ドローン宅配、遠隔医療、スマートハウスなど、コロナショック
により、さらにデジタル化が促進されはじめました。
デジタル化が促進されると必ず必要になるのが、膨大なデータを
通信するためのテクノロジーインフラです。
そのテクノロジーインフラに目を付け、テーマ型のファンドを
設定したのが、パインブリッジのグローバル・テクノロジー・
インフラファンド『愛称:未来インフラ』です。
今日は、未来インフラについて徹底分析していきます。
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パインブリッジ・グローバル・テクノロジー・インフラ・ファンド『未来インフラ』の基本情報
投資対象は?
未来インフラは、デジタルエコノミー時代に不可欠な
テクノロジー・インフラに関連する株式やRIETに
投資をしていきます。
近年では、ドローンによる宅配サービスや遠隔医療、
スマートハウスなどが普及してきており、通信される
データ量が各段に増えました。
その通信を行うためのデータセンターや通信タワー
eコマース関連施設に投資をしていきます。
※引用:交付目論見書
国別の構成比率を見ると、約70%がアメリカで、次いで
日本、イギリスと続きます。
※引用:マンスリーレポート
テーマ別の構成比率は以下のようになっており、eコマース
関連施設、データセンター、通信タワーの比率が
高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?
つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。
そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。
残念ながら対応はしていません。
つみたてNISA | iDeCo |
× | × |
※2021年9月時点
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。
投資信託の純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができません。
また、純資産総額が大きく減少していると、投資信託の組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、
事前に確認すべきポイントの1つです。
未来インフラは新規設定来、着実に純資産を伸ばしており、
コロナショックでパフォーマンスは大きく悪化したにも
かかわらず、堅調に推移しています。
純資産の規模としては、全く問題ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
未来インフラの実質コストは1.84%となっており、
かなり割高となっています
購入時手数料も3.85%と高くなっており、投資には
慎重にならざるを得ません。
ただ、後述しますが、カテゴリー内でのパフォーマンスは
かなり優れているので、このコストを支払う価値はある
ファンドとなっています。
購入時手数料 | 3.85%※上限 |
信託報酬 | 1.738%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.84%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
パインブリッジ・グローバル・テクノロジー・インフラ・ファンド『未来インフラ』の評価分析
基準価格をどう見る?
未来インフラの基準価額はコロナショックで大きく下落
し、その後回復してきていたのですが、2021年の前半
まではたいした成果を残していませんでした。
しかし、その後、急激に基準価額が上昇しており、
多くのRIETファンドに差をつけています。
※引用:モーイングスター
利回りはどう?
未来インフラの利回りを見ていきましょう。
直近1年間の20.51%となっています。
3年平均も16%程度あり、REITにしては、かなり高い利回りで
運用できています。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +20.51% |
3年 | +16.75% |
5年 | - |
10年 | - |
※2021年9月時点
同カテゴリー内での利回りランキングは?
未来インフラは、日本株を含む国際株式カテゴリーに属し
ています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォ
ーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー
内でのパフォーマンスのランキングを調べました。
利回りだけを見ても、十分高いと感じたと思いますが、
ランキングを見ることで、本当に高いパフォーマンスの
ファンドなのか確認ができます。
未来の世界は、1年平均利回りは平均以下となっていますが、
3年平均利回りは上位1%に入る、好成績となっています。
このパフォーマンスであれば、文句なしですね。
上位●% | |
1年 | 75% |
3年 | 1% |
5年 | - |
10年 | - |
※2021年9月時点
年別の運用パフォーマンスは?
