アクティブファンド分析

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の評価や評判は?今後の見通しはどう?

毎月分配型のファンドと言えば、REIT型や債券型、バランス型のファンドが多いですが、一部株式型のファンドが存在します。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドやLM・オーストラリア好配当株ファンドが有名どころでしょうか。

株式ファンドの中でも新興国株式型で毎月分配のファンドというのは非常に数が少ないのですが、多くの投資家から資金を集めているのが、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)です。

今日は、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)について独自目線で分析していきます。

「ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)って投資対象としてどうなの?」

「ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)って持ってて大丈夫なの?」

「ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の投資対象は、新興国の好配当利回りの株式です。

約70か国6000銘柄の中から銘柄を絞り込み、最終的に100~200銘柄まで絞り込みます。現在は82銘柄となっています。

国別の組入状況を見てみると、中国、韓国、台湾の順に高くなっていますね。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、優れた投資信託と言えます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)は2015年頃は7000億円を超える規模になっていましたが、基準価額の下落とともに、純資産を減らしています。

パフォーマンスがそこまで優れていないにもかかわらず高い分配をしてきた結果と言えるでしょう。それでも850億円程度の規模はありますので、大きなファンドですので、規模の問題はありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の実質コストは2.031%とかなり割高です。それに加えて高い購入時手数料もかかりますので、おすすめしづらいファンドですね。

後述しますが、パフォーマンスがインデックスファンドに負けてしまっているので、投資する価値を見出せません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 2.015%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.031%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の基準価額は2021年と2022年はゆるやかに下落を続けており、2023年に大きく上昇しました。

それでも基準価額が2000円台ということで、今までいかにひどい分配をつづけてきたのかがよくわかります。


※引用:ウエルスアドバイザー

利回りはどれくらい?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の直近1年間の利回りは18.77%です。

3年、5年、10年平均利回りも6%以上は維持できているので、過剰な分配さえしなければ、悪くないパフォーマンスです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +18.77%
3年 +18.87%
5年 +9.97%
10年 +6.44%

※2023年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)は、エマージング(複数国)株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

10年のみ下位にランクしていますが、1年・3年・5年は上位10%程度でランクしていますので、優れた成果を残していると言えます。

上位●%
1年 9%
3年 10%
5年 6%
10年 53%

※2023年10月時点

年別の運用利回りは?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の年別のパフォーマンスも見てみましょう。

2桁以上のマイナスが出ている年もあり、先進国株式と比べると、パフォーマンスにムラがあります。

年間利回り
2023年 +20.94%(1-9月)
2022年 ▲5.84%
2021年 +20.86%
2020年 +0.14%
2019年 +24.88%
2018年 ▲16.11%
2017年 +22.81%
2016年 +5.95%
2015年 ▲19.36%
2014年 +7.34%

※2023年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)に投資をするのであれば、より低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスを比較してからでも損はありません。

今回は、新興国株式の代表的な指数であるMSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとするeMAXIS新興国株式インデックスと比較をしました。


※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間では、ほぼ全期間において、ピクテ新興国インカム株式ファンドが勝っています。

10年平均利回りだけは、eMAXIS 新興国株式インデックスのほうが優れていますが、このパフォーマンスなら、高いコストを支払ってでも投資をする価値があると言えます。(ただし過剰な分配をしていなければ。)

年平均利回り ピクテ新興国 eMAXIS新興国株式
1年 +18.77% +7.22%
3年 +18.87% +8.72%
5年 +9.97% +5.96%
10年 +6.44% +6.53%

※2023年10月時点

最大下落率は?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)に投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の最大下落率を見てみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲31.84%
3カ月 ▲48.65%
6カ月 ▲54.43%
12カ月 ▲56.05%

※2023年10月時点

最大下落率はリーマンショック時で▲56.05%となっています。

さすがにここまでの下落はそうそう来ないと思いますが、株式ファンドですので、大きく下落することもあることを忘れないようにしてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われているのかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅をもとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
331円 60円 651%

※2022/10/4~2023/10/4

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の直近1年間の分配健全度は651%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から分配金が支払われていることを意味しますが、651%の場合は、すべてファンドの収益から分配金が支払われていることを意味しています。

分配金利回りを1桁前半に抑えたことで、健全な分配ができるようになっていますね。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考にします。

(分配金利回りは基準価額に対する分配金合計額で計算ができます。)

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、受け取っている分配金がファンドの収益から出ているものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取っている分配金がファンドの運用の収益から支払われていると判断することができます。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の分配金利回りは約3%なので、ファンドの収益から考えても健全な水準です。

運用利回り 分配金利回り
1年 +18.77% 2.67%
3年 +18.87%
5年 +9.97%
10年 +6.44%

※2023年10月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になるのが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標ではありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、減配されることが多いです。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の分配金余力は、まだ240カ月程度ありますので、当面減配される心配はないでしょう。

分配金 繰越対象額 分配金余力
174期 5円 1,236円 248.2カ月
175期 5円 1,238円 248.6カ月
176期 5円 1,240円 249カ月
177期 5円 1,242円 249.4カ月
178期 5円 1,243円 249.6カ月
179期 5円 1,245円 250カ月
180期 5円 1,248円 250.6カ月
181期 5円 1,251円 251.2カ月
182期 5円 1,252円 251.4カ月
183期 5円 1,255円 252カ月
184期 5円 1,259円 252.8カ月
185期 5円 1,260円 253カ月

評判はどう?

それでは、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、資金が流出超過になります。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)は2016年以降大きく資金が流入して以来、毎月資金が流出しています。

パフォーマンスが優れないというのももちろんありますが、近年の毎月分配型ファンドへの厳しい目線が影響しているのでしょう。


※引用:ウエルスアドバイザー

NISAとiDeCoの対応状況は?

投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。

そこで、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)のNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

NISA iDeCo
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※2023年10月時点

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

まず覚えておいてほしいのは、新興国株式というのは、各種アセットクラスの中で値動きがかなり大きい部類に入るということです。

年2桁の下落も平気で起こりえます。

分配金を受け取るには、安定した利益を出し、安定した配当を受け取るのが一番です。そう考えると、新興国株式で毎月分配金を受け取るという発想自体があまり得策とは言えません。

ピクテ新興国インカム株式ファンドは分配金利回りが以前は10%を超えており、タコ足配当を続けていましたが、大きく減配したことで、今は健全な水準にまではなりました。分配金余力も200か月以上ありますので、減配の心配もないと言えます。

パフォーマンスもインデックスファンドと比較をしても悪くはありません。

ただ、根本的に、新興国株式は先進国株式と比べるとパフォーマンスでかなり差をつけられていますので、どうしても毎月分配型の株式ファンドに投資をするというのであれば、アライアンス・バーンスタインの米国成長株投信のほうがおすすめです。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点

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ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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