界株式ファンド の基本情報
投資対象は?
キャピタル 世界株式ファンド の投資対象は、受益証券への
投資を通じて、世界各国の株式に投資をしていきます。
下図のように、ルクセンブルク籍円建外国投資信託証券
「ニューパースペクティブ・ファンド(LUX)」への投資
を通じて、新興国を含む世界の株式に投資します。
※引用:交付目論見書
キャピタル 世界株式ファンドは現在317銘柄で構成されて
おり、国別の構成比率を見てみると、約50%がアメリカで、
次にフランス、日本、オランダと続きます。
業種別の比率でみると、情報技術系の企業が高くなっている
ことがわかります。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
続いて、キャピタル 世界株式ファンド の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が
大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、
予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認
すべきポイントの1つです。
キャピタル 世界株式ファンド は2016年ごろから急激に、
純資産総額を伸ばしており、現在は1100億円程度となって
います。
規模としては、まったく問題ありませんね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
キャピタル 世界株式ファンド の実質コストは1.696%と割高に
なっています。さらに購入時手数料と合わせると、初年度は
5%近くコストがかかりますので、慎重に選ばなければいけません。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.696%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 1.696%(概算値) |
※引用:最新の運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
基準価額をどう見る?
キャピタル 世界株式ファンド の基準価額は、コロナショック
で大きく下落しましたが、その後、コロナショックが
何だったのかと思うくらいに上昇しています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、キャピタル 世界株式ファンド の運用実績を
見てみましょう。
直近1年間の利回りは22.42%と非常に好調です。
どの期間においてもほぼ10%の利回りを維持しており、
こういったアクティブファンドに投資をしていきたい
ですね。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 22.42% |
3年 | 11.71% |
5年 | 9.60% |
10年 | 11.81% |
※2020年12月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
キャピタル 世界株式ファンド は、日本を含む
グローバル株式カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。
キャピタル 世界株式ファンド は、どの期間においても
上位30%にはランクインしており、安定して高い利回り
の運用ができていることがわかります。
上位●% | |
1年 | 27% |
3年 | 12% |
5年 | 7% |
10年 | 19% |
※2020年12月時点
年別の運用パフォーマンスは?
キャピタル 世界株式ファンドの年別のパフォーマンスを
見てみると、マイナスの年も多いですが、それをカバー
するかのように2桁プラスの年も多くあり、総じて、高い
パフォーマンスになっています。
年間利回り | |
2020年 | +12.63%(1-9月) |
2019年 | +29.23% |
2018年 | ▲10.04% |
2017年 | +22.44% |
2016年 | ▲3.52% |
2015年 | ▲1.06% |
2014年 | 15.02% |
※2020年12月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。
ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略
類似ファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、類似の
インデックスファンドとパフォーマンスの比較をした
うえで投資判断をしても損はありません。
今回は、キャピタル 世界株式ファンドが参考指標として
採用しているMSCIオールカントリーワールドインデックスを
ベンチマークとしているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と
パフォーマンスの比較をしてみました。
※引用:モーニングスター
直近3年間では、キャピタル 世界株式ファンドがパフォー
マンスを圧倒しており、これであれば高いコストを支払って
でも投資する価値があると言えます。
平均利回り | キャピタル世界株式 | slim 全世界 |
1年 | 22.42% | 9.42% |
3年 | 11.71% | – |
5年 | 9.60% | – |
10年 | 11.81% | – |
※2020年12月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
インデックスファンドへの投資もよいですが、優れたアクティブ
ファンドへの投資も選択肢として悪くありません。
そこで、今回は先進国株式を投資対象にアクティブ運用している
大和住銀DC海外株式アクティブファンドを比較をしました。
※引用:モーニングスター
キャピタル 世界株式ファンドも悪くないファンドですが、
大和住銀DC海外株式アクティブファンドと比較すると、
どうしても劣って見えてしまいます。
アクティブファンドもこういった長期で高い利回りで運用
できているファンドに投資をしていきたいですね。
平均利回り | キャピタル世界株式 | 大和住銀DC |
1年 | 22.42% | 39.08% |
3年 | 11.71% | 18.61% |
5年 | 9.60% | 15.20% |
10年 | 11.81% | 16.62% |
※2020年12月時点
最大下落率は?
投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の
範囲をある程度は予想できますが、やはり実際に下落した
度合いをみたほうがイメージがわきます。
キャピタル 世界株式ファンド は2008年1月~2008年12月
の間に最大▲53.35%と大幅下落しています。
リーマンショック並みの下落相場がすぐにくるとは思い
ませんが、これくらい下落する可能性はあると思って
おいたほうがよいでしょう。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまう
かもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲22.60% |
3カ月 | ▲41.60% |
6カ月 | ▲46.93% |
12カ月 | ▲53.35% |
※2020年12月時点
評判はどう?
キャピタル 世界株式ファンド の評判はネットでの書き込み
などで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に
立つのが、月次の資金流出入額です。
資金が流出しているということは、それだけキャピタル 世界
株式ファンドを解約している人が多いということなので、評判
が悪くなっているということです。
キャピタル 世界株式ファンド は2016年以降、毎月資金流入が
続いていましたが、2018年以降は流出超過の月が多くなっています。
2020年に入り、また流入超過となっていますので、徐々に
評判も戻ってきていますが、まだまだ過去の人気は取り戻せて
いないですね。
※引用:モーニングスター
キャピタル 世界株式ファンドの今後の見通しと評価まとめ
いかがでしょうか?
全世界に分散投資ができるファンドというのは、最近は
当たり前のように各社から登場していますが、ひと昔前は
あまり設定されていませんでした。
そのため、当時は人気があったキャピタル世界株式ファンド
ですが、近年は低コストのインデックスファンドに
その地位を取られ始めています。
特にパフォーマンスがインデックスファンドを下回るような
事態になると、資金の流出が止まらなくなります。
とはいえ、現状、eMAXIS Slim 全世界株式とパフォーマンスを
比較しても、はるかにアウトパフォームしていますので、
高いコストを支払ってでも投資をする価値があると言えます。
あとは、アクティブファンドの中は大和住銀DC海外株式ファンド
のような異常に優れたパフォーマンスのファンドが他にも
ありますので、慎重に選択されることをおすすめします。
当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。
その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点