三菱UFJ国際投信が出している積立NISA向けのファンド
には3種類あります。
1つは以前から販売されている「eMAXIS」。もう一つが
超低コストでネット証券向けの「eMAXIS Slim」。
それから地方銀行や対面証券向けの「つみたてんとうシリ
ーズ」です。
ベンチマークは同じなので、あとはコストの差になるの
ですが、今日はこの「つみたてんとうシリーズ」から、
米国の主要な企業500社に投資ができる「つみたて米国
株式(S&P500)」を徹底分析したいと思います。
つみたて米国株式(S&P500)の基本情報
投資対象は?
つみたて米国株式(S&P500)の投資対象はニューヨーク証券
取引所、NASDAQに上場している米国を代表する500銘柄です。
ざっとですが、米国の株式市場全体の時価総額の約8割を
カバーしています。
業種別で見てみると、ソフトウェア・サービスやメディア・
娯楽の業種が上位にランクインしています。
※引用:マンスリーレポート
組入上位銘柄を見てみると、マイクロソフト、アップル、
アマゾン・・・と、あなたも聞いたことがある銘柄がほと
んどなのではないでしょうか。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?
これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。
特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
つみたて米国株式(S&P500)の実質コストは運用報告書が
まだ出ていないのでわかりませんが、信託報酬は0.22%と
なっています。
eMAIXS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬は0.0968%な
ので、約2倍のコストになりますが、それでも0.2%台で
あれば十分コストは低いと言えます。
eMAIXS Slim 米国株式(S&P500)ともう1つだけ異なる点は、
純資産額に応じた信託報酬のキャンペーンです。
つみたて米国株式(S&P500)では、純資産総額がいくら積み
あがろうと、信託報酬は変わりませんが、eMAIXS Slim 米
国株式(S&P500)は500億円以上になると信託報酬が0.0005%
下がります。
わずかな%ではありますが、ないよりはあったほうが嬉しい
ですね。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.22%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | まだ不明 |
※引用:最新運用報告書
実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。
無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
つみたて米国株式(S&P500)の評価分析
利回りはどれくらい?
つみたて米国株式(S&P500)のパフォーマンスはまだわか
りませんが、同じインデックスをベンチマークとるする
eMAIXS Slim 米国株式(S&P500)の直近1年間の利回りは
6.91%です。
同カテゴリーの中では上位20%にランクインしており、
かなり優秀な成果を残しています。
インデックス投資であれば、これくらいのパフォーマンス
で十分でしょうか。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。
平均利回り | %ランク | |
1年 | 3.91% | 54% |
3年 | – | – |
5年 | – | – |
10年 | – | – |
※2020年2月時点
年別のパフォーマンスは?
つみたて米国株式(S&P500)の年別のパフォーマンスも
見てみましょう。
2020年は直近でコロナショックの影響を受けており、
大きく値崩れしています。
しかし、2019年はしっかりとプラスのリターンを残せて
いますね。
年間利回り | |
2019年 | +26.82% |
2018年 | – |
※2020年2月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。 ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。 >>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略
つみたて米国株式(S&P500)と類似の商品は?
つみたて米国株式(S&P500)と同じようにS&P500に連動
する投資信託は複数あります。
基本的にS&P500に連動するとパフォーマンスに大きな差
は出ません。
唯一変わるのが、コスト部分です。
現在、コスト最安値はSBI・バンガードS&P500インデック
スです。
ほぼ同水準でeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が並んでい
ます。
正直、ETFレベルまでコストが下がってきていますので、
あまりこのコスト差を比較する意味はないと思いますが、
上述の2ファンドをつみたてできる証券会社で口座を開設
しているのであれば、上記の2商品をつみたてたほうがコ
スト的にお得ですね。
ファンド名 | 信託報酬 |
SBI・バンガード・S&P500 | 0.0926% |
eMAXIS slim米国株式(S&P500) | 0.0968% |
iFree S&P500インデックス | 0.2475% |
iシェアーズ 米国株式インデックス | 0.4125% |
農中<パートナーズ>米国株式S&P500 | 0.605% |
つみたて米国株式(S&P500)の評価まとめ
S&P500への投資は前々からこのブログではおすすめを
しています。
地方銀行や対面証券でをメインで利用していた方にとっ
ては、少し割高のインデックスファンドしか取り扱いが
なかったかもしれませんが、つみたて米国株式(S&P500)
が登場したことにより、その心配もなくなりました。
直近では、大きく株式市場が下落しているため、投資を
ためらっている人もいるかもしれませんが、つみたてする
のであれば、安く購入できるわけなので、今こそつみたて
投資をはじめるべきだと言えます。
少額からコツコツつみたてたい人にはまさにおすすめの
一本と言えますね。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点