株式とは異なる動きをすることから根強い人気のあるJ-RIET.

 

近年では、東証RIET指数をベンチマークとするファンドが
乱立しており、低コスト競争が激化しています。

 

以前から設定されているファンドは、純資産総額は大きいものの、
苦戦を強いられており、果たして、ダイワ J-REITオープンは
どうなのでしょうか?

 

今日は、ダイワ J-REITオープンを徹底分析していきます。

 

 

ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ダイワ J-REITオープンの投資対象は日本の取引所に上場している
不動産投資信託証券です。

 

そして東証REIT指数(配当込み)に連動する投資成果を目指します。

 

REITは投資家から集めた資金をもとに、オフィスビルや商業施設
などを保有、売買することで、賃貸収入や売買益などを得て、
配当金という形で投資家に還元します。

 

最低でも数百万は必要な不動産投資ですが、REITは小口の資金で
投資ができる点にメリットがあります。

 

また複数の不動産に分散投資ができるという点と、不動産への
直接投資と比べて高い流動性があるというのもメリットでしょう。


※引用:交付目論見書

 

ダイワ J-REITオープンの組入状況を見てみると、現在は63銘柄の
REITに分散投資していますので、実質日本のすべてのRIETに
分散投資をしているということです。

 

つまりは銘柄の比率を東証RIET指数の比率と変えることで、
αを狙っていくということですね。

 

用途別の一覧を見ると、オフィス不動産の比率が一番
高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

 

ベンチマークの推移は?

インデックスファンドに投資をするのであれば、ベンチマークに
採用されている指標が過去にどのように推移をしているのかを
確認しておくことはとても重要です。

 

いくらコストが安くても、ベンチマークが右肩上がりに成長
しなければ、あなたの資産は目減りするだけです。

 

東証REIT指数の推移を以下に示します。

 

2007年~2008年のリーマンショック以降で見ると、リーマンショック
前のピーク水準からは+20%程度の上昇となっています。

 

他の指数と比較して、リーマンショック前のピークからの上昇分が
かなり小さいので、私個人としては、海外株式のほうがおすすめ
しますが、ポートフォリオの1つとしては持っておいてもよいでしょう。

 


※引用:交付目論見書

 

純資産総額は?

続いて、ダイワ J-REITオープン の純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ダイワ J-REITオープンの純資産総額は、現在2940億円となっており、
直近でかなり純資産総額を伸ばしています。

 

正直、パフォーマンスが優れているわけでもなく、分配金利回りが
ただ高いだけのタコ足配当ファンドなのですが、多くの初心者の
投資家がカモにされています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ダイワ J-REITオープンの実質コストは0.793%となっており、
近年の低コストファンドと比べるとかなり割高です。

 

さらに今どき購入時手数料を取るなんていうのもあり得ないですね。
残念ながら、このコストでは他のJ-REITファンドと戦えません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 0.792%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.793%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)の評価分析

基準価額の推移は?

ダイワ J-REITオープンの基準価額は、直近3年間で40%ほど
下落しています。

 

コロナショック前までは、J-REITのパフォーマンスが好調
だったこともあり、基準価額の下落は何とか耐えていましたが、
ここにきて、下落スピードが加速しています。

 

基準価額がここまで下落しているファンドというのは、大抵
過剰な分配金を出しているファンドですが、ダイワ J-REIT
オープンも典型的なタコ足ファンドです。

 

減配しない限りはこの基準価額の下落は不可能な水準に
まできていますね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ダイワ J-REITオープンの利回りを見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは▲11.40%です。

 

3年平均、5年平均はかろうじてプラスとなっており、
10年平均利回りだけが10%近い高パフォーマンスと
なっています。

 

直近で調子を取り戻してきていたJ-REITですが、
コロナ前の利回りと比較すると、かなり下落して
おり、いかにコロナショックの影響が大きかった
かがわかります。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 24.39% ▲11.40%
3年 8.26% 2.65%
5年 5.50% 1.44%
10年 12.70% 9.99%

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリートファンド ランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

ダイワ J-REITオープンは国内RIETカテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

ダイワ J-REITオープンは下位20~30%に位置しており、
コロナショック前後で大きく順位の変動はしていません。

 

つまり、平均以下の水準なので、まだほかに優秀な国内RIET
ファンドがあるということです。

2020年1月 2020年7月
1年 71% 75%
3年 65% 74%
5年 58% 62%
10年 84% 85%

※2020年7月時点

 

年別運用パフォーマンスは?

ダイワ J-REITオープンの年別の運用パフォーマンスを
見てみましょう。

 

今年のコロナショックがなければ、J-REITもついに復活か
と思われましたが、ここにきてまた意気消沈といった様相
になっています。

 

株式と違う値動きをするので、ポートフォリオに組み入れる
のも面白いのですが、今のパフォーマンスであれば、特に
組入れようと思いませんね。

年間利回り
2020年 ▲24.7%(1-6月)
2019年 24.39%
2018年 10.22%
2017年 ▲7.47%
2016年 9.07%
2015年 ▲5.54%
2014年 28.19%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ダイワ J-REITオープンに投資をするのであれば、より
低コストで投資ができるインデックスファンドとのパフォー
マンスは比較してから投資をしても遅くはありません。

 

今回は、東証REIT指数と連動するeMAXIS 国内リート
インデックスとパフォーマンスを比較してみました。

 

どの期間においても、低コストのeMAXIS 国内リート
インデックスが勝っています。

 

これでは、高い手数料を支払ってまで投資するメリット
を感じません。


※引用:モーニングスター

 

