三菱UFJ国際投信が出しているつみたてNISA向けのファンドには
3種類あり、一つは以前からある「eMAXISシリーズ」、
もう一つが超低コストでネット証券向けの「eMAXIS Slim
シリーズ」、

それから金融機関で相談できる「つみたてんとうシリーズ」が
あります。

ベンチマークは同じなので、あとはコストの差になるのですが、
今日はこの「つみたてんとうシリーズ」から、世界の先進国株式に
投資する「つみたて先進国株式」を独自の目線で分析したいと
思います。

「つみたて先進国株式って投資対象としてどうなの?」

「つみたて先進国株式って持ってて大丈夫なの?」

「つみたて先進国株式より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


つみたて先進国株式の基本情報

投資対象は?

つみたて先進国株式の投資対象は、日本を除く先進国の
株式です。MSCI Kokusai Index(MSCIコクサイ インデッ
クス) (円換算ベース)と連動する投資成果をめざして運用
を行います。

直近の組入上位10カ国・地域は以下の通りです。先進国の
株式とありますが、60%以上がアメリカの株式になります。

ここから見ても、米国の株式がいかに強いかがよくわかり
ますね。他は欧州やカナダなどが続いています。

組入上位10銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾンなど
日本でもお馴染みの銘柄になります。また業種も分散されています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を
投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の
影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。

投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資
信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることも
ありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

つみたて先進国株式は2017年8月に設定されましたが、2018年
のつみたてNISA開始に伴い純資産総額が徐々に上昇。現在は180億円
ほどになりました。

まだ金額は小さいですが、つみたてですので、毎年着実に
純資産は増えていきそうです。もう少し純資産が増えると、
実質コストも下がりそうですね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

つみたて先進国株式の実質コストは、0.290%となります。

信託報酬に対して1.4倍くらいになっているのは、純資産
総額が小さいため、有価証券を海外で保管するための保管
費用等が相対的に高くなっているためです。

実質コストが0.3%程度であれば、他の多くのファンドと
くらべれば、十分に低いのですが、現在ネット向けのイン
デックスファンドの低価格競争が行われおり、0.1%台の
ものもいくつか出てきています。

同社が運用するeMAXIS Slim先進国株式インデックスは同じ
マザーファンドですが、信託報酬率は0.12%です。

そうすると、あえてコストが高いファンドを選択する理由も
ありません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 なし
信託報酬 0.22%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.290%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

つみたて先進国株式の評価分析

基準価額をどう見る?

つみたて先進国株式は2017年8月に設定されて以来、
2020年2月まで非常に好調に推移していました。

しかし、コロナショックの影響で、一時は30%近く下落
し、10000円を割り込む水準にまで落ち込みました。

その後、半年かけてかなり回復してきましたが、
それでもまだコロナ前の高値を更新するまでには
至っていません。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、つみたて先進国株式の運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは1.38%と何ともいまいちな成績です。

3年平均利回りは及第点と言えるでしょう。

MSCIコクサイに連動するインデックスファンドで
もっと長期間のパフォーマンスを見ておきたいという方は、
ニッセイ 外国株式インデックスを見てみてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 1.38%
3年 4.08%
5年
10年

※2020年11月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

つみたて先進国株式は、日本を除くグローバル株式
カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

つみたて先進国株式は、3年平均利回りで見ると、
上位30%にランクインしており、インデックスファンド
の割にかなり上位に位置しています。

上位●%
1年 36%
3年 22%
5年
10年

※2020年11月時点

年別のパフォーマンスは?

つみたて先進国株式は2018年は▲11.09%と奮いません
でしたが、2019年は30%近いプラスを出しました。

2020年はわずかにプラスといった程度ですが、少なくとも
プラスの利回りで終われそうです。

年間利回り
2020年 1.86%(1-9月)
2019年 28.76%
2018年 ▲11.09%
2017年

※2020年11月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ここで類似ファンドとのパフォーマンス比較をしてみましょう。

まずは、つみたて先進国株式とeMAXIS Slim先進国株式インデックス
にどの程度の差があるのかを調べます。


※引用:モーニングスター

わずかな差ですが、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスが
優位となっています。

両ファンドはともに、MSCIコクサイに連動するインデックス
ファンドですので、わずかにパフォーマンスに差が生まれて
いるのは、実質コストによる差です。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスのほうが実質コスト
が低いので、さきほどのような結果となっています。

こうしてみると、銀行でどうしてもつみたて先進国株式
を買いたいというわけでなければ、ネット証券に口座を
開設し、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスを購入した
ほうが賢明と言えますね。

とは言ったものの実質コストは誤差の範囲ですので、
そこまで気にしなくてもよい水準ではあります。

つみたて先進国 slim 先進国
1年 1.38% 1.51%
3年 4.08% 4.19%
5年
10年

※2020年11月時点

つづいて、つみたて先進国株式に投資を検討するうえで
同じく、つみたててんとうシリーズのつみたて全世界株式
つみたて米国株式(S&P500)とパフォーマンスを比較して
みました。

やはりつみたて米国株式(S&P500)が強いことがわかります。

先進国に分散投資をどうしてもしたいというわけでなければ
つみたて米国株式(S&P500)のほうがおすすめですね。


※引用:モーニングスター

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

インデックスファンドへの投資もよいですが、優れたアクティブ
ファンドへの投資も選択肢として悪くありません。

そこで、今回は先進国株式を投資対象にアクティブ運用している
大和住銀DC海外株式アクティブファンドを比較をしました。


※引用:モーニングスター

こうみると、つみたて先進国株式がたいしたことのないように
見えてしまいますが、大和住銀DC海外株式アクティブファンドが
優秀すぎるだけです。

近年は、インデックスファンドが正とされていますが、こういった
アクティブファンドへの投資を検討するのも良いと思います。

つみたて先進国 大和住銀DC
1年 1.38% 31.86%
3年 4.08% 15.41%
5年 13.32%
10年 15.65%

※2020年11月時点

最大下落率は?

つみた先進国株式に投資をする前に、最大でどの程度下落
する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでつみたて先進国株式の最大下落率を見て
みましょう。

最大下落率は、2020年1月から3月の▲21.64%です。やはり
コロナショックの暴落が一番影響が大きかったようです。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲15.04%
3カ月 ▲21.64%
6カ月 ▲13.00%
12カ月 ▲11.18%

※2020年11月時点

評判はどう?

それでは、つみたて先進国株式の評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を
見ることで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。

つみたて先進国株式はつみたてNISA向けのファンドですので、
2018年のつみたてNISA開始に伴い資金が流入していることが
わかります。

つみたてを途中でやめる人が増えない限りは流出超過には
なりませんので、安定した資金流入が今後も期待できそうです。


※引用:モーニングスター

つみたて先進国株式の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

つみたて投資をするのであれば、MSCIコクサイに連動する
インデックスファンドは保有しておいて損はありません。

中長期でみても、着実に成長している指数なので、長期保有を
しっかり続けることができれば間違いないでしょう。

つみたて先進国株式は金融機関向けのつみたてNISAでじっくり相談
しながら購入できるという目的があるため、信託報酬がeMAXIS
Slim先進国株式インデックスより割高になっています。

ご自分でコスト面も考慮してネット証券で買うなら、eMAXIS
Slim先進国株式インデックス、金融機関で相談したいのなら
つみたて先進国株式とそれぞれのニーズに合わせて買いましょう。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点