インデックスファンドの低コスト競争において、最前線で戦っている大和証券投資信託委託のiFreeシリーズ。iFreeシリーズ中で、一番注目を集めているのが、iFree S&P500インデックスです。

投資家からの要望に応えて初期の段階からS&P500に連動するインデックスファンドを設定してくれた大和投信には感謝ですが、現在ではその人気ぶりから各社がこぞってS&P500に連動するインデックスファンドを出してきています。

今日は、大和投信のiFree S&P500インデックスについて独自目線で分析したいと思います。

「iFree S&P500インデックスって持ってて大丈夫なの?」

「iFree S&P500インデックスって投資対象としてどうなの?」

「iFree S&P500インデックスより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


iFree S&P500インデックスの基本情報

投資対象は?

投資対象は、米国の株式に投資し、S&P500指数(円ベース)に連動する運用成果を目指します。

S&P500は、S&P Dow Jones Indicesが算出しているアメリカの代表的な株式指数で、ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から代表的な大型株500銘柄の株価をもとに算出される指標です。

組入銘柄は下図のようになっています。


※引用:マンスリーレポート

本来であれば、S&P500の構成銘柄を直接購入すべきですが、iFree S&P500インデックスは、ishares core S&P500 ETFを一部購入しています。

一時期はishares core S&P500 ETFの比率が33%を超えていましたが、現在は3%程度になっており、ようやく本来の姿に近づいてきたという印象です。パフォーマンスが大きく変わるというわけではないので、ご安心ください。

上位銘柄にはアップル、マイクロソフト、アマゾンなど有名企業が上位に組み込まれていますね。

インデックスファンドの場合は、ベンチマークに沿ったパフォーマンスになるわけですので、ベンチマークが右肩上がりであればあるほど、利益が期待できるというわけです。

そしてS&P500(配当込み、円ベース)の平均利回りを以下に示しますが、ご覧のとおり、20年、30年の平均利回りを見ても、安定的に高いパフォーマンスとなっています。

平均利回り
1年 +9.3%
3年 +19.6%
5年 +15.0%
10年 +18.9%
15年 +9.7%
20年 +10.8%
30年 +10.3%

※引用:マイインデックス(2022年9月末時点)

当然あのリーマンショックも込みのパフォーマンスなので、いかに優れた実績を残しているかがわかります。こういった長期の利回りを事前に確認しておくことで、大きな下落がきたときでも動揺せずに保有を続けられます。

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

iFree S&P500インデックスのつみたてNISAとiDeCoの対応状況を確認しておきましょう。

コスト面で見ると、どうしても他のインデックスファンドのほうが優れているので、つみたてNISAやiDeCoであえて投資をするというのは考えづらいですが、他に選択肢がない場合は選択しても問題ありません。

つみたてNISA iDeCo
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※2022年10月時点

純資産総額は?

続いて、iFree S&P500インデックスの純資産総額はどうなっているか見ていきます。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見るべきポイントです。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

iFree S&P500インデックスは前評判がかなり高かったこともあり、下図のように2017年の9月以降、かなりの速度で純資産を増やしています。現在の純資産総額は約680億円ですので、規模としては問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

インデックスファンドにおいて、実質コストというのは何よりも重要な項目です。iFree S&P500インデックスの実質コストは0.278%となっています。

これでも十分低コストですが、、さらに低コストのファンドが出てきていますので、コスト競争では一歩遅れを取っている形です。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 0
信託報酬 0.2475%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.278%(概算値)

※最新運用報告書

信託報酬の比較

iFree S&P500インデックスと同様にS&P500をベンチマークとしているファンドの実質コストベースで比較をしたいところなのですが、まだ運用報告書がなく実質コストがわからないファンドもあることから信託報酬ベースで比較をしてみます。

三菱UFJ投信のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が登場したことで、これ以上、信託報酬の低いファンドは登場しないだろうと思っていましたが、SBIアセットから恐ろしいファンドが登場しました。

VOOと呼ばれる米国では非常に人気の高いETFを参照するインデックスファンドで信託報酬がなんと0.1%を切っています。

ここまで熾烈な争いをしてくれると投資家としてはありがたいの一言なのですが、iFreeS&P500インデックスを選択する理由がなくなってしまいますね。

SBI・バンガード・S&P500 0.0938%(税込)
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.0968%(税込)
iFreeS&P500インデックス 0.2475%(税込)
iシェアーズ 米国株式インデックス 0.0938%(税込)
農中つみたてNISA米国株式 S&P500 0.495%(税込)

※2022年10月時点

iFree S&P500インデックスの評価分析

基準価額をどう見る?

iFree S&P500インデックスの基準価額は、2020年のコロナショックで一時は10,000円を割り込みました。

しかし、その後、急回復をみせ、2022年にはいっても安定して上昇を続けています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、iFree S&P500インデックスの運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは9.24%です。3年、5年平均利回りともに約15%以上ですので、インデックスファンドで、これくらいのリターンが期待できるのであれば、十分投資するに値します。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +9.24%
3年 +19.59%
5年 +14.72%
10年

