2017年は悲惨なパフォーマンスだったJ-REITですが、2018年、
2019年は健闘しており、再度投資家の注目を集めています。

ただ、東証RIET指数をベンチマークとするREITは数多く存在して
おり、低コスト競争が激化しています。

以前から設定されているファンドは、純資産総額は大きいものの、
苦戦を強いられており、果たして、ダイワ J-REITオープンは
どうなのでしょうか?

今日は、ダイワ J-REITオープンを徹底分析していきます。

 

ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ダイワ J-REITオープンの投資対象は日本の取引所に上場している
不動産投資信託証券です。

そして東証REIT指数(配当込み)に連動する投資成果を目指します。

REITは投資家から集めた資金をもとに、オフィスビルや商業施設
などを保有、売買することで、賃貸収入や売買益などを得て、
配当金という形で投資家に還元します。

最低でも数百万は必要な不動産投資ですが、REITは小口の資金で
投資ができる点にメリットがあります。

また複数の不動産に分散投資ができるという点と、不動産への
直接投資と比べて高い流動性があるというのもメリットでしょう。


※引用:交付目論見書

ダイワ J-REITオープンの組入状況を見てみると、現在は約60の
REITに分散投資しています。

用途別の一覧を見ると、オフィス不動産の比率が一番
高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

ベンチマークの推移は?

インデックスファンドに投資をするのであれば、ベンチマークに
採用されている指標が過去にどのように推移をしているのかを
確認しておくことはとても重要です。

いくらコストが安くても、ベンチマークが右肩上がりに成長
しなければ、あなたの資産は目減りするだけです。

東証REIT指数の推移を以下に示します。

2007年~2008年のリーマンショック以降で見ると、リーマンショック
前のピーク水準からは+20%程度の上昇となっています。

他の指数と比較して、リーマンショック前のピークからの上昇分が
かなり小さいので、私個人としては、海外株式のほうがおすすめ
しますが、ポートフォリオの1つとしては持っておいてもよいでしょう。


※引用:交付目論見書

純資産総額は?

続いて、ダイワ J-REITオープン の純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ダイワ J-REITオープンの純資産総額は、現在3250億円となっており、
直近でかなり純資産総額を伸ばしています。パフォーマンスが好調
なので、人気が再燃してきたのでしょう。

ただ、後述しますが、東証REIT指数に連動するインデックスファンド
にパフォーマンスで負けているので、あえてダイワ J-REITオープン
選択する理由はあまりありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ダイワ J-REITオープンの実質コストは0.793%となっており、
近年の低コストファンドと比べるとかなり割高です。

さらに今どき購入時手数料を取るなんていうのもあり得ないですね。
残念ながら、このコストでは他のJ-REITファンドと戦えません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 0.792%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.793%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)の評価分析

基準価額の推移は?

ダイワ J-REITオープンの基準価額は、直近3年間で30%ほど
下落しています。直近、基準価額の下落は収まりを見せていますが、
あくまでも下落が収まっただけで、上昇には転じていません。

一方、分配金を受け取らずに運用した場合の基準価額(青線)を
見ると、約3年間で30%ほど上昇していることがわかります。

ここまで分配金再投資基準価額が上昇しているにもかかわらず、
基準価額が上昇していないというのは、いかに過剰な分配が
行われているかがわかります。

今は運用がうまくいっているので良いですが、運用がうまく
いかなくなると同時に急速に基準価額が下落するのが目に
見えています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ダイワ J-REITオープンの利回りを見てみましょう。

直近1年間の利回りは+24.39%と十分なパフォーマンスに
なっています。

3年、5年、10年を見ても、年間の平均利回りが5%以上は
維持できており、REITとしては十分なパフォーマンスでしょう。

ただ、ランキングでは常に平均以下なので、コストの安い
J-REITを選択したほうが得策です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 24.39% 71%
3年 8.26% 65%
5年 5.50% 58%
10年 12.70% 84%

※2020年1月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するのに役立ちます。

ダイワ J-REITオープンの標準偏差を見てみると、8前後なので、
日経225に連動する株式ファンド等と比べると、リスクは約半分に
抑えた運用ができています。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 8.63 48%
3年 8.20 56%
5年 8.58 52%
10年 15.33 22%

※2020年1月時点

年別運用パフォーマンスは?

ダイワ J-REITオープンの年別の運用パフォーマンスを
見てみましょう。

マイナスリターンの年もありますが、それをカバーできる
だけのプラスのリターンを残せています。

Jリートであれば、これだけの運用ができていれば、十分
なのではないでしょうか。

年間利回り
2019年 24.39%
2018年 10.22%
2017年 ▲7.47%
2016年 9.07%
2015年 ▲5.54%
2014年 28.19%

※2020年1月時点

類似ファンドとのパフォーマンスの差は?

続いて、東証REIT指数をベンチマークとする類似ファンドとの
パフォーマンスを比較してみます。

近年では東証REIT指数に連動する低コストのインデックス
ファンドが登場していますので、比較をしておいて損はあり
ません。

今回はニッセイ Jリートインデックスファンドと比較を
してみましたが、わずかにダイワ J-REITオープンは
パフォーマンスで負けてしまっています。

この原因はコストにあり、ニッセイJリートインデックスは
信託報酬が0.2%台であるため、どうしても差がついてしまい
ます。

これを見ると、あえてダイワ J-REITオープンに投資をする
メリットはありません。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資するのであれば、ファンドがどの程度下落する可能性がある
のかは知っておきたいところです。

もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、やはり
過去にどの程度下落したことがあるのかを調べるのがよいでしょう。

ダイワ J-REITオープンは2007年11月~2008年10月の間に最大53.64%
下落しています。

株式投資よりもリスクが小さいと思われがちですが、リーマンショック
時の下落幅で見ると、日経平均よりも大きく下落しています。

もちろん、リーマンショック級の大暴落がまたすぐに来るとは
思いませんが、REITもこれくらい下落することもあり得ると
思っておいたほうがよいでしょう。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲23.21%
3カ月 ▲34.45%
6カ月 ▲41.86%
12カ月 ▲53.64%

※2020年1時点

分配金の推移は?

つづいてダイワ J-REITオープンの分配金の推移を見ていきます。
2015年ごろから毎月80円の分配金を出し続けています。

分配金余力もまだ80カ月近くありますので、減配の心配はなさそう
ですね。

ただ、基準価額に対する分配金の割合を示す分配利回りが18%を
超えていますので、タコ足配当は続きそうです。

万が一、運用がうまく行かなくなり始めると、基準価額は急落します
ので、注意しなければなりません。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
176期 80円 73円 6,322円
177期 80円 -円 6,321円
178期 80円 -円 6,331円
179期 80円 -円 6,451円
180期 80円 -円 6,484円
181期 80円 6,559円

評判はどう?

ダイワ J-REITオープンの評判はネットでの書き込みなどで調べる
方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけダイワ J-REITオープン
を購入している人が多いということなので、評判がよくなっている
ということです。

ダイワ J-REITオープンは、2018年以降、パフォーマンスが良いこと
に伴って資金流入が続いています。ですので、評判はよくなっている
と言えますが、前述したとおり、単純に収益を追求するのであれば、
他のJ-REITのほうがおすすめです。


※引用:モーニングスター

ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)の今後の見通し

2018年に入ってからは好調を維持しており、2019年もすでに
20%超のプラスを出しています。

アメリカと中国の貿易摩擦問題が過熱する中で、一部の資金が
J-REITに流れてきているのも底堅い展開の要因となっています。

ただ、毎月分配型のファンドである点や明らかなタコ足配当を
しているようなファンドというのは私は好きではありません。

また東証REIT指数に連動するインデックスファンドはいくつも
ありますが、ダイワ J-REITオープンはコストが割高の部類に入ります。

投資するのであれば、年1回決算型で、コストが半分以下の
ニッセイJリートインデックスファンドのほうがおすすめです。