小口の資金で不動産に分散投資ができるということで、投資家から根強い人気があるJ-REIT。

東証RIET指数に連動するインデックスファンドも近年は低コスト競争が激化しており、以前から設定されているファンドは、苦戦を強いられていますが、果たして新光 J-REITオープンはどうなのでしょうか?

今日は、新光 J-REITオープンを徹底分析していきます。

「新光 J-REITオープンって投資対象としてどうなの?」

「新光 J-REITオープンって持ってて大丈夫なの?」

「新光 J-REITオープンより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


新光 J-REITオープンの基本情報

投資対象は?

新光 J-REITオープンの投資対象は日本の取引所に上場している不動産投資信託証券です。そして東証REIT指数(配当込み)に連動する投資成果を目指します。

REITは投資家から集めた資金をもとに、オフィスビルや商業施設などを保有、売買することで、賃貸収入や売買益などを得て、配当金という形で投資家に還元します。

最低でも数百万は必要な不動産投資ですが、REITは小口の資金で投資ができる点にメリットがあります。また複数の不動産に分散投資ができるという点と、不動産への直接投資と比べて高い流動性があるというのもメリットでしょう。

新光 J-REITオープンは現在61銘柄に分散投資をしており、東証REIT指数の全銘柄に投資をしています。


※引用:交付目論見書

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

新光 J-REITオープンのつみたてNISAやiDeCoの対応状況ですが、残念ながら、どちらも対応していません。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2022年10月時点

ベンチマークの推移は?

インデックスファンドに投資をするのであれば、ベンチマークに採用されている指標が過去にどのように推移をしているのかを確認しておくことはとても重要です。

いくらコストが安くても、ベンチマークが右肩上がりに成長しなければ、あなたの資産は目減りするだけです。

東証REIT指数の推移を以下に示します。


※引用:マンスリーレポート

RIETで一番注意をしなければいけないのが、急落相場では株式以上に大きく下落するという点です。2007年も50%以上、下落していますが、2020年も50%近く下落しています。

大きく下落すれば、その分だけ元の水準に戻るまでに時間がかかりますので、運用上は大きなデメリットとなりますので、その点を理解した上で投資をするようにしてください。

純資産総額は?

続いて、新光 J-REITオープン の純資産総額はどうなっているか見ていきます。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

新光 J-REITオープンの純資産総額は、現在880億円程となっており、未だ、高い人気があります。規模としては、かなり大きいので、問題ありませんね。


※引用:交付目論見書

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

新光 J-REITオープンの実質コストは0.717%となっており、近年の低コストファンドと比べるとかなり割高です。

さらに今どき購入時手数料を取るというのもあり得ないですね。残念ながら、このコストでは他のJ-REITファンドと戦えません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 0.715%(税込)
信託財産留保額 0.1%
実質コスト 0.717%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

新光 J-REITオープンの評価分析

基準価額をどう見る?

新光 J-REITオープンの基準価額は、直近3年間で20%ほど下落しています。

分配金を受け取らずに運用をした場合の基準価額(青線)を見ると、3年間でほとんど変化していませんので、いかに過剰な分配が行われてきたかがわかります。

また基準価額が4000円台ということで、普通に運用していたら、まずこのような基準価額にはなりませんので、これまでにどれだけひどい分配をしてきたかがここからもわかりますね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、新光 J-REITオープンの利回りを見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲3.18%となっています。3年平均もマイナスですが、5年平均、10年平均は6%を超えています。

直近のパフォーマンスは悪いですが、投資信託は長期保有を前提に考えるべきですので、少なくとも1桁後半の利回りは期待してもいいと思います。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲3.18%
3年 ▲0.48%
5年 +6.62%
10年 +9.83%

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

新光 J-REITオープンは国内REITカテゴリーに属しています。

誰しも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、新光 J-REITオープンの同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

上位●%
1年 73%
3年 72%
5年 74%
10年 77%

※2022年10月時点

新光 J-REITオープンはどの期間においても、平均以下のパフォーマンスしか残せていません。

利回りだけで見ていると、良いか悪いか判断しづらいですが、カテゴリー内での順位をみれば、他にもっと優れたファンドがあるかないか判断する材料になります。

全期間上位10%に入るようなファンドはほとんどありませんが、少なくとも30%以内には入っているようなファンドに投資をしたいものです。

年別の運用利回りは?

新光 J-REITオープンの年別の運用パフォーマンスを見てみましょう。

2桁プラスの年も何度もありますのが、マイナスで終わっている年も多々あります。

平均すると、5%程度は利回りもあるわけですが、毎年安定してプラスのリターンが得られるわけではないので、その点は理解した上で投資をするようにしてください。

年間利回り
2021年 ▲3.45%(1-9月)
2021年 +19.03%
2020年 ▲13.62%
2019年 +24.24%
2018年 +10.16%
2017年 ▲7.30%
2016年 +9.06%
2015年 ▲5.37%
2014年 +28.03%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

新光 J-REITオープンに投資をするのであれば、より低コストで投資ができるインデックスファンドとのパフォーマンスは比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は、東証REIT指数と連動するeMAXIS 国内リートインデックスとパフォーマンスを比較してみました。


※引用:モーニングスター

かなり競ってはいますが、基本的にeMAXIS 国内リートインデックスがパフォーマンスで上回っています。これでは、高い手数料を支払ってまで投資するメリットを感じませんね。

5年、10年のより長い期間でパフォーマンスを比較してみても、やはり新光 J-REITオープンが負けていますので、これであれば低コストのインデックスファンドに投資をすれば、十分と言えます。

新光 J-REIT eMAXIS国内リート
1年 ▲3.18% ▲2.94%
3年 ▲0.48% ▲0.38%
5年 +6.62% +7.02%
10年 +9.83% +10.42%

※2022年10月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のアクティブファンドに投資するのであれば、同じく毎月分配型のアクティブファンドとパフォーマンスを比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は同じくJ-RIETに投資ができるJ-REITリサーチ・オープン(毎月分配型)と比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

新光 J-REITオープンは終始パフォーマンスで負けています。

5年、10年平均利回りで比較をしても、やはり新光 J-REITオープンはパフォーマンスで劣っています。どの期間でも差がついていますので、新光 J-REITオープンをあえて選択する理由がありません。

新光 J-REIT J-RIETリサーチ
1年 ▲3.18% ▲2.81%
3年 ▲0.48% 0.28%
5年 +6.62% +7.69%
10年 +9.83% +10.99%

※2022年10月時点

最大下落率は?

投資するのであれば、ファンドがどの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、やはり過去にどの程度下落したことがあるのかを調べるのがよいでしょう。

期間 下落率
1カ月 ▲22.71%
3カ月 ▲34.11%
6カ月 ▲41.30%
12カ月 ▲53.34%

※2022年10月時点

新光 J-REITオープンは2007年11月~2008年10月の間に最大53.34%下落しています。

株式投資よりもリスクが小さいと思われがちですが、リーマンショック時の下落幅で見ると、日経平均よりも大きく下落しています。

もちろん、リーマンショック級の大暴落がまたすぐに来るとは思いませんが、REITもこれくらい下落することもあり得ると思っておかないといけません。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われているのかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅をもとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲478円 240円 ▲99%

※2021/10/14~2022/10/14

新光 J-REITオープンの直近1年間の分配健全度は▲99%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回るということは、ファンドの収益からの支払いは一切ないということを意味します。

新光 J-REITオープンの分配健全度はマイナスですので、あなたが直近1年間で受け取った分配金はすべて投資元本等から支払われたことを意味しています。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考にします。分配金利回りは1年間で受け取った分配金の合計金額を基準価額で割ることで計算できます。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、受け取っている分配金がファンドの収益から出ているものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取っている分配金がファンドの運用の収益から支払われていると判断することができます。

運用利回り 分配金利回り
1年 ▲3.18% 6.00%
3年 ▲0.48%
5年 +6.62%
10年 +9.83%

※2022年10月時点

新光 J-REITオープンの分配金利回りは6%となっており、健全な水準まで下がってきました。

この分配金利回りであれば、健全な水準ですが、直近はパフォーマンスが悪いことから、タコ足配当になっています。

未だ多くの投資家が勘違いをしながら、分配金利回りが高いファンドに投資をしていますが、くれぐれも気をつけてほしいです。

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になるのが今後いつごろ、減配されそうかという点です。そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月続けられそうかを判断するための指標です。明確にこの水準になったら減配されるという指標ではありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、減配されることが多いです。

新光 J-REITオープンの分配金余力は、まだ約400カ月ありますので、減配の心配はいったんしなくても大丈夫でしょう。

分配金 繰越対象額 分配金余力
203期 20円 7,869円 394カ月
204期 20円 7,859円 394カ月
205期 20円 7,850円 394カ月
206期 20円 7,841円 393カ月
207期 20円 7,844円 393カ月
208期 20円 7,830円 393カ月
209期 20円 7,814 392カ月
210期 20円 7,802円 391カ月
211期 20円 7,791円 391カ月
212期 20円 7,783円 390カ月
213期 20円 7,785円 390カ月
214期 20円 7,773円 390カ月

※引用:最新運用報告書

評判はどう?

新光 J-REITオープンの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけ新光 J-REITオープンを購入している人が多いということなので、評判がよくなっているということです。

新光 J-REITオープンは2019年の後半以降は資金の流出が続いており、評判はずっとよくありません。

インデックスファンドにもパフォーマンスで負けていますし、他に優れたアクティブファンドがあるので仕方ないですね。


※引用:モーニングスター

新光 J-REITオープン の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

毎月分配金を受け取っているだけだと、分配金を受け取れたことに満足してしまい、ファンド自体のパフォーマンスがどうなのかという視点が抜けてしまいがちです。

そのため、分配金が減った瞬間に、はじめてこのファンドは大丈夫なのか?と思い始める人がほとんどです。

一方で、しっかりとファンドの収益力(パフォーマンス)を確認しておけば、分配金が自分の投資元本から支払われているタコ足配当ファンドなのか、ちゃんと利益から支払われているファンドなのかわかり、実は全然利益がでていないファンドに投資をするリスクを下げられます。

また、前からこのブログではよく言っているのですが、急落相場では、REITはかなり大きく下落する傾向があります。

中長期でみれば、RIETも1桁中盤のリターンは期待ができますが、新光 J-REITオープンに関しては、低コストのインデックスファンドにパフォーマンスで負けていますし、アクティブファンドのJ-REIT リサーチ・オープン(毎月決算型)にも負けています。

これでは、あえて新光 J-REITオープンを選択する理由がありません。

毎月分配型のファンドに投資をするにしても、重要なのは、ファンド自体がちゃんと収益をあげられているかです。収益をあげていないファンドが分配金を出せるのは、あなたの投資資金から支払いをしているからです。

くれぐれもそのことを忘れずに投資をしてほしいと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点