つづいて、未来インフラの年別のパフォーマンスを見て
みましょう。
2018年、2020年はほとんどのファンドがマイナス運用
となっている中で、手堅くプラスを残せているのは、
素晴らしいの一言です。
少なくても、プラスのリターンを毎年残せているのも
投資家としては安心材料になります。
年間利回り | |
2021年 | 19.52%(1-6月) |
2020年 | 3.86% |
2019年 | 35.51% |
2018年 | 1.85% |
※2021年9月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略インデックスファンドとのパフォーマンス比較
未来インフラに投資をする前に、より低コストで運用
できるインデックスファンドとのパフォーマンスは比較
しておいて損はありません。
今回は、S&P米国リート指数に連動するeMAXIS 米国リート
インデックスとパフォーマンスを比較してみました。
※引用:モーニングスター
2019年初めまでは拮抗していましたが、それ以降は
未来インフラが大きく差を広げています。
コロナショックの下落幅をみればわかりますが、下落
幅をインデックスファンドよりもかなり小さく抑えられ
たというのが、ここまで高いパフォーマンスになって
いる要因です。
こういった下落相場では銘柄を自由に入れ替えられる
アクティブファンドに歩がありますね。
未来インフラ | eMAXIS 米国リート | |
1年 | +20.51% | +41.94% |
3年 | +16.75% | +8.96% |
5年 | - | +7.21% |
10年 | - | - |
※2021年9月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
未来インフラへの投資を検討するのであれば、同じく
USリートに投資をしているアクティブファンド
と最低でもパフォーマンスは比較しておきましょう。
未来インフラは米国REITが70%ほど含まれていますので、
米国リートで非常に人気のあるフィデリティ・USリートBと
比較をしてみました。
※引用:モーニングスター
結果は未来インフラの圧勝です。
ここまで差がつくと、心置きなく未来インフラを選択できます。
未来インフラ | フィデリティUSリート | |
1年 | +20.51% | +39.28% |
3年 | +16.75% | +11.09% |
5年 | - | +8.52% |
10年 | - | +14.08% |
※2021年9月時点
最大下落率は?
未来インフラに投資をするのであれば、最大でどの程度
下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。
標準偏差などから推定することもできますが、過去にどの程度
下落しているかもひとつの参考になります。
REITは急落相場においては、相当大きく下落するので、
今回のコロナショックでも多くのファンドが30%以上、
下落しました。
しかし、未来インフラの最大下落率は2018年10月~12月で
9.98%となっており、コロナショックはあまり大きな影響を
受けていません。
ここにも未来インフラの強みがありますね。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲8.76% |
3カ月 | ▲9.98% |
6カ月 | ▲7.31% |
12カ月 | - |
※2021年9月時点
為替ヘッジありとなしはどちらがいい?
未来インフラに投資をする上で、為替ヘッジ有か無かで
悩む人もいるかもしれません。
為替ヘッジ有にすればわずかなコストを支払うことで、
為替による影響を受けなくなります。
今後、円高に進むのであれば、為替ヘッジをしておいた
ほうが良いですし、円安に進むのであればヘッジ無を
選択したほうが良いことになります。
ただ、結局為替の将来を予測するなど不可能に近いです。
なのであれば、どうしても為替リスクを取りたくない、
と言う人はヘッジ有を選択し、そこまでこだわりがない
と言う人はヘッジ無しを選択すれば十分です。
評判はどう?
未来インフラの評判を調べる上で役に立つのが純資産の
流出入の状況です。
資金が流入超過になっているということは、それだけ
ファンドを購入している人が多いということなので、
評判は悪くないということになります。
一方で、流出超過となっている場合は、評判が悪く
なっているということです。
未来インフラは2018年は全く注目されていません
でしたが、2019年に入って注目されるようになりました。
ただ、2020年以降は資金の流出超過が続いており、
直近のパフォーマンスが優れないことが要因と
なっています。
※引用:モーニングスター
パインブリッジ・グローバル・テクノロジー・インフラ・ファンド『未来インフラ』の評価まとめと今後の見通し
テーマ型のREITというのは、正直、今まであまり注目
されてきませんでした。
それは、株式型のテーマファンドと同じでパフォーマンス
がたいして優れていなかったからです。
しかし、ここにきて、テクノロジー・インフラに投資を
していく未来インフラは他のREITと比べて圧倒的に
高いパフォーマンスを残し、注目を集めています。
また毎月分配型のファンドが多い中で、分配金なしで
利益を追求していく姿勢にも好感が持てます。
REITの弱点だとも言える、大きな下落相場でも、
他のREITと比べて、下落幅をかなり抑えられていた
ことからも、今後の運用に期待が持てる1本だと
思います。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点