5年、10年のより長い期間でパフォーマンスを比較してみても、
やはりダイワ J-REITオープンが劣っています。

これであれば、インデックスファンドに投資をすれば、十分
と言えます。

ダイワ J-REIT eMAXIS国内リート
1年 ▲11.40% ▲11.20%
3年 2.65% 3.14%
5年 1.44% 1.93%
10年 9.99% 10.82%

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のアクティブファンドに投資するのであれば、
同じく毎月分配型のアクティブファンドとパフォーマンスを
比較してから投資をしても遅くはありません。

 

今回は同じくJ-RIETに投資ができるJ-REITリサーチ・
オープン(毎月分配型)
と比較をしてみました。

 

同じJ-REITに投資をしていても、3年間で7%以上の
差がついています。

 

これだけ差がつくと、ダイワ J-REITオープンを選択
する理由がなくなります。


※引用:モーニングスター

 

ダイワ J-REIT J-RIETリサーチ
1年 ▲11.40% ▲8.99%
3年 2.65% 4.50%
5年 1.44% 2.35%
10年 9.99% 11.25%

※2020年7月時点

 

最大下落率は?

投資するのであれば、ファンドがどの程度下落する可能性がある
のかは知っておきたいところです。

 

もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、やはり
過去にどの程度下落したことがあるのかを調べるのがよいでしょう。

 

ダイワ J-REITオープンは2007年11月~2008年10月の間に最大53.64%
下落しています。

 

株式投資よりもリスクが小さいと思われがちですが、リーマンショック
時の下落幅で見ると、日経平均よりも大きく下落しています。

 

もちろん、リーマンショック級の大暴落がまたすぐに来るとは
思いませんが、REITもこれくらい下落することもあり得ると
思っておいたほうがよいでしょう。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲23.21%
3カ月 ▲34.45%
6カ月 ▲41.86%
12カ月 ▲53.64%

※2020年7時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲1,599円 960円 ▲66%

※2019/7/27~2020/7/26

 

ダイワ J-REITオープンの直近1年間の分配健全度は
▲66%となっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

コロナショックの影響も当然ありますが、あなたが受け
取っている分配金はすべてファンドの収益以外から支払われ
ていたことを意味します。

 

かつ、投資元本が大きく削られてしまっているということです。

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

分配金利回りは1年間で受け取った分配金の合計金額を
基準価額で割ることで計算できます。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

ダイワ J-REITオープンの分配金利回りは27.5%と異常に高く
なっています。

 

この利回りの高さに釣られて多くの投資家が投資を始めている
状況ですが、分配金利回りとファンドの運用利回りは全く
別物です。

 

今のファンドのパフォーマンスでは、あなたが受け取る分配金
のほんの一部しか稼ぐことができていません。

 

大半は、あなたが投資した資金から払い戻されているだけです
ので、詐欺のようなものです。

運用利回り 分配金利回り
1年 ▲11.40% 27.5%
3年 2.65%
5年 1.44%
10年 9.99%

※2020年7月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

ダイワ J-REITオープンの分配金余力はまだ80カ月あります
ので、減配の心配はいったんしなくても大丈夫そうです。

 

ただ、分配金余力があるからといって、あなたの受け取る
分配金がすべてここから支払われるわけではありません。

 

現状、あなたが受け取る分配金のほとんどが投資資金から
出ていますので、決して素直に喜べる状況ではないという
ことです。

分配金 繰越対象額 分配金余力
176期 80円 6,322円 80.0カ月
177期 80円 6,321円 80.0カ月
178期 80円 6,331円 80.1カ月
179期 80円 6,451円 81.6カ月
180期 80円 6,484円 82.0カ月
181期 80円 6,559円 82.9カ月
182期 80円 6,743円 85.2カ月
183期 80円 6,670円 84.3カ月
184期 80円 6,599円 83.4カ月
185期 80円 6,540円 82.7カ月
186期 80円 6,508円 82.3カ月
187期 80円 6,452円 81.6カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

 

評判はどう?

ダイワ J-REITオープンの評判はネットでの書き込みなどで調べる
方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは、それだけダイワ J-REITオープン
を購入している人が多いということなので、評判がよくなっている
ということです。

 

ダイワ J-REITオープンは2018年は確かにパフォーマンスが
良かったので、資金流入する理由がわかるのですが、2019年
2020年に入ってもここまで流入している理由がわかりません。

 

たぶん、分配金利回りが高くなったことで、株の配当金と
勘違いをして投資をしている投資家が多いのだと思います。

 

このブログを読んでいるあなたはくれぐれも騙されないように
してください。

 


※引用:モーニングスター

 

ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)の評価まとめと今後の見通し

コロナショックで一番大きく下落したのが、RIET市場でした。

 

前からこのブログではよく言っているのですが、急落相場
では、REITはかなり大きく下落する傾向があります。

 

それもあり、直近のファンドの分配健全度は悲惨な結果と
なっています。

 

中長期でみれば、RIETも1桁中盤のリターンは期待ができますが、
ダイワ J-REITオープンに関しては、低コストのインデックス
ファンドにパフォーマンスで負けていますし、

 

アクティブファンドのJ-REIT リサーチ・オープン(毎月決算型)
にも負けています。

 

これでは、あえてダイワ J-REITオープンを選択する理由が
ありません。

 

毎月分配型のファンドに投資をするにしても、重要なのは、
ファンド自体がちゃんと収益をあげられているかです。

 

収益をあげていないファンドが分配金を出せるのは、あなたの
投資資金から支払いをしているからです。

 

くれぐれもそのことを忘れずに投資をしてほしいと思います。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点