世界最大級の運用会社であり、業界のローコストリーダーであるバンガードのインデックスファンドのみで構成されているセゾンバンガード・グローバルバランスファンド。
セゾン投信は元々、つみたて王子こと中野社長が全国津々浦々をセミナーで回っており、説明が非常にわかりやすいだけでなく、人柄も素晴らしいということで、多くの投資家が中野さんの人柄に惚れて投資をしていました。
ただ、残念なことに、2023年に中野社長に追い込まれてしまい、今後のセゾン投信がどうなるのか不安の声も上がっています。
今日は、セゾン バンガード・グローバルバランスファンドを徹底分析していきます。
「セゾン バンガード・グローバルバランスファンドって投資対象としてどうなの?」
「セゾン バンガード・グローバルバランスファンドって持ってて大丈夫なの?」
「セゾン バンガード・グローバルバランスファンドより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの基本情報
投資対象は?
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドは世界の株式と債券に50%ずつ投資を行います。
ポートフォリオを見てもらったほうが早いですが、約30%が米国株、約25%が米国債、残りが欧州債券、欧州株、日本株といった構成になっています。
セゾン投信は自社で運用は行わないので、本当に優れた運用会社を選別して運用を委託するわけですが、バンガードはまさに最適な運用会社と言えると思います。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができなかったり、ファンドの運用で必ず発生する運営コストが相対的に高くなるので、ファンドのパフォーマンスを悪化させる原因になります。
そのため必ず規模はチェックするようにしましょう。最低でも50億円、余裕を持って100億円はほしいところです。
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの純資産総額は、10年以上右肩上がりに純資産を伸ばしています。
現在は4000億円に迫る規模にまで成長しており、これはなかなかできることではないので、評価できるポイントです。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの実質コストは0.58%とアクティブ型のバランスファンドの中では割安となっています。
ただし、現在では、超低コストのインデックス型のバランスファンドが登場してきていますので、コスト面では勝てません。
パフォーマンスでどの程度差をつけられるかが判断の基準となります。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.56%±0.02%程度(税込) |
信託財産留保額 | 0.1% |
実質コスト | 0.58%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの評価分析
基準価額をどう見る?
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドは、ゆるやかではありますが、着実に上昇を続けており、2023年には一段大きく上昇しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
続いて、セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの利回りを見ていきます。
直近1年間の利回りは12.97%となっています。
3年、5年、10年平均利回りは7%以上で安定しており、バランスファンドでこれだけのリターンを得られるのであれば文句はでないでしょう。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +12.97% |
3年 | +11.05% |
5年 | +7.80% |
10年 | +7.51% |
※2023年10月時点
同カテゴリー内での利回りランキングは?
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドはバランスファンドの株式・RIET比率が25~50%のカテゴリーに分類されています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドは、どの期間においても上位10%にランクインしており、これはかなり優秀なパフォーマンスです。
上位●% | |
1年 | 8% |
3年 | 7% |
5年 | 2% |
10年 | 1% |
※2023年10月時点
年別の運用利回りは?
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの年別のパフォーマンスは、2015年、2018年、2022年はマイナスとなっていますが、それをカバーできるレベルのプラスを出しています。
マイナスの年も10%以内であれば、気持ち的に余裕を持って保有を続けられます。
年間利回り | |
2023年 | +15.81%(1-9月) |
2022年 | ▲4.72% |
2021年 | +17.72% |
2020年 | +6.50% |
2019年 | +14.99% |
2018年 | ▲7.89% |
2017年 | +11.02% |
2016年 | +0.49% |
2015年 | ▲2.68% |
2014年 | +16.99% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドへの投資を検討するのであれば、少なくとも低コストのインデックスファンドよりはパフォーマンスが優れていなければ投資する価値がありません。
今回は、国内外の株式、債券、REITに分散投資をしているインデックスファンドであるeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と比較をしました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、かなり拮抗していましたが、2023年に入ると、セゾン バンガード・グローバルバランスファンドが大きく差を広げています。
少なくとも高いコストを支払ってでもアクティブファンドに投資する価値があると言えます。
セゾン グロバラ | Slim バランス | |
1年 | +12.97% | +11.47% |
3年 | +11.05% | +10.11% |
5年 | +7.80% | +6.31% |
10年 | +7.51% | - |
※2023年10月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
なかなか同じ資産構成比のアクティブファンドがないため、比較をするのも難しいのですが、今回は安定性に定評があるバランスファンドである投資のソムリエと比較をしました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、セゾン バンガード・グローバルバランスが優位となっています。投資のソムリエはリスクの上限を設定していた関係で、リスクを取りたい場面で取れず、このような結果となっています。
パフォーマンスだけで見ると、セゾン バンガード・グローバルバランスファンドのほうがはるかに上回っていますね。
セゾン グロバラ | 投資のソムリエ | |
1年 | +12.97% | ▲2.70% |
3年 | +11.05% | ▲4.49% |
5年 | +7.80% | ▲0.91% |
10年 | +7.51% | +0.76% |
※2023年10月時点
シンプルな運用ながら、着実に成果を出しているセゾンバンガード・グローバルバランスファンドの運用は私達も見習うべき点がたくさんありますね。
最大下落率は?
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドへの投資を検討するのであれば、どの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。
標準偏差からある程度の変動範囲は予測できますが、過去に実際にどの程度下落したのかを確認しておいたほうがよいでしょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲18.70% |
3カ月 | ▲27.61% |
6カ月 | ▲31.75% |
12カ月 | ▲35.23% |
※2023年10月時点
セゾン バンガード・グローバルバランスファンド の最大下落率は、2008年1月~2008年12月で▲35.23%となっています。
バランス型ファンドですが、株式比率が50%程度はありますので、この程度の下落もあり得ることは心にとめておきましょう
リーマンショックと比べると、コロナショックの影響は、比較的軽微で済んでいることがこちらからもわかります。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
資金の流出入を見るのはそのファンドの評判を確認するために有効な手段です。
資金が毎月流入していれば、人気が出てきているファンドですし、流出が続いているようであれば、評判が下がっているファンドと言えます。
それでは、セゾン バンガード・グローバルバランスファンド はどうでしょうか?
ここ5年間は毎月資金が流入超過となっており、いかに評判がよいファンドかがわかりますね。
つみたてNISAにも対応しているのと、やはり中野社長自らがセミナーで講演していたというのが人気の秘訣ですね。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと思います。そこで、NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドはNISA、iDeCoともに対応していますので、もし投資をするのであれば、こういったサービスを活用してください。
NISA | iDeCo |
〇 | SBI証券(セレクトプラン)、楽天証券、ゆうちょ銀行、福岡銀行 |
※2023年10月時点
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの今後の見通しと評価まとめ
いかがでしょうか?
セゾン バンガード・グローバルバランスファンドを語る上でもちろんパフォーマンスも重要な指標ではありますが、セゾン投信の中野さんの話をセミナーやメッセージで聞けていたという点も非常に大きなポイントだと思っています。
コロナショックを経験した人であれば、強く感じたことだと思いますが、大きな下落相場というのは、先行きが見えないので、不安な気持ちが増していきます。
こういった心情のときに、何も頼るものがないと不安心からファンドを解約するという一番やるべきでない対応をしてしまいがちです。
その点、セゾン バンガード・グローバルバランスファンドに投資をしている限り、中野さんの話を身近で聞くことができるので、不安な気持ちを和らげてくれる支えになっていました。
実はファンドマネージャーの考えが聞けるというのは、あなたの投資成績を上げるために非常に重要なポイントだと思っています。
ただし、中野社長が退任してしまったことで、セゾン バンガード・グローバルバランスファンドに投資をする大きな理由の1つがなくなってしまいました。
今は何とかパフォーマンスで上回っているため、資金流出はしていませんが、今後インデックスファンドに勝てないようなことが続くと、人気はどんどん落ちていくと思われます。
少なくとも現時点であれば、十分に投資をする価値があるファンドと言えるでしょう。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点