毎月分配型のファンドと言えば、REIT型や債券型、バラ
ンス型のファンドが多いですが、一部株式型のファンド
が存在します。

 

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドやLM・オー
ストラリア好配当株ファンドが有名どころでしょうか。

 

株式ファンドの中でも新興国株式型で毎月分配のファンド
というのは非常に数が少ないのですが、多くの投資家から
資金を集めているのが、ピクテ新興国インカム株式ファンド
(毎月決算型)です。

 

今日は、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)
について独自目線で分析していきます。

 

 

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の投資
対象は、新興国の好配当利回りの株式です。

 

約70か国6000銘柄の中から銘柄を絞り込み、最終的に100~
200銘柄まで絞り込みます。現在は104銘柄となっています。

 

国別の組入状況を見てみると、中国、台湾、ロシアの順に高く
なっていますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。

 

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を
投資する際に有利であったり、保管費用や監査費用が相対的
に低くなりますので、優れた投資信託と言えます。

 

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)は
2015年頃は7000億円を超える規模になっていましたが、
基準価額の下落とともに、純資産を減らしています。

 

パフォーマンスがそこまで優れていないにもかかわらず
高い分配をしてきた結果と言えるでしょう。

 

それでも未だ1000億円もの規模ですので、大きなファンド
ですが、規模としては問題ありませんね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?

 

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

 

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コスト
がかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の実質
コストは2.01%とかなり割高です。

 

それに加えて高い購入時手数料もかかりますので、おすすめ
しづらいファンドですね。

 

後述しますが、パフォーマンスがインデックスファンドに
負けてしまっているので、投資する価値を見出せません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 2.015%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.01%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の評価分析

基準価額の推移は?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の基準
価額は2018年以降、下落しつづけており、コロナショック
の影響で50%近く下落しました。

 

ここまで大きく下落したことで分配金利回りが急上昇して
います。ファンドの収益力を明らかに上回る利回りとなって
いるので、基準価額の下落には歯止めがかからなくなる
でしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の直近
1年間の利回りは▲20.39%とマイナスとなっています。

 

同カテゴリー内では平均以上の水準となっていますが、
20%の下落はかなり大きなダメージです。

 

3年、5年、10年利回りもマイナスとなっており、今回の
コロナショックの影響はかなり大きかったようです。

 

このパフォーマンスを見てしまうと投資する気になれ
ませんね。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲20.39% 36%
3年 ▲5.40% 43%
5年 ▲4.74% 54%
10年 ▲0.29% 82%

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、ピクテ新興国
インカム株式ファンド(毎月決算型)の基準価額の変動の
大きさを知るには役立ちます。

 

平常時は20程度で推移しますが、今回のコロナショックで30
を超えていますので、コロナショックで基準価額が大きく
下落してしたことがわかります。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 31.23 88%
3年 21.45 84%
5年 20.82 86%
10年 19.67 51%

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の年別
のパフォーマンスも見てみましょう。

 

プラスの年もありますが、マイナスの年は2桁以上のマイ
ナスが続いており、トータルで見ると、マイナスになって
しまっています。

 

これでは積極的に投資をしたいとは思えません。

年間利回り
2020年 ▲29.99%(1-3月)
2019年 +24.88%
2018年 ▲16.11%
2017年 +22.81%
2016年 +5.95%
2015年 ▲19.36%
2014年 +7.34%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)に投資
を検討する上で、類似ファンドとのパフォーマンス比較を
してみましょう。

 

今回は、新興国株式の代表的な指数であるMSCIエマージング
・マーケット・インデックスをベンチマークとするeMAXIS
新興国株式インデックスと比較をしました。

 

かなりパフォーマンスは拮抗しており、どちらが優れている
と評価はしづらいです。ただ、パフォーマンスが同じレベル
なのであれば、低コストのインデックスファンドに投資を
したほうがよいでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)に投資
をする前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを
知っておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではここでピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月
決算型)の最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率はリーマンショック時で▲56.05%となっています。
さすがにここまでの下落はそうそう来ないと思いますが、
株式ファンドですので、大きく下落することもあることを
忘れないようにしてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲31.84%
3カ月 ▲48.65%
6カ月 ▲54.43%
12カ月 ▲56.05%

※2020年4月時点

 

分配金の内訳と余力は?

毎月分配型のファンドに投資をするのであれば、分配金が
ちゃんとファンドの収益で賄われているのか確認しておいて
損はありません。

 

2015年には毎月75円あった分配金が現在では15円にまで
減っており、分配金目当ての投資家には厳しい現実となって
います。

 

当期収益以外の項目を見ると、直近は比較的健全に運用でき
ていることがわかります。

 

繰越対象額も1200円程度はありますので、80カ月ほど分配金
余力は残っているので、当分減配の心配はなさそうです。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情が
ない限りは毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
138期 15円 1,182円
139期 15円 1,183円
140期 15円 1,183円
141期 15円 1,184円
142期 15円 1,184円
143期 15円 1,185円

評判はどう?

それでは、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の
評判はどうでしょうか?

 

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。

 

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。

 

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)は2016年
以降大きく資金が流入して以来、毎月資金が流出しています。

 

パフォーマンスが優れないというのももちろんありますが、
近年の毎月分配型ファンドへの厳しい目線が影響している
のでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

まず覚えておいてほしいのは、新興国株式というのは、
各種アセットクラスの中で値動きがかなり大きい部類に
入るということです。

 

年2桁の下落も平気で起こりえます。

 

分配金を受け取るには、安定した利益を出し、安定した
配当を受け取るのが一番です。そう考えると、新興国
株式で毎月分配金を受け取るという発想自体があまり
得策とは言えません。

 

ピクテ新興国インカム株式ファンドは分配金利回りが
10%をすでに超えており、ファンドの収益力をはるかに
上回ることから、今後は基準価額の下落とタコ足配当は
止められません。

 

分配金余力はまだ余裕があるので、当面減配される心配
はありませんが、あなたの受け取っている配当はファンド
であがった収益ではなく、あなたが投資した元本が取り崩
されて戻ってくるだけの可能性が高いです。

 

分配金が受け取りたいなら他のファンドにすべきですし、
分配金にこだわりがないのであれば、インデックスファンド
に投資をすれば十分です。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点