eMAXIS Slim シリーズは多くの投資家から大人気となっていますが、よく聞かれるのが、全世界株式(除く日本)と全世界株式(オールカントリー)はどちらを選択するほうがよいかという質問です。

もともとは全世界株式(除く日本)しかなかったのですが、オールカントリーが出てきたことで、多くの投資家が逆に迷うようになっています。

今日は、そんなeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)とeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)を比較しながら、分析していきたいと思います。

「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)って投資対象としてどうなの?」

「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)って持ってて大丈夫なの?」

「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の基本情報

投資対象は?

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の投資対象は、日本を除く先進国と新興国の株式で、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円ベース)に連動する投資成果を目指します。

このベンチマークはMSCI Inc.が開発した指数で、日本を除いた先進国(22か国)と新興国(27か国)から構成されており、約2700銘柄で構成されています。

直近の組入構成比は、先進国と新興国の比率は88%、12%になっています。そして先進国株式では米国株の比率が6割近く占めているのが特徴です。


※引用:マンスリーレポート

全世界と言いながらも、実態は米国株の比率が高く米国株式市場の影響を受けやすくなっています。新興国株式ではケイマン諸島の比率が高いですが、これは実質中国株だと思っておいて問題はありません。

インデックスファンドにおいては、ベンチマークの推移を確認しておかなければいけません。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算)の過去の利回りを見てみましょう。

ご覧の通り、どの期間で見ても平均利回りで7%以上となっており、今後も安定的に高い利回りが期待できそうであることがわかります。コロナショックのようなイベントがあっても慌てずに保有を続ければしっかりプラスが出ることが証明されていますね。

平均利回り
1年 +3.8%
3年 +15.7%
5年 +10.8%
10年 +15%
15年 +6.5%
20年 +9.8%
30年 +9%

※引用:わたしのインデックス

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)のつみたてNISAとiDeCoの対応状況を確認しておきましょう。つみたてNISAおよびiDeCoともに対応可能な状態です。

投資をするのであれば、これらのサービスを有効活用したいですね。

つみたてNISA iDeCo
SBI証券(セレクトプラン)、松井証券

※2022年10月時点

純資産総額は?

続いて、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見るべきポイントです。ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。

また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)は下図のように2018年の新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は約1640億円となっています。着実に純資産を積み上げており、今後もこの傾向は続くでしょう。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス連動型のファンドは運用会社各社が作っていますが、運用リターンはベンチマークに連動するため、どこも差がつきません。

そうすると、実質コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の実質コストは0.174%と信託報酬と比べるとかなり高くなっています。信託報酬と比較して1.5倍近くになっていますが、それでも0.2%弱で投資ができるのであれば、安いものですね。

購入時手数料 0
信託報酬 0.1144%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.174%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の評価分析

基準価額をどう見る?

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の基準価額の推移を見てみると、コロナショックで、一時は30%近く下落しましたが、その後は堅調に推移して、2022年も高値を更新しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の利回りを見てみましょう。

直近1年間の利回りは+3.77%という結果になっています。米国株を筆頭に株式相場は2021年まで絶好調だったので、3年平均も15%と非常に好調です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +3.77%
3年 +15.43%
5年
10年

※2022年10月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、日本を除く国際株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資すべきですので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、直近1年間も3年平均利回りも上位50%程度にランクインしています。思ったよりも上位にランクインしていませんね。

上位●%
1年 65%
3年 50%
5年
10年

※2022年10月時点

年別の運用利回りは?

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の年間パフォーマンスを見てみると、2021年は34.10%のプラスと絶好調でした。

2020年もプラス、2019年もプラスということで、設定した時期がよかったというのもありますが、順調の一言ですね。

年間利回り
2022年 ▲5.47(1-9月)
2021年 +34.10%
2020年 +8.99%
2019年 +27.52%
2018年

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

類似ファンドとの利回り比較

インデックスファンドに投資をするのであれば、類似のベンチマークを採用しているインデックスファンドとパフォーマンスの比較は不可欠です。

そこで今回は、全世界の株式に分散投資ができるeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)楽天・全世界株式インデックスファンドの2本とパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

まず、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)との比較でみると、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の方がパフォーマンスが高くなっています。

これはもうシンプルに日本株は全体のパフォーマンスを下げている要因であるということです。日本人の我々からすると、少し残念な気持ちになります。

一方、楽天・全世界株式インデックスファンドとの比較でもわずかですが、差をつけて買っています。ここから、全世界の株式に分散投資をするのであれば、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は選択肢として、間違っていないことがわかります。

アクティブファンドとの利回り比較

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)への投資を検討するのであれば、同じように全世界の株式に投資ができるアクティブファンドと比較をしておいても損はありません。

今回は、世界の株式に分散投資ができるアクティブファンドとして、非常にパフォーマンスの高いグローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界』と比較しました。


※引用:モーニングスター

2021年末までは圧倒的に未来の世界のパフォーマンスが優れていたのですが、直近の直近では未来の世界が急落してきたことで、逆転しています。

それであれば、あえて高いコストを支払わなくても、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)に投資をするという判断は決して間違っていないと思われます。

Slim全世界(除く日本) G・ハイクオリティ
1年 +3.77% ▲28.14%
3年 +15.43% +8.74%
5年 +8.46%
10年

※2022年10月時点

他の指数に連動するインデックスファンドとの利回り比較

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)への投資を検討する上で、他の指数に連動するファンドと比べてパフォーマンスはどうなのかと気になる人もいると思います。

そこで、日経225に連動するeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、先進国の代表的な指数に連動するeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、最後に米国の代表的な指数であるS&P500に連動するeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を比較しました。


※引用:モーニングスター

明らかにeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)が劣っています。そして、残りの3ファンドで比較をすると、やはり、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が1つ頭が飛びぬけています。

eMAXIS Slim先進国株式インデックスとeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)がほぼ同じようなパフォーマンスになっているようです。

個人的な意見としては、米国株式一択でも良いと思いますが、あとは自分が長期で平常心で運用するには、どのファンドを保有していれば、安心して投資ができるかと言う軸でファンドを選択してください。

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。

まだ設定来の期間が短いですが、2020年1月~3月の3カ月間で最大22.21%下落しています。

期間 下落率
1カ月 ▲15.64%
3カ月 ▲22.21%
6カ月 ▲13.34%
12カ月 ▲12.33%

※2022年10月時点

全世界の株式に分散したとしても、投資対象が株式である限りこの程度の下落は覚悟しておいてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

続いて、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の評判を見ていきたいと思います。評判をみる指標としては、ファンドへの資金流出入額が参考になります。

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判が良いということになります。

2018年3月の新規設定以来、毎月資金流入しており、日本を除く全世界の銘柄にこれ一本で投資ができるということで、今後も人気は継続するでしょう。


※引用:モーニングスター

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の評価まとめと今後の見通し

ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤーで見事1位を獲得した楽天・バンガード・全世界株式が注目を浴びたので、それに負けじと作ったのがeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)です。

このファンドはiDeCoでも採用されており、超低コストであること、全世界に分散投資ができるので、今後さらに多くの投資家から注目を浴びると思います。

ただし、直近では日本株も含めたeMAXIS Slim 全世界(オールカントリー)も登場しており、投資家からすると、何が違うのかよくわからなくなってきているのも事実。

パフォーマンスだけを見ると、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)のほうが上回っていますが、日本も含めて投資をしたいという人のほうが全体としては多いようです。

eMAIXS Slim全世界株式(除く日本)の使い方としては、日本株だけはより高いパフォーマンスが期待できるアクティブファンドに投資をするのがよいでしょう。

日経225に含まれるような大型株がよければ、スパークスの厳選投資がいいですし、もっとリターンを追求していきたいということであれば、東京海上アセットの東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンあたりに投資をしてみてはいかがでしょうか?

こうすることで、eMAIXS Slim全世界株式(オールカントリー)を大きく上回る運用が可能になるはずです。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点