※2022年10月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

iFree S&P500インデックスは、北米カテゴリーに属しています。投資をするのであれば、同カテゴリー内でも優れたファンドに投資をするべきなので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べてみました。

iFree S&P500インデックスはどの期間においても上位30%程度には入っており、インデックスファンドにもかかわらず、かなり優秀な成績となっています。

上位●%
1年 32%
3年 16%
5年 12%
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

つづいて、iFree S&P500インデックスの年別のパフォーマンスを見ていきます。

設定されたタイミングが悪かったこともあり、2018年はマイナスとなっていますが、それ以降はしっかりプラスとなっています。

年間利回り
2022年 ▲3.31%(1-9月)
2021年 +44.30%
2020年 +10.23%
2019年 +30.39%
2018年 ▲7.69%
2017年

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンスの差は?

インデックスファンドに投資をするのであれば、同じベンチマークのファンドとパフォーマンスを比較することが不可欠です。

今回はiFree S&P500インデックスのライバルでもあるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)SBI・バンガード・S&P500インデックスと比較をしました。


※引用:モーニングスター

結果は、S&P500に連動するファンドの中で比較をすると、コスト分、eMAXIS Slim S&P500のパフォーマンスが一番高くなっています。

ただ、パフォーマンスの差は誤差の範囲ですので、あなたがメインで使っている証券口座で取り扱いのあるファンドをこの中から選択すれば十分です。

類似ファンドとのパフォーマンス比較

iFree S&P500インデックスへの投資を検討する場合、それ以外の米国株ファンドとのパフォーマンスの差も気になるところです。

そこで、今回は、iFreeNYダウインデックスiFreeNEXTNASDAQ100インデックスと比較をしました。


※引用:モーニングスター

結果は、かなり大きく差がつき、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスが独走状態となっています。コロナ禍でも逆に売り上げを伸ばしてきた銘柄が多数、組入られていたことが大きな要因です。

インデックスファンドとは思えないパフォーマンスですね。

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

世間ではインデックスファンドが正という風潮が強いため、アクティブファンドなど検討さえもしていないという方も多いと思います。

しかし、数は少ないですが、長期に渡り圧倒的な成果を残しているアクティブファンドも存在しており、インデックスファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

そこで、今回はS&P500の中から銘柄を絞り込んでアクティブ運用しているアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信とパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

いかがでしょうか?

アクティブファンドにも長期にわたって優れたファンドは存在しています。もちろんインデックスファンドへの投資もよいですが、一部の資金はリスクを取って、アクティブファンドに投資をするというのも面白いと思います。

iFreeS&P500 米国成長株投信
1年 9.24% ▲2.18%
3年 19.59% 19.77%
5年 14.72% 16.46%
10年 20.33%

※2022年10月時点

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。

そこでiFree S&P500インデックスの最大下落率を調べました。

期間 下落率
1カ月 ▲12.18%
3カ月 ▲19.16%
6カ月 ▲9.89%
12カ月 ▲7.69%

※2022年10月時点

iFree S&P500インデックスの最大下落率は2020年1月~3月の▲19.16%です。運用期間が短いということもあり、コロナショックの影響が一番大きかったようですね。

とはいえ、株式ファンドでこの下落幅ですんでいるというのはS&P500がいかに優れた指数かを物語っています。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

※2022年10月時点

評判はどう?

続いて、iFree S&P500インデックスの評判を見ていきましょう。

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判がいいということになります。

iFree S&P500インデックスの資金流出入額を見ると、2017年の新規設定以降、資金が大きく流入を続けています。ほとんどの期間で流入超過となっていますので、根強い人気が
あることがわかりますね。


※引用:モーニングスター

 

iFree S&P500インデックスの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

あなたは、世界三大投資家であるウォーレン・バフェットが彼の妻に「自分が死んだら、資金90%はS&P500インデックスに投資をせよ」という言葉を残しているのをご存じでしょうか?

バフェットの会社であるバークシャー・ハサウェイは年利20%以上の高パフォーマンスを出し続けていますが、常にS&P500(配当込)との投資成果を競い合わせており、いかにバフェットがS&P500を重要視していたかがわかります。

これは裏を返せば、S&P500に組み込まれるような米国の企業は時代を超えて、素晴らしい成果を上げているから、今後もそれを信じて投資をしましょう。ということです。

S&P500は過去のどの15年間をとっても、年利4%以上の高いパフォーマンスを出していることからも、あなたがもし海外のインデックスファンドを探しているのであれば、S&P500に連動するインデックスファンドはぜひ一本選んでおいてください。

ただ、iFree S&P500インデックスであるかどうかはあなたがよく利用する証券会社で取り扱いがあるかで決めればよいと思います。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)SBI・バンガード・S&P500インデックスの取り扱いがある証券会社であれば、そちらを選択すればよいでしょう